発表年:1982年
ez的ジャンル:屈折系UKポップ/ロック
気分は... :ちょっと素直じゃないんだよねっ(>_<)
英国を代表するシニカルなポップ/ロック・グループXTCの3回目の登場デス。
これまで9thアルバム『Oranges & Lemons』(1989年)、6thアルバム『Mummer』(1983年)といったを紹介してきました。
本当は、Todd Rundgrenプロデュースの大好きな作品『Skylarking』(1986年)を紹介したいと思ったのですが、季節的にちょっと違うかなぁと感じたので、今回は5thアルバム『English Settlement』(1982年)をセレクト。
僕の場合、XTCの英国らしいひねくれたポップ感覚に魅了されているので、どちらかと言えば、彼らの中期〜後期の作品を好んで聴きヤス。今回紹介する『English Settlement』(1982年)は、僕の中では中期XTCの幕開けという位置づけっす。
『English Settlement』は、僕がリアルタイムで最初に聴いたXTC作品デス。FMの音楽番組で放送していた本作の特集を偶然聴いたのが興味を持つきっかけだったかな?
当時、どちらかと言えば、全米トップ40のヒット曲を中心に洋楽を聴いていた僕にとって、全米チャートとは無縁なカンジの英国らしさがプンプン香る、XTCのポップ・サウンドがとても新鮮に聴こえたね。
本作は、Andy Partridge(g、vo)、Dave Gregory(g)、Colin Moulding(b、vo)、Terry Chambers(ds)の4人体制でレコーディングした最後の作品っす(Terry Chambersは次作『Mummer』のレコーディング開始直後に脱退)。オリジナルはLP2枚組だった全16曲のうち、Colinの4曲以外はAndyの作品っす。
プロデューサーは前作『Black Sea』でエンジニアを務めていたHugh Padghamが担当していマス。Padghamお得意の仰々しいサウンドになっていないところがいいですな。
結果として、本作はXTCのアルバムの中で最もヒットした作品(全英アルバム・チャート第5位)となりまシタ。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Ball and Chain」
2ndシングルにもなったColinの作品。この曲のイントロを初めて聴いた時、Beatlesの歴史的名盤『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』収録の「Getting Better」を連想した記憶がありマス。そんな事も含めて、僕にXTCというグループの存在を強烈に印象づけてくれた1曲デス。この英国ならではのポップセンスがXTCの魅力ですね。
「Senses Working Overtime」
アルバムからの1stシングル。シングル曲としては一見地味な印象を受けますが全英チャートTop10に食い込むヒットとなりまシタ。聴き込むほど気に入るフォーキーな英国ポップ。
「Jason and the Argonauts」
Andyらしいひねくれモードが魅力な1曲。このせっかちな感じがいいですな。
「No Thugs in Our House」
3rdシングルにもなったテンポが小気味良いポップなロック・ナンバー。モータウンっぽいリズムが好きですね。
「Yacht Dance」
地中海あたりのバカンスを連想させる涼しげなアコースティック・ナンバー。なかなかオシャレな1曲だと思いマス。密かなお気に入り曲デス。
「All of a Sudden (It's Too Late) 」
エキゾチックな曲調が印象的な1曲。メランコリックな雰囲気がいい感じですな。
「Melt the Guns」
ニューウェイヴ色が強い1曲。テクノっぽいリズムのせいか、クラブ系リスナーに再評価された1曲ですね。
「It's Nearly Africa」
タイトル通り、アフリカンなリズムを前面に打ち出した1曲。当時、イギリスではナイジェリアのジュジュミュージックのスターKing Sunny Adeが注目されていた時期であり、その影響を受けているのだと思いマス。King Sunny Adeは近々本ブログでも紹介する予定デス。
「Knuckle Down」
淡々としているようだけど結構メロディアスな1曲。XTCならではのさりげないセンスを感じる1曲ですね。
「Down in the Cockpit」
AttractionsをバックにしたElvis Costelloのようなスカ/パンク調の1曲。
「English Roundabout」
軽快なテンポが心地良いColinの作品。軽くスパニッシュ・テイストな感じが好きです。
「Snowman」
エキゾチック・ムードのフォーキーな1曲。アーシーでセピア色っぽい感じがしますね。
リアルタイムで聴いた時には、あまり気付かなかったけど、英国らしさを強く感じる一方で、エキゾチックなスパイスが散りばめれているのが実に面白いアルバムだと思いマス。