発表年:1983年
ez的ジャンル:キュート系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :実にいい雰囲気・・・
今回はCharles ParkerとPhil Woodsという大物ジャズ・ミュージシャンが義父であったという、女性ジャズ・ヴォーカリストKim ParkerがTommy Flanagan Trioと共にレコーディングした作品、『Good Girl』(1983年)です。
Kim Parkerは1946年N.Y.生まれ。ダンサーであった母親Chan Parkerはジャズ・ジャイアントCharles Parkerの無内縁の妻でした。さらにBirdの死後、ChanはPhil Woodsと再婚しました。そんな家庭環境の中でKimは自然と音楽に溢れた生活を過ごしていたようです。
そんな流れでジャズ・ヴォーカリストとしてキャリアを歩み始めたKimでしたが、結婚を機に音楽活動から離れてしまったようです。そして、70年代後半に音楽シーンに戻ってきたKimがイタリアのミラノでレコーディングしたアルバムが『Havin' Myself a Time』(1981年)と『Good Girl』(1983年)の2枚です。
前者はKenny Drew Trio、後者はTommy Flanagan Trioがバックを務めています。
今回紹介する『Good Girl』(1983年)はサバービア好きにはお馴染みの1枚ですね。
Tommy Flanagan(p)、Jesper Lundgaard(b)、Ed Thigpen(ds)をバックに、Kim Parkerが瑞々しいヴォーカルを聴かせてくれます。
「Bijou (I'm Crazy For You)」、「Talking」といったブラジル/ボッサ系の楽曲が人気の本作えすが、しっとりとしたバラード系の楽曲も実にいい雰囲気です。Flanaganらのツボを押さえた素晴らしいバッキングにも魅了されます。
ジャズ初心者の方も聴きやすい女性ジャズ・ヴォーカル作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Bijou (I'm Crazy For You)」
Bob Dorough作。Bob Dorough作品をブラジリアン風味の小粋なサウンドで聴かせてくれます。Tommy Flanaganのピアノ、Jesper Lundgaardのベース、Ed Thigpenドラムもそれぞれ聴かせどころで魅了してうれます。
「Hooray」
Bobby Scott/Mort Goode作。リリカルな演奏をバックに、しっとりとした歌声のバラードを聴かせてくれます。実にムードがあっていいですね。
「How My Heart Sings」
Earl Zindars/Larry Gelb作。僕好みのワルツ調の素敵な仕上がり。キュートなKimの歌声とエレガントなワルツがよくマッチしています。Flanaganのピアノが素晴らしい!
「Close Enough For Love」
Johnny Mandel/Paul Williams作。ジャズ・クラブでお酒片手に演奏を聴いているような気分にさせてくれる小粋な雰囲気がサイコーです。Jesper Lundgaardのベースがいい味出しています。
「Kvarteret Oron (I Hope It's Spring For You)」
Lars Gullin/Chan Parker作。切なる願いのようなヴォーカルが感動的なバラード。ミュージカルの1シーンのような雰囲気があります。抑制のきいたKimのヴォーカルと美しいFlanaganのピアノにグッときます。
「Talking」
Red Mitchell作。「Bijou (I'm Crazy For You)」と並ぶ本作のハイライト。Flanaganらバックの演奏が絶品のエレガントなボッサ・ジャズです。ボッサ好きの人であればきっと気に入るはず!
「It's Time To Emulate The Japanese」
Red Mitchell作。日本人には気になる曲?ですね(笑)。ピアノ・トリオらしいリリカルな演奏を満喫できるビューティフル・バラード。
「The Good Little Girl」
Phil Woods/A.A. Milne作。ラストはリラックスした演奏で楽しく締め括ってくれます。
Kim Parkerの他作品もどうぞ!
『Havin' Myself a Time』(1981年)
『Sometimes I'm Blue』(1985年)
そういえば、Tommy Flanaganのリーダー作も当ブログでは未紹介でしたね。そのうち取り上げたいと思います。