2013年08月02日

Joe Bataan『Salsoul』

Salsoulレーベルの由来となった傑作ラテン・ソウル!☆Joe Bataan『Salsoul』
SALSOUL +1
発表年:1973年
ez的ジャンル:サルソウルの祖系N.Y.ラテン・ソウル
気分は... :Salsoulのルーツがここに!

今回はSalsoulレーベルの立ち上げに関わったN.Y.ラテン・ソウルの重要人物Joe Bataanが、Salsoulの前身Mericanaからリリースした『Salsoul』(1973年)です。

BataanによるSalaとSoulをミックスした造語であるアルバム・タイトル『Salsoul』が、人気レーベルSalsoulの名前の由来となったことでも有名な作品ですね。

1942年NYのスパニッシュ・ハーレム生まれのアフロ・フィリピーノであり、1960年代半ばN.Y.ラテン・シーンで活躍する"King of Latin R&B"ことJoe Bataanの紹介は、『Riot』(1968年)に続き2回目となります。

長年在籍してきたFnaiaと決別し、Salsoulの前身Mericanaと契約してリリースした本作には、SalaとSoulの融合に向けたBataanの強い意欲を感じることができます。こうしたパワーがSalsoulレーベルの立ち上げにつながっていったのでしょう。

アルバムにはJoe Bataan(vo、p)、Bobby Rodriguez(b、fl、sax、per)、Eddie Hernandez(coro、tb)等が参加しています。

レア・グルーブ・クラシック「Latin Strut」「Aftershower Funk」あたりを聴くと、本作におけるBataanのねらいを汲み取りやすいと思います。

Salsoulのルーツがここに!

レア・グルーヴ好き、ラテン・ソウル好き、Salsoul好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Mi Nube」
Joe Bataan作。Fania時代の楽曲のセルフ・カヴァーその1。『Riot』収録「My Cloud」の再演です。開放的なサルサ・グルーヴですが、このあたりはまだFania時代っぽい仕上がりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GjYjBap5x_M

「Muchacho Ordinario」
Joe Bataan作。Fania時代の楽曲のセルフ・カヴァーその2。『Riot』等に収録されていた「Ordinary Guy」のスペイン語カヴァー。正統派ラテン・ソウルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=IYsy3NIFboo

「Sunny Gets Blue Mambo」
Jack Segal/Marvin Fisher作。Johnny Mathis & Ray Conniffで知られる楽曲のカヴァー。リズミックなピアノ、鳴りのいいホーン隊、軽快なラテン・リズムが実に心地好いヴォーカル入りのラテン・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=yCpnU20KSzE

「Mujer Mia」
Joe Bataan作。メロウなバラード。Fania時代の楽曲のセルフ・カヴァーその3。ラテンのバラードって一歩間違えるとレトロ感が際立ってしまいますが、ここではメロウな味わいを上手く織り込むことで洗練された仕上がりになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=QCQHSkVGHtI

「Fin」
オススメその1。Bobby Rodriguez作。N.Y.サルサなグルーヴ感にファンキーなギター・サウンドを上手く融合させているのがいいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=qhbVb4Qm23s

「Latin Strut」
オススメその2。Eumir Deodato作。本作のキラー・チューンといえばレア・グルーヴ人気曲のコレ!『Deodato 2』(1973年)に収録されたDeodato「Super Strut」 のカヴァーです。パーカッシヴなリズムと共に疾走するラテン・ジャズ・ファンクは文句なしに格好良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=ebqpghcbxUk

「Johnny」
オススメその3。Joe Bataan作。Joe Bataanらしいヴォーカル入りラテン・ソウル作品。爽快なグルーヴと躍動するソウルフル・ヴォーカルがよくマッチしています。終盤のエキサイティングな演奏にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=yLPntYntLBc

「Peace, Friendship, Solidarity」
Joe Bataan作。当時冷戦下であった世界に向けて平和、友好、団結を訴えたメッセージ・ソング。英語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語を駆使したラテン・ソウル・バラードです。

「Aftershower Funk」
オススメその4。William Howes, Jr.作。「Latin Strut」に次ぐ人気曲なのでは?ラテン・リズムと格好良いギター・カッティング、そしてフルートが駆け抜けるラテン・グルーヴ。中盤のブレイクで緩急をつけるあたりが心憎いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=17WL0cQSBxI

今回再発された国内盤CDには「Continental Square Dance」(Joe Bataan作)が追加収録されています。開放的なラテン・ディスコ・チューンは後のSalsoulレーベルを予感させます。

Joe Bataanの他作品もチェックを!

『Gipsy Woman』(1967年)
Gipsy Woman

『Subway Joe』(1967年)
Subway Joe

『Riot』(1968年)
Riot!

『Mr. New York and the East Side Kids』(1971年)
Mr New York & The East Side Kids

『Saint Latin's Day Massacre』(1972年)
セイント・ラテンズ・デイ・マサカー

『Singin' Some Soul』(1972年)
Singin Some Soul

『Afro-Filipino』(1975年)
AFROFILIPINO

『Mestizo』(1980年)
MESTIZO +6

『Joe Bataan II』(1981年)
Joe Bataan II
posted by ez at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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