
発表年:2004年
ez的ジャンル:北欧ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :木漏れ日が心地好い・・・
今回は北欧ブラジリアン・グルーヴ作品、Soul Quality Quartet『Dip』(2004年)です。
Soul Quality Quartetは1993年にスウェーデンで結成されたジャズ・ユニット。グループはこれまで『Strip』(1995年)、『Dip』(2004年)といったアルバムをリリースしています。
本作『Dip』におけるメンバーは、Mats Ingvarsson(b、g、back vo)、Bjorn Jonsson(ds)、Mans Mernsten(key、back vo)、Elias Kallvik (g、back vo)、Almaz Yebio(vo)の5名。男性陣のカルテットに、紅一点のヴォーカリストAlmaz Yebioが加わったかたちです。また、Mats Ingvarssonは本作のプロデュースも手掛けています。
メンバーのうち、Mats Ingvarsson、Mans Mernstenは、同じくスウェーデンのジャズ・ユニットA Bossa Eletricaのメンバーでもあります。当ブログでも紹介したA Bossa Eletricaの代表作『Eletrificacao』がリリースされたのも本作と同じ2004年でした。
グループは1999年に、Jazzanova主宰のSonar KollektivからEP『Soul Quality Quartet EP』をリリースし、同作に収録されていた「I'm Not Here」、「Toda Tercafeira」の2曲はGilles PetersonをはじめDJから高い評価を得ました。これら2曲はSonar Kollektivのコンピをはじめ、各種コンピでも引っ張りだこです。
そうした流れを受けて、本作『Dip』もクラブジャズ/クラブミュージック好きがグッとくるブラジリアン・グルーヴが詰まっています。
コンテンポラリーなメロウ・フュージョン感とダンサブル・サウンドのバランスが絶妙だと思います。
バカンス・モードにぴったりの北欧ブラジリアン・グルーヴだと思います。
全曲紹介しときやす。
「I'm Not Here」
前述のように『Soul Quality Quartet EP』収録曲ですが、アルバムには別ヴァージョンが収録されています。ここでは北欧らしい透明感のあるメロウ・ボッサで聴かせてくれます。Almaz Yebioの華のあるヴォーカルがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=McJf3Tl80WQ
「Sad Dettin」
メロウなブラジリアン・サウンドに女性コーラスが絡むダンサブルなジャズ・ファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=yVn_cBHQWrw
「Pressure」
アコースティックな響きと艶やかなAlmaz Yebioのヴォーカルが栄えるボッサ・グルーヴ。バカンス・モードに浸れる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=10HYQqcLANA
「Amor Ideal」
大人のメロウ・ボッサ。色気の漂うAlmaz Yebioのヴォーカルとメロウなボッサ・サウンドには甘く危険な香りが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=GSE8HkkFwGE
「Aphotic Marauder」
アフロ・ブラジリアン調のパーカッシヴなダンサブル・チューン。男性メンバー4名の腕前を満喫できるインスト・チューンです。
「Freeze/Burn」
Almaz Yebioのヴォーカルが牽引するメロウなジャズ・ファンク・チューン。
「Toda Tercafeira」
前述のように『Soul Quality Quartet EP』収録曲。「I'm Not Here」同様にアルバムには別ヴァージョンが収録されています。よりコンテンポラリー感のあるブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yg96pHh7XXs
「On Your Own」
ガラージ好きが気に入りそうな4つ打ちのダンス・チューン。Almaz Yebioの伸びやかなヴォーカルもいい感じ。アコースティックなギターの音色もいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ykLGO8seAi4
「Break It To Me Now」
AOR好きの人が気に入りそうな哀愁モードのアーバン・メロウ。
http://www.youtube.com/watch?v=sdXylQsIufo
「Como Antes」
ダビーなティンヴァレスの乱れ打ちと共に始まるミステリアスなラテン・グルーヴ。個人的には一番のお気に入り。
「Harraldo」
ラストはアルバムの余韻を楽しむかのような
僕が保有するのは国内盤ですが、国内盤には日本のハウス系オーケストラ・バンドA Hundred Birdsによる「Como Antes」のリミックス「Como Antes (AHB Vox)」が追加収録されています。フロア仕様のダンサブルな仕上がりで楽しめます。
ご興味がある方は、Mats Ingvarsson、Mans Mernstenが所属するもう1つのジャズ・ユニットA Bossa Eletricaの作品もチェックを!
A Bossa Eletrica『Eletrificacao』(2004年)

・・・。悲しくて今夜は寝れそうにありません。
偉大な才能が逝ってしまいましたね。
学生時代に「Shine On」をよく聴いていたのを思い出します。
謹んでご冥福をお祈りします。