発表年:2012年
ez的ジャンル:アルゼンチン産ブラジリアン・メロウ・サンバ
気分は... :心の中に優しい微風が・・・
今回はアルゼンチン在住のブラジル人女性シンガーAdriana Riosの2ndアルバム『Cadapaju, Terra Da Inocencia』です。
昨年末の発売ですが、日本に流通するようになったのは今年になってからだと思います。実は僕が今年最も多く聴いているアルバムが本作『Cadapaju, Terra Da Inocencia』です。
しかしながらAmazon.co.jpに扱いがないため(Amazon.comでは扱っていますが)、ブログでの記事エントリーを保留していましたが、現状では扱いが見込めないようなのでこのタイミングでエントリーすることにしました。
Adriana Riosはアルゼンチン在住のブラジル人女性シンガー。2007年に1stアルバム『Simply Bossa』をリリースしています。本作『Cadapaju, Terra Da Inocencia』は約5年ぶりの2ndアルバムとなります。
前作はAntonio Carlos Jobim等のカヴァーを中心としたボサノヴァ作品でしたが、本作はすべてオリジナルです。その中にはアルゼンチン最高のボサノヴァ・ギタリストAgustin Pereyra Lucenaとの共作や、大御所ブラジル人ミュージシャンRoberto Menescalとの共作も含まれます。
AdrianaはAgustin Pereyra Lucenaのアルバム『Miradas』(1998年)にも参加しています。その意味でAdrianaのキャリアに大きな影響を与えたミュージシャンなのでしょうね。
Agustin Pereyra Lucenaはレコーディングにも参加しています。それ以外にもFelipe Radicetti(p、el-p、vo)、Rodrigo Aberastegui (g、vo)、Daniel Maza(b)、Fernando Martinez(per)等のミュージシャンが参加しています。
Felipe Radicettiがアレンジャーを務め、Felipe Radicetti、Fernando Martinez、そしてAdriana Rios本人が共同プロデューサーとしてクレジットされています。
全体的な印象としては、澄み切ったヴォーカルによる爽快なメロウ・サンバという感じですね。透明感のあるAdrianaのヴォーカル、サンバのリズム、メロウ・サウンドが見事に調和したモロに僕好みの1枚に仕上がっています。
こんなに素晴らしい作品がAmazon.co.jpで扱われないのは残念な限りです。
聴いていると、心の中に優しい微風が吹くはずですよ!
全曲紹介しときやす。
「Vem Viver」
オススメその1。Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。オープニングはAgustin Pereyra Lucenaの共作。本作の魅力が凝縮された爽快メロウなライト・サンバです。透明感のあるAdrianaのヴォーカルとライト&メロウなサンバ・サウンドが心を浄化してくれます。Cecilia Esperanzaによるフルート・ソロも素晴らしい!オリジナルはAgustin Pereyra Lucenaの『42:53』(2009年)のヴァージョンです。
「Hombre Triguerno」
オススメその2。Adriana Rios作。温もりのあるヴォーカル、メロディ、サウンドに魅了されるアコースティック・グルーヴ。聴いているだけ優しい気持ちにしてくれます。
「Maxixe Gramado」
Adriana Rios作。アルゼンチン作品らしくアコーディオンの音色が響く1曲。凛とした趣がいいですね。。
「Moco da Violao」
Adriana Rios作。哀愁モードの仕上がり。美しいストリングスをバックにしっとりと歌い上げます。終盤の美しいギターにも魅了されます。
「Ai Menino」
Adriana Rios作。素晴らしいヴォーカル・アレンジに魅了される美しいアコースティック・グルーヴ。小鳥の囀りのようなRuben "Mono" Izarrualdeのフルートにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZssF0kyKwgQ
「Cadapaju, Terra Da Inocencia」
オススメその3。Adriana Rios/Felipe Radicetti作。タイトル曲はライト&メロウなサンバ・チューン。サンバのリズムにのって、澄み切ったAdrianaのヴォーカルも絶好調です。メロウなギター&エレピもグッド!
「Segredos de Paixao」
オススメその4。Roberto Menescal/Adriana Rios作。前作に続くRoberto Menescalとの共作ですが、今回も美しいボサノヴァで魅了してくれます。しかもギターを弾くのは名手Agustin Pereyra Lucenaとなれば言うことありませせん。サイコー!
「Impensado」
オススメその5。Adriana Rios作。小気味良いサンバ・チューン。開放的なホーン隊とサンバのリズムがよくマッチしています。
「Cuna del Litoral」
オススメその6。Agustin Pereyra Lucena/Adriana Rios作。Agustin Pereyra Lucenaの共作2曲目。その美しくソフトリーな音世界に魅了されます。美しい!
「O Poeta Nao Sabia」
Adriana Rios作。哀愁モードのサンバ・チューン。クラリネットの響きが印象的です。
「Perdiste」
オススメその7。Adriana Rios作。開放感のある美しいメロウ・サンバ。心地好い感動が胸に込み上げてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=8jnRpUSJ22g
「Vem Viver (Reprise)」
「Vem Viver」のリプライズで余韻に浸りながらアルバムは幕を閉じます。
『Simply Bossa』(2007年)
amazonがんばってほしい。
ありがとうございます。
ナチュラルな感覚でブラジル音楽の素晴らしさを伝えてくれるところが気に入っています。ブラジル音楽大好きな日本人の感性にジャスト・フィットする1枚だと思います。
まぁ、Amazon.co.jp以外でも購入する方法はありますが、こういった魅力的な新作はAmazonで購入できるようになって欲しいですね。
本作に限らずブラジル音楽の素晴らしい新作がAmazonで取り扱われていないケースは多いですね。そのせいでエントリーを保留しているものがいくつかあります。僕が数年前に超イチオシであったTamyはその典型です。
音楽の世界は限りなく広いことを実感します!