発表年:1968年
ez的ジャンル:UKサイケ・ロック
気分は... :ジャケがねぇ...
一昨日のエントリーでサッカーUEFAチャンピオンズリーグの優勝予想として、チェルシー、バレンシアの2チームを挙げていたが、なんと準々決勝でこの両チームが激突することになってしまった。なんか決勝で観たいカードだけど、この対決を制したチームが最終的に僕のイチオシとなることでしょう。
今回はUKのサイケ・ロック・グループのTomorrowの唯一のアルバム『Tomorrow』(1968年)デス。
Tomorrowはプログレ・ロックの雄Yesをお好きな人ならば、Yes参加前のSteve Howeが在籍していたグループとして知られていますね。
話が逸れますが、昨晩WOWOWでSteve HoweとSteve Hackettという2大ギタリストを擁したGTRのライブをやっていましたね。久々にSteve Howeのギタープレイの映像を観ました。
モッズ・バンドとして活動していたグループThe In Crowdが、サイケ・ブームと共に音楽性を方向転換し、契約上の問題も絡んできて、グループ名を変更して誕生したのがTomorrowデス。
メンバーは、Keith West(vo)、Steve Howe(g)、Twink(ds、per)、John "Junior" Wood(b)の4人。
Steve Howe以外にも、グループのリーダー格であり、その後ソロでも活躍するKeith Westや、Pretty Thingsなどにも参加した筋金入りのサイケ野郎Twinkといったなかなか個性的なメンバーが揃いまシタ。
本作『Tomorrow』はグループ唯一のアルバムですが、サイケブームも去りつつあった当時は全くの不発に終わったアルバムだったみたいですね。
しかしながら、今日ではUKサイケ・ロックの隠れた名盤としての再評価が高まっていますね。
Steve HoweのYesでの成功あたりの影響も大きいのかもしれません。
内容は、サイケながらも、ポップさも兼ね備えていて、各曲3分前後というコンパクトな作りであるため、かなり聴きやすいと思いマス。案外ソフト・ロック好きの方なんかにも受け入れられる作品なのでは?
オススメ曲を紹介しときやす。
「My White Bicycle」
アルバムに先駆けて1967年にシングルとして発表された曲。ラーガ風味のサイケ・ポップってカンジですな。Queen「Bicycle Race」よりも10年以上前に、自転車のベルのSE音が聞こえるのが嬉しいですね。
「Colonel Brown」
「Shy Boy」
ソフト・ロック好きが喜びそうな偏執ポップに仕上がっている2曲。Keith Westのボーカルがストレンジなサウンドとマッチしていますな。
「Real Life Permanent Dream」
ドラマチックな展開のラーガ・ロック。Rolling Stones「Paint It Black」あたりが好きな人ならば気に入るのでは?
「Revolution」
この曲も1967年にシングル・カットされた曲。サイケなテイストと前身のモッズ・バンドのテイストがうまく融合されていると思いマス。
「The Incredible Journey of Timothy Chase」
Beatles『Sgt. Pepper's 〜』路線のポップ・ソング2曲。「The Incredible Journey of Timothy Chase」はドラッギーな1曲。「Auntie Mary's Dress Shop」は英国らしいシニカルなムードが溢れていマス。
「Strawberry Fields Forever」
ご存知Beatlesの名曲のカヴァー。ある意味本作のハイライトかもしれませんね。オリジナルに近い雰囲気だけど、こっちの方がもっとユルいです。なかなか秀逸なカヴァーだと思いマス。
「Three Jolly Little Dwarfs」
なかなか小気味良いブリティッシュらしいサイケ・ロック。
「Now Your Time Has Come」
アルバムで唯一の4分台のサイケ風味は弱いけど、ブリティッシュらしいブルース・ロック風味の仕上がりがなかなか好きですね。
「Hallucinations」
フォーキー・サイケといったカンジの1曲。素朴だけどサイケというカンジがなかなか好きですな。
なかなかいい作品だけど、唯一の欠点はジャケだね。
このセンスは頂けませんな!
もし、『ジャケット・アートの世界〜イケてないジャケット編〜』なんてやったら、思わず紹介したくなる1枚です(笑)