発表年:1975年
ez的ジャンル:汎カリブ系ブルース
気分は... :楽園モードでリラックス!
今回は、ブルースをベースに多様なルーツ・ミュージックを探求する黒人ミュージシャンTaj Mahalが1975年にリリースした『Music Keeps Me Together』です。
これまで当ブログで紹介したTaj Mahal作品は以下の3枚。
『Taj Mahal』(1968年)
『The Natch'l Blues』(1968年)
『Mo Roots』(1974年)
『Music Keeps Me Together』(1975年)は、サバービア掲載盤ということも手伝い、再評価されている1枚ですね。
内容的には、レゲエ色の強い汎カリブ・アプローチ第1弾アルバム『Mo Roots』(1974年)の流れを引き継いだ汎カリブ作品です。
レコーディングには、Taj Mahal(vo、g、p、el-p、banjo、mandolin)、Hoshal Wright(g)、Rudy Costa(sax、fl)、Kester Smith(ds、per)、Earl "Wire" Lindo(key)、Larry McDonald(congas、per)、Ray Fritzpatrick(b)、Bill Rich(b)、Kwasi Dzidzornu(congas)が参加しています。The Wailersのキーボード奏者Earl "Wire" Lindoの参加が目を引きますね。
過去のTaj Mahal作品のリメイクも多く収録されており、ファンの方はオリジナルと聴き比べてみるのも楽しいのでは?
楽園モードのブルージー・サウンドとTajのスモーキー・ヴォイスが、猛暑の息苦しさを癒してくれるはず・・・
全曲紹介しときやす。
「Music Keeps Me Together」
Earl "Wire" Lindo作。トロピカル・モードのレゲエ・チューン。ジャケの楽園モードが音にそのまま反映されたような楽曲です。爽快なサックス、Tajのスモーキー・ヴォイス、開放的なレゲエ・リズム等が気分をリラックスさせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PgXq8Brubuc
「When I Feel the Sea Beneath My Soul」
Taj Mahal作。フォーキー・レゲエのインスト。前曲に続き、楽園モードでのんびり寛げる仕上がりです。
「Dear Ladies」
Taj Mahal作。トロピカル・ブルースとでも呼びたくなるような仕上がり。ブラジリアン・フュージョン的なスパイスも効いています。Tajのスモーキー・ヴォイスが実にシブい・・・思わず昼間からビールが飲みたくなる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=-l71kPzP9B8
「Aristocracy」
『Giant Step / De Ole Folks At Home』(1969年)収録曲の再演。ケイジャン風の陽気な仕上がりです。僕はこのタイプの音は苦手ですが・・・
「Farther on Down the Road (You Will Accompany Me)」
Taj Mahal/Jesse Ed Davis/Gary Gilmore/Chuck Blackwell作。『Giant Step / De Ole Folks At Home』(1969年)収録曲のリメイク。作者の一人であるJesse Ed Davisのアルバム『Ululu』にも収録されていました。ここではカリビアン・テイストのブルージー・チューンで聴かせてくれます。開放的なシブさにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=KxQ6djAK8Xw
「Roll, Turn, Spin」
Taj Mahal/Joseph Spence作。ワールド・ミュージックのエッセンスが凝縮されたような1曲。躍動するリズムが心の奥の何かを目覚ましてくれます。
「West Indian Revelation」
Taj Mahal作。『Happy Just To Be Like I Am』(1971年)収録曲のリメイク。ブルージー・レゲエといった趣の演奏がとても心地好いです。
「My Ancestors」
Tapp作。ラブ&ピースな雰囲気が心地好いトロピカル・レゲエ。Taj Mahalの描く壮大な汎カリブ的音世界を満喫できる1曲。
「Brown Eyed Handsome Man」
Chuck Berry作。Tajの手にかかれば、Chuck Berryもカリビアン・テイストに!一方でブルージーな味わいも忘れていないのがグッド!
「Why?...And We Repeat/Why?...And We Repeat」
Taj Mahal作。今日的にはDJ方面からも人気の本曲が本作のハイライトかもしれませんね。曲自体は前作『Mo Roots』(1974年)に収録された「Why Did You Have To Desert Me?」のインスト・リメイク。『Mo Roots』の記事でも書いたように、「Why Did You Have To Desert Me?」がTaj Mahal作品のマイ・フェイヴァリットなので、そのリメイクである本曲も大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=nEkkhGCwBJ8
「Why Did You Have To Desert Me?」と聴き比べるのも楽しいのでは?
「Why Did You Have To Desert Me?」(From 『Mo Roots』)
http://www.youtube.com/watch?v=i9bK6-VHRlM
この汎カリブ路線は『Music Fuh Ya'』(1977年)で結実を迎えます。
『Music Fuh Ya'』(1977年)
『Evolution』(1978年)
Taj Mahalの過去記事もご参照下さい。
『Taj Mahal』(1968年)
『The Natch'l Blues』(1968年)
『Mo Roots』(1974年)