2013年04月10日

Maria Bethania『Alibi』

ブラジルで大ヒットを記録したキャリア絶頂期のアルバム☆Maria Bethania『Alibi』
アリバイ
発表年:1978年
ez的ジャンル:円熟系女性MPB
気分は... :彼女の作品もっと聴きます!

今回はブラジルを代表する女性シンガーの1人、Maria Bethaniaの大ヒット・アルバム『Alibi』(1978年)です。

Caetano Velosoの妹であり、兄と共にトロピカリズモの代表的なアーティストの1人であるMaria Bethaniaの紹介は、Edu Loboとの共演作『Edu E Bethania』(1967年)に続き2回目となります。

Caetano VelosoやBethaniaと同じくトロピカリズモの歌姫Gal Costaあたりと比較して、意外と作品をきちんと聴くことができていないのがMaria Bethaniaです。僕に限らず日本では意外に地味な存在なのかもしれませんね。また、ライブ作が多いこともあり、どの作品から手をつけるべきか迷ってしまうアーティストでもあります。

今日紹介する『Alibi』(1978年)は彼女のキャリアの絶頂期にリリースされた大ヒット作品です。

全体的に落ち着いた雰囲気のアルバムですが、Maria Bethaniaの中性的な低音ヴォーカルを存分に満喫できます。Gal Costa、女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットも含まれています。特にGal Costaとの共演はブラジル音楽好きにはたまりませんね。

さまざまなコンポーザーの作品を取り上げていますが、Chico Buarque作品が4曲収録されているのが目立っています。

シンガー、表現者として円熟味を増してきたMaria Bethaniaの魅力を存分に堪能しましょう。

プロデュースはMaria Bethania本人とPerinho Albuquerque

全曲紹介しときやす。

「Diamante Verdadeiro」
Caetano Veloso作。邦題「本物のダイヤモンド」。兄Caetanoが書き下ろした楽曲を凛とした中性的ヴォーカルで歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=Vctu0_ImViQ

「Alibi」
Djavan作。Djavanのオリジナルは『Djavan』(1978年)に収録されています。タイトル曲はDjavanの名を広く知らしめた名曲ですね。メロウ・エレピと美しいオーケストレーションをバックに、哀愁のメロディを情感たっぷりに歌ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PcKqn-rFDKU

「O Meu Amor」
女性サンバ・シンガーAlcioneとのデュエットでChico Buarque作品を歌います。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。1人の男を奪い合う2人の女のバトルをBethaniaとAlcioneが歌で見事に表現しています。
http://www.youtube.com/watch?v=7Fngnzw1MkU

「A Voz de Uma Pessoa Vitoriosa」
Waly Salomao/Chico Buarque作。この曲もChico Buarque作品。邦題「勝ち誇る人の声」。美しいメロウ・チューンをBethaniaを高らかに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=A5PnBVdcQtQ

「Ronda」
Paulo Vanzolini作。切ない女心を情感たっぷりに歌う味わい深い仕上がり。Bethaniaの歌手としての実力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=sRCb0jukid0

「Explode Coracao」
Gonzaguinha作。哀愁のメロディをバックにBethaniaの歌がしみじみ伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=j2QSkXo-jiY

「Negue」
Adelino Moreira/Enzo Almeida Passos作。落ち着いた雰囲気の大人の哀愁メロウに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=d1aG3ASU3Uk

「Sonho Meu」
Dona Ivone Lara/Delcio Carvalho作。Gal Costaとの共演となるこのサンバ・チューンが個人的には本作のハイライトです。対照的な2人のヴォーカルを聴いているだけで大満足です。
http://www.youtube.com/watch?v=Ly6Vq1-rMGs

「De Todas as Maneiras」
Chico Buarque作。哀愁メロウを憂いのあるヴォーカルでしっとりと聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=1MDLFcuUH70

「Calice」
Gilberto Gil/Chico Buarque作。Chico Buarqueのオリジナルは『Chico Buarque』(1978年)に収録されています。舞台でも演じているかのようなBethaniaの表現力の素晴らしさが際立つ1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=_75PsokKgmE

「Interior」
Rosinha de Valenca作。ラストは女流Baden PowellことRosinha de Valencaの楽曲で締め括ってくれます。シンプルながらも美しい仕上がりにウットリです。
http://www.youtube.com/watch?v=Rv3u_4V7gDc

Maria Bethaniaの過去作品もチェックを!

『Maria Bethania』(1965年)
Maria Bethania

Edu Lobo & Maria Bethania『Edu E Bethania』(1967年)
エドゥ・ロボ&マリア・ベターニア

『Recital na Boite Barroco』(1968年)
Recital Na Boite Barroco: Odeon 100 Anos

『Maria Bethania』(1969年)
Maria Bethania

『A Tua Presenca...』(1971年)
Tua Presenca

『Rosa dos Ventos』(1971年)
Rosa Dos Ventos

『Drama 3o Ato 』(1973年)
Drama 3? Ato

『A Cena Muda』(1974年)
Cena Muda

Chico Buarque & Maria Bethania『Chico Buarque & Maria Bethania Ao Vivo』(1975年)
Chico Buarque & Maria Bethania

『Passaro Proibido』(1976年)
Passaro Proibido

『Passaro Da Manha』(1977年)
Passaro Da Manha

『Mel』(1979年)
Mel

『Talisma』(1980年)
Talisma

『Alteza』(1981年)
Alteza

『Ciclo』(1983年)
Ciclo
posted by ez at 12:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
円熟味という言葉がぴったりですね。
久しぶりに聴いたけど癒されました。
Posted by ドコドン at 2013年04月11日 16:36
☆ドコドンさん

ありがとうございます。

聴けば聴くほど味わいが増してくる1枚ですね。
まだまだ彼女の作品のコレクションは少ないので、せっせと集めたいと思います。
Posted by ez at 2013年04月12日 13:45
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