発表年:1978年
ez的ジャンル:円熟系女性MPB
気分は... :彼女の作品もっと聴きます!
今回はブラジルを代表する女性シンガーの1人、Maria Bethaniaの大ヒット・アルバム『Alibi』(1978年)です。
Caetano Velosoの妹であり、兄と共にトロピカリズモの代表的なアーティストの1人であるMaria Bethaniaの紹介は、Edu Loboとの共演作『Edu E Bethania』(1967年)に続き2回目となります。
兄Caetano VelosoやBethaniaと同じくトロピカリズモの歌姫Gal Costaあたりと比較して、意外と作品をきちんと聴くことができていないのがMaria Bethaniaです。僕に限らず日本では意外に地味な存在なのかもしれませんね。また、ライブ作が多いこともあり、どの作品から手をつけるべきか迷ってしまうアーティストでもあります。
今日紹介する『Alibi』(1978年)は彼女のキャリアの絶頂期にリリースされた大ヒット作品です。
全体的に落ち着いた雰囲気のアルバムですが、Maria Bethaniaの中性的な低音ヴォーカルを存分に満喫できます。Gal Costa、女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットも含まれています。特にGal Costaとの共演はブラジル音楽好きにはたまりませんね。
さまざまなコンポーザーの作品を取り上げていますが、Chico Buarque作品が4曲収録されているのが目立っています。
シンガー、表現者として円熟味を増してきたMaria Bethaniaの魅力を存分に堪能しましょう。
プロデュースはMaria Bethania本人とPerinho Albuquerque
全曲紹介しときやす。
「Diamante Verdadeiro」
Caetano Veloso作。邦題「本物のダイヤモンド」。兄Caetanoが書き下ろした楽曲を凛とした中性的ヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vctu0_ImViQ
「Alibi」
Djavan作。Djavanのオリジナルは『Djavan』(1978年)に収録されています。タイトル曲はDjavanの名を広く知らしめた名曲ですね。メロウ・エレピと美しいオーケストレーションをバックに、哀愁のメロディを情感たっぷりに歌ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PcKqn-rFDKU
「O Meu Amor」
女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットでChico Buarque作品を歌います。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。1人の男を奪い合う2人の女のバトルをBethaniaとAlcioneが歌で見事に表現しています。
http://www.youtube.com/watch?v=7Fngnzw1MkU
「A Voz de Uma Pessoa Vitoriosa」
Waly Salomao/Chico Buarque作。この曲もChico Buarque作品。邦題「勝ち誇る人の声」。美しいメロウ・チューンをBethaniaを高らかに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=A5PnBVdcQtQ
「Ronda」
Paulo Vanzolini作。切ない女心を情感たっぷりに歌う味わい深い仕上がり。Bethaniaの歌手としての実力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=sRCb0jukid0
「Explode Coracao」
Gonzaguinha作。哀愁のメロディをバックにBethaniaの歌がしみじみ伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=j2QSkXo-jiY
「Negue」
Adelino Moreira/Enzo Almeida Passos作。落ち着いた雰囲気の大人の哀愁メロウに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=d1aG3ASU3Uk
「Sonho Meu」
Dona Ivone Lara/Delcio Carvalho作。Gal Costaとの共演となるこのサンバ・チューンが個人的には本作のハイライトです。対照的な2人のヴォーカルを聴いているだけで大満足です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ly6Vq1-rMGs
「De Todas as Maneiras」
Chico Buarque作。哀愁メロウを憂いのあるヴォーカルでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1MDLFcuUH70
「Calice」
Gilberto Gil/Chico Buarque作。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。舞台でも演じているかのようなBethaniaの表現力の素晴らしさが際立つ1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=_75PsokKgmE
「Interior」
Rosinha de Valenca作。ラストは女流Baden PowellことRosinha de Valencaの楽曲で締め括ってくれます。シンプルながらも美しい仕上がりにウットリです。
http://www.youtube.com/watch?v=Rv3u_4V7gDc
Maria Bethaniaの過去作品もチェックを!
『Maria Bethania』(1965年)
Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
『Recital na Boite Barroco』(1968年)
『』
『Maria Bethania』(1969年)
『A Tua Presenca...』(1971年)
『Rosa dos Ventos』(1971年)
『Drama 3o Ato 』(1973年)
『A Cena Muda』(1974年)
Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
『Passaro Proibido』(1976年)
『Passaro Da Manha』(1977年)
『Mel』(1979年)
『Talisma』(1980年)
『Alteza』(1981年)
『Ciclo』(1983年)
久しぶりに聴いたけど癒されました。
ありがとうございます。
聴けば聴くほど味わいが増してくる1枚ですね。
まだまだ彼女の作品のコレクションは少ないので、せっせと集めたいと思います。