発表年:2013年
ez的ジャンル:オランダ産クラブジャズ
気分は... :若々しいDr. Lonnie!
今回はオランダのニュー・ジャズ/クラブジャズ・コンボThe Jazzinvadersの最新作となる4thアルバム『That's What You Say!』です。
これまで当ブログは彼らの1st〜3rdアルバムを紹介済みです。
『Up & Out』(2006年)
『Blow!』(2008年)
『Three』(2010年)
最新作となる4thアルバム『That's What You Say!』は伝説のハモンド・オルガン奏者Lonnie Smithとの共演盤となっています。
ソウル・ジャズ好きにはお馴染みのジャズ・オルガン奏者Lonnie Smithについては、以前に『Turning Point』(1969年)を紹介済みです。最近、手持ちの作品の中から『Think!』(1968年)、『Move Your Hand』(1969年)を紹介しようと思っていたところでした。
Lonnie Smith『Think!』(1968年)
Lonnie Smith『Move Your Hand』(1969年)
一方、本作のThe Jazzinvadersのメンバーは、Phil Martin(ds、per)、Linda Bloemhard(vo)、Rolf Delfos(as、ss)、Guido Nijs(ts)、Jan Van Duikeren(tp)、Berthil Busstra(key、syn)、Tom Van Der Kolk(b)の7名。
前作『Three』(2010年)は、70年代フュージョンの影響を受けた"アダルト・オリエンティッド・フュージョン"作品でしたが、本作はDr. Lonnie Smithを迎え、彼のオルガンを活かしたソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク的なアプローチが目立ちます。ニュー・ジャズ meets ソウル・ジャズといった趣ですね。
紅一点Linda Bloemhardのヴォーカルの比重が低くなっているのは多少残念ですが、本作の主役はDr. Lonnieのオルガンなので仕方がないでしょうか。
2012年7月に初共演を果たし、意気投合したThe JazzinvadersとDr. Lonnie Smithの相性はバッチリです。何よりDr. Lonnieの演奏に活気があるのがいいですね。
これまでのThe Jazzinvaders作品とは多少異なる印象を受ける作品ですが、単なる企画作ではなく現在進行形のジャズ作品として十分に満足できる1枚に仕上がっています。
プロデュースはリーダーのPhil Martinが務めています。
全曲紹介しときやす。
「Nelson」
ニュー・ジャズ経由のソウル・ジャズといった趣のファンキーなオープニング。衰えを感じさせないLonnie Smithのオルガンの格好良さにヤラれます。
「No Cure」
Lindaのヴォーカルをフィーチャーしたジャズ・ファンク調の仕上がり。サイレンのように響くLonnieのオルガンがアクセントになっています。
「Hey Hey Yeah Yeah」
キャッチーなファンク・チューン。なかなか重量感のあるファンキー・チューンです。ヴォーカル・パートのLindaのキュートな雰囲気もグッド!
「Mellow Mood」
Jimmy Smithのカヴァー。オリジナルはJimmy Smith & Wes Montgomery『Further Adventures Of Jimmy & Wes』(1969年)に収録されています。Lonnie SmithがJimmy Smithをニュー・ジャズ・コンボと共にカヴァーするというのも感慨深いものがありますね。まさにニュー・ジャズとソウル・ジャズの融合といった趣の演奏になっています。
http://www.youtube.com/watch?v=hkBLDosdAIY
「Tie Am」
淡々とした中にもLonnieのオルガンを堪能できます。ホーン陣とLonnieのオルガンの絡みがいい感じです。
「Song For Lonnie」
タイトルの通り、JazzinvadersがDr. Lonnieに捧げたファンキー・チューン。大々的にLonnieのオルガンを満喫できます。途中でThe Beatles「Eleanor Rigby」の一節が聴こえてくるあたりも楽しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=jztCxnH9O04
「Buzzin'」
クラブジャズ好きの人であればグッとくる疾走感のある仕上がり。ミステリアスなヴォーカルやLonnieのオルガンが絡む様が実にキマっています。クラブジャズ的にはこの曲が一番なのでは?
「Tastisch」
比較的オーセンティックな演奏ですが、Lonnieのオルガンが加わることでメリハリがついています。
「Square Blues」
開放的なソウル・ジャズ・チューン。わかりやすい演奏でみんなで盛り上がることできます!
「Little Sunflower」
Freddie Hubbardのカヴァー。オリジナルは『Backlash』(1967年)に収録されていますまた、Al Jarreauのヴォーカルをフィーチャーした『Love Connection』(1979年)収録ヴァージョンも有名ですね。当ブログではJerker Kluge's Deep Jazzのカヴァーも紹介済みです。ここではJazzinvadersらしいニュー・ジャズ風のスタイリッシュでダンサブルな仕上がりで聴かせてくれます。Lindaのヴォーカルも入って実にキャッチーな「Little Sunflower」を満喫できます。ニュー・ジャズ・サウンドに絡むDr. Lonnieのオルガンもスリリングです。
The Jazzinvadersの過去記事もご参照下さい。
『Up & Out』(2006年)
『Blow!』(2008年)
『Three』(2010年)
Lonnie Smithのリーダー作も近々取り上げたいと思います。