録音年:1956年
ez的ジャンル:ユニーク・ジャズ・ピアノ
気分は... :.個性を出すためには..
今日はホワイトデーですね。
昨日デパ地下をうろうろ回りながら、いろいろホワイトデー用の商品を見たけど、チョコ、クッキーなどで一見して個性的なプレゼントって、なかなかないものですな。やっぱり、この手の商品って見た目のインパクトが重要だからね。
さて、今回はインパクト十分のジャズ・ピアニストThelonious Monkの代表作『Brilliant Corners』(1956年)デス。
Monkは本ブログ2回目の登場となりマス。
前回はピアノソロ作品『Thelonious Himself』(1957年)を紹介しましたが、今回はグループとしてのモンク・ミュージックの真価を示した『Brilliant Corners』(1956年)をセレクト。本作は僕が一番最初に購入したMonk作品でシタ。
本作『Brilliant Corners』を同じ1956年に録音されたSonny Rollins『Saxophone Colossus』と一緒に購入した記憶がある。
当時はJazzを聴き始めの頃で、とりあえず雑誌で名盤としていた紹介されていた2枚を購入してみたというノリだったと思う。
その時の印象として、『Saxophone Colossus』は期待通りの名盤だと感じたけど、正直『Brilliant Corners』についてはよくわからんかったね(笑)ジャケの爽やかな表情にすっかり騙された気がしたなぁ。
でも、年月と共にそのアクの強さを個性として受け入れられるようになり、違和感なく聴けるようになってしまうから、慣れって怖いですな(笑)
本作のメンバーは、Thelonious Monk(p)、Ernie Henry(as)、Sonny Rollins(ts)、 Oscar Pettiford(b)、Max Roach(ds)の5人。「Bemsha Swing」のみ、Ernie HenryとOscar Pettifordが抜けて、代わりにClark Terry(tp)、Paul Chambers(b)が加わっていマス。
Monkの強烈な個性がメンバー達を独自の音世界へと引き寄せ、グループとしてのモンク・ミュージックのかたちを見事に表現してみせたアルバムなのでは?
全曲紹介しときやす。
「Brilliant Corners」
Monkのユニークさが満喫できるタイトル曲。不気味で不穏なカンジのテーマを初めて聴いた時には“何じゃこりゃ?”と思いまシタ(笑)ミディアム・スローからダブル・テンポにチェンジする時の疾走感がたまりませんな。いろんなレビューを見ると、Ernie Henryのソロが話題になることが多いみたいですが、確かに前衛的ってカンジはしますね。
「Ba-Lue Bolivar Ba-Lues-Are」
別名「Blue Bolivar Blues」とも呼ばれる曲。気だるいカンジがいいですね。Ernie Henryのソロが好きデス。
「Pannonica」
Monkの後援者だったBaroness Pannonica "Nica" de Koenigswarter(パノニカ・ド・ケーニグスウォーター男爵夫人)に捧げた曲。
ここでMonkは右手でチェレスタ(鉄琴を鍵盤で演奏できるようにした楽器)、左手でピアノを演奏している。チェレスタの音色に滅多に聴かないので、そんな物珍しさもあって印象的ですな。そんなチェレスタのチャーミングな音色もあって、実に優雅な雰囲気がありマス。Nicaの愛称で親しまれたPannonica男爵夫人のイメージがそうだったんでしょうね。
「I Surrender, Dear」
本作唯一のMonkのオリジナルではない作品(Harry Barris/Gordon Clifford作品をソロ・ピアノで聴かせてくれマス。実に叙情的なんだけど、そこはMonk!一くせ、二くせありマス。
「Bemsha Swing」
前述の通り、この曲だけメンバー構成が異なっていマス。なんてことはない、喧嘩が原因らしいです(笑)印象的なテーマと共に、Max Roachのティンパニが目立ちますね。
Monk未体験の方は、僕のようにいきなり本作から聴くよりも、『Thelonious Himself』(1957年)、『Monk's Music』(1957年)あたりから入った方が良いのではと思いマス。