2013年06月19日

Oran "Juice" Jones『To Be Immortal』

都会的なファンキー感覚が増した3rdアルバム☆Oran "Juice" Jones『To Be Immortal』
oran juice jones_to be immortal.jpg
発表年:1989年
ez的ジャンル:Def Jam系男性R&B
気分は... :墓地に佇んで...

今回は80年代後半に人気を博した男性R&BシンガーOran "Juice" Jonesの3rdアルバム『To Be Immortal』(1989年)です。

Oran "Juice" Jonesは1957年テキサス州ヒューストン生まれ。その後N.Y.に移住し、ハーレムで思春期を過ごしました。

1984年にJuice名義でシングル「Rock Your Body Down」をリリース。同作はKurtis Blowがプロデュース、ミックスを手掛け、B面「Your Song」Russell Simmonsらがミックスを手掛けていました。

その後、Def Jam系列のOBR Recordsと契約し、1986年にシングル「The Rain」をリリース。同作は全米チャート第9位の大ヒットとなり、R&Bファンの間にOran "Juice" Jonesの名を広めました。

「The Rain」
http://www.youtube.com/watch?v=9dZW1C3neao

アルバムとしては、『Juice』(1986年)、『GTO: Gangsters Takin' Over』(1987年)、『To Be Immortal』(1989年)といった作品をリリースしています。『Juice』には前述の大ヒット「The Rain」を含み、『GTO: Gangsters Takin' Over』にはレーベル・メイトのAlyson Williamsとのデュエットによる「How to Love Again」が収録されています(Alysonのアルバム『Raw』にも収録されています)。

3rd『To Be Immortal』を最後に表舞台から姿を消したOranですが、1997年に突如4thアルバム『Player's Call』をリリースしています。

決して歌が上手いというシンガーではありませんが、なよっと系のソフトリー・ヴォーカルは独特の雰囲気があって魅了されます。

どうしても、シングル「The Rain」や1st『Juice』、2nd『GTO: Gangsters Takin' Over』の印象が強いアーティストですが、今聴くと案外3rd『To Be Immortal』や4th『Player's Call』が良かったりします。

特に本作d『To Be Immortal』は、Go-Goのリズムを取り入れたパーカッシヴ感や都会的なファンキー感覚がいい感じだと思います。プログラミングに依存しすぎず生演奏を上手く組み合わせているのがいいですね。

レコーディングには、TashanChuck Stanleyといったレーベル・メイトの男性シンガーや人気ジャズ・トランぺッターTerence Blanchard等が参加しています。

裏ジャケの墓地に佇むOranの姿は不気味ですが、もっと再評価されていい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Money, Honey」
オープニングはGo-Go感覚のファンキー・グルーヴ。Radcliffe "Rock" Isaacsプロデュース。Roslyn Davisのハニーが魅力で華を添えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=cblMqRIMW9I

「Pipe Dreams」
シングル・カットもされた本作のハイライト。僕もこの曲が一番好きですね。小粋なピアノのイントロに続き、Go-Goのリズムが小気味よく響きます。Oranのヴォーカルやファンキー・ホーンも含めて都会的でスマートな印象なのが気に入っています。Sam Severプロデュース。バッキング・ヴォーカルにはレーベルメイトの男性R&BシンガーTashanも加わっています。
http://www.youtube.com/watch?v=uu4Nw8drkqM

「Gangster Attitude」
「Pipe Dreams」と同タイプの曲。タイトルの通り、こちらはもっとストリートっぽいかも・・・。David Sanchez/Guy Vaughnプロデュース。バッキング・ヴォーカルにはレーベルメイトの男性R&BシンガーChuck Stanleyも加わっています。
http://www.youtube.com/watch?v=a5T-uTLddjk

「Never Say Goodbye」
それまでの3曲から一転し、メロウなスロウ・チューン。Oranのなよっとしたソフト・ヴォーカルがよく栄えます。Ron Dean Millerプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=xqMEGE9xp60

「To Be Immortal」
Oran "Juice" Jones/Radcliffe "Rock" Isaacsプロデュース。Donald Byrd「(Fallin' Like) Dominoes」のサンプリング・ループがパーカッシヴなリズムを相まってファンキー・フィーリングを高めてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=7RiONvShRc0

「Dollar And A Dream」
シングル曲。David Sanchez/Guy Vaughnプロデュース。人気ジャズ・トランぺッターTerence Blanchardのソロからスタートするジャジーな仕上がり。パーカッションはBashiri Johnsonです。
http://www.youtube.com/watch?v=xqdGCNweP74

「Sacrifices」
Oran "Juice" Jonesプロデュース。哀愁モードのバラード。なかなかグッとくるヴォーカルを聴かせてくれます。Roslyn Davisの女性ヴォーカルによるサポートもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Ld30iQBJZ4Y

「Shaniqua」
Radcliffe "Rock" Isaacsプロデュース。Larry Blackmon風ヴォーカルも含めてCameoっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=L3G9ejQKp2g

本作には未収録ですが、この曲といえばBig Daddy Kaneのラップをフィーチャーし、Marley Marlがミックスを手掛けたMarley Marl Super Mixも要チェックです。
Oran "Juice" Jones feat. Big Daddy Kane「Shaniqua (Marley Marl Super Mix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=k6FXruJj1SI

「Street Style」
David Sanchez/Guy Vaughnプロデュース。再びGo-Goスタイルのリズムで弾けてくれます。

「Time」
Radcliffe "Rock" Isaacsプロデュース。ラストは「Pipe Dreams」タイプのファンキー・チューンで締め括ってくれます。本作らしいファンキー・ホーンが炸裂します。
http://www.youtube.com/watch?v=xERGOjn0B3Y

『Juice』(1986年)
Juice

『Player's Call』(1997年)
Players Call
posted by ez at 02:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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