2013年09月01日

Quasimoto『Yessir, Whatever』

奇才Madlibの別人格による珠玉のトラック集☆Quasimoto『Yessir, Whatever』
Yessir Whatever
発表年:2013年
ez的ジャンル:奇才トラックメーカーの別人格ラッパー
気分は... :梶本!

奇才トラックメーカーMadlibQuasimoto名義でリリースした『Yessir, Whatever』です。

今年リリースされた作品ですが、過去のレア・トラックや未発表曲を集めた変則コンピ作品です。

QuasimotoMadlibの変名。自身の低い声にコンプレックスを持っていたMadlibが自分の声を加工し、ハイトーン・ヴォイスの別人格ラッパーQuasimotoとしました。

これまでQuasimoto名義で『The Unseen』(2000年)、『The Further Adventures of Lord Quas』(2005年)という2枚のアルバムをリリースしています。

どうやらQuasimoto名義の活動に区切りをつけるようなので、その意味でQuasimotoとしての集大成的な1枚と捉えることもできるのでは?

Madlibらしい絶品トラックと、Quasimotoならではのハイトーン・ヴォイスのラップのコンビネーションを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Broad Factor」
2004年のプロモ・オンリー・シングル(『The Further Adventures of Lord Quas』国内盤にも収録)。Johnny Guitar Watson「Superman Lover」をサンプリングしたトラックとQuasimotoのハイトーン・ラップがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=fSz2KQep3nA

「Seasons Change」
『The Further Adventures of Lord Quas』(2005年)収録予定であったものの使用許可の問題で見送られた楽曲。その許可が取れなかったRoy Ayers「D.C. City」をサンプリングしたメロウ・トラックが特長です。終盤はNeil Diamond「The Pot Smokers Song」のサンプリングで盛り上げてくれます。

「The Front」
2005年リリースのシングル曲。ファンキー&スペイシーなトラックがいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=4oU25gJVStg

「Youngblood」
「The Front」のB面曲。Brand New Funk「Interlude」をサンプリング。ベースが効いています!

「Astronaut」
『Astronaut EP』(2002年)収録曲。Gianni Ferrio「La Morte Accarezza a Mezzanotte」、Melvin Van Peebles「You Ain't No Astronaut」 、John Dankworth「Return From the Ashes Theme」をサンプリング。不気味なムードが支配します。

「Planned Attack」
未発表曲。QuasimotoとMadlibのラップの絡み(?)がお楽しみ!Brand Nubian「Slow Down」、Big Daddy Kane「Smooth Operator」、D&D All-Stars「1, 2 Pass It (Remix)」、Busta Rhymes「Live to Regret」といった声ネタが使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=_0sPtj57inQ

「Brothers Can't See Me」
未発表曲。Gershon Kingsley「Rebirth」ネタのシンセがループするスペイシー・トラックが印象的です。 Diamond D「Best Kept Secret」の声ネタも使っています。

「Catchin' the Vibe」
未発表曲。淡々としたトラックですが、Madlibらしいヴァイヴがジワジワきます。
http://www.youtube.com/watch?v=TVbrpJ13emo

「Am I Confused?」
『Astronaut EP』(2002年)収録曲。Stevie Wonder「Ai No, Sono」をサンプリングした和風トラックが印象的です。Organized Konfusion「Intro」の声ネタも使っています。

「Sparkdala (Original Version)」
Bob James「Nautilus」 、Dave Grusin「Modaji」をサンプリングしたミステリアス・トラックが印象的です。

「Green Power (Original Version)」
プロモ盤『Stones Throw Summer 2002』収録曲。The Unseen』にも収録されていた楽曲のオリジナル。浮遊感のあるメロウ・トラックが僕好み!

「LAX to JFK」
プロモ盤『Stones Throw Summer 2002』収録曲。Gang Starr『Moment of Truth』に収録された「JFK 2 LAX」へのオマージュ。

Quasimotoの他作品もチェックを!

『The Unseen』(2000年)
Unseen (Dlx)

『The Further Adventures of Lord Quas』(2005年)
Further Adventures of Lord Quas

Madlib関連の過去記事もご参照下さい。

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Georgia Anne Muldrow『Seeds』(2012年)
Seeds
posted by ez at 01:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやあ おもしろいなあ これも買っちゃおう! 
いつもいいのを紹介してくれてありがとうございます!
Posted by けん at 2013年09月20日 21:00
☆けんさん

ありがとうございます。

気に入っていただけたのであれば幸いです。
少し変則的なアルバムですが、Quasimotoの魅力が1枚に上手く凝縮された1枚だと思います。
Posted by ez at 2013年09月21日 00:39
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