発表年:1971年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系アフロ・キューバン
気分は... :競争よりも共創を・・・
今回はレア・グルーヴ好きにはお馴染みの1枚、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)です。
Nico Gomez(1925-1992年)はオランダ、アムステルダム出身のコンポーザー兼ベーシスト。
ダンス・バンドで様々なラテン/ブラジル音楽を演奏するなかで、ベルギーを拠点とする自身のキューバン・バンドChakachasを結成し、作品をリリースするようになります。その後、Chakachas、Nico Gomez & His Orchestra、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.等の名義で70年代後半まで数多くのアルバムをリリースしています。
レア・グルーヴ方面から再評価が高まったNico Gomez。その代表作が以下の3枚です。
Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』(1970年)
Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)
Chakachas『Jungle Fever』(1972年)
Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.名義でリリースした『Ritual』(1971年)は、グループ名やジャケからイメージできるように、アフロ・キューバンに焦点を当てた作品です。
煽動的なファズ・ギターや妖しいオルガンの音色、うねりのあるグルーヴを生み出すリズム隊、パーカッションの乱れ打ち、キレのあるホーン・サウンド、躍動する男女コーラスが織り成すスリリングなアフロ・キューバン・サウンドは、レア・グルーヴ好きのハートを鷲掴みにすること間違いありません。
人気曲「Lupita」、「Ritual」をはじめ、格好良いアフロ/ラテン・グルーヴがズラリと並んでいます。
まさにレア・グルーヴの盛り上がりを予見していたかのようなミラクルな1枚です。
全曲を紹介しときやす。
「Caballo Negro」
オススメその1。"マンボ・キング"Perez Prado作品のカヴァー。つかみはOKといった感じのエキゾティック・ダンサー!覚醒的なビートやグルーヴィー・オルガンはアフロ・キューバンというよりもFela Kutiのアフロ・ビートを連想させます。
http://www.youtube.com/watch?v=joj9xXNtlyc
「Naci Para Bailar」
Nico Gomez作。ファンキーなファズ・ギターが妖しく響くラテン・グルーヴ。アシッドなスパイスが効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=uU1xIk9a98Y
「Cuba Libre」
オススメその2。Nico Gomez作。♪Fever〜♪の掛け声と共にスタートするアフロ・キューバン・ファンク。ラテン・ロック的な格好良さが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=xXLIiUa9LYY
「Samba De Una Nota So」
Antonio Carlos Jobimの「One Note Samba」をカヴァー。ここでは、それまでのパーカッシヴ・サウンドは影を潜め、ラウンジ/イージーリスニング調のボッサ・サウンドを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ecYW7Ed1APo
「Baila Chibiquiban」
オススメその3。Nico Gomez作。ファンキー&ドープなアフロ・ラテン・ファンク。イントロのベースラインから腹にきます。中盤のブレイクで大いに盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=g8v4XFmEytQ
「El Condor Pasa」
Simon & Garfunkelでもお馴染み、アンデス・フォルクローレの名曲「コンドルは飛んでいく」のカヴァー。これはご愛嬌といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=i0oKamqC9qA
「Lupita」
オススメその4。Perez Prado作。タイトル曲と並ぶ本作のハイライト。人気コンピ『Brazilian Beats』にも収録された人気曲。Bronx Dogsによるブレイクビーツ名曲「Mambo Rock」のサンプリング・ソースにもなっています。パーカッションの乱れ打ち、ファズ・ギターがアシッド感を煽るエキサイティングなマンボ・ファンク・チューン。終盤のパーカッション&ドラム・ブレイクも格好良すぎです。
http://www.youtube.com/watch?v=QLRNiJDPy_Y
「Pa! Pa! Pa! Pa!」
Nico Gomez作。ソフト・ロック調の哀愁ラテン・グルーヴ♪Pa! Pa! Pa! Pa!♪の男女スキャットが印象的です。の
http://www.youtube.com/watch?v=PkENxgFvS-w
「Ritual」
オススメその5。Raymond Lolandson作。「Lupita」と並ぶ本作のハイライト。切れ味鋭くスリリングなラテン・ファンク・グルーヴ。ホーン良し!パーカッション&ドラム・ブレイク良し!ギター良し!ハモンド良し!のレア・グルーヴ名曲です。パリのファンク・バンドSoul Sugarがカヴァーしたり、Africanism「The Dragon」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=Saf7eAUEi6w
「Eso Es El Amor」
ラストは再び"マンボ・キング"Perez Pradoのカヴァーで締め括ってくれます。緩急を上手くつけたラテン・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ENLqDqkRHVc
Nico Gomez関連の他作品もチェックを!
Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』(1970年)
Chakachas『Jungle Fever』(1972年)
Nico Gomez & His Orchestra『Nico Gomez & His Orchestra』(1972年)