録音年:1972年、1975年
ez的ジャンル:USローカル・ジャズ/ジャズ・ファンク
気分は... :ローカル・パワー!
今回はレア・グルーヴのコレクターズ・アイテムとして名高かったUSローカル・ジャズ・ファンク作品Johnny Lewis Quartet『Shuckin' 'n Jivin'』です。
Johnny Lewisはシアトル出身のサックス奏者。作曲とアレンジをワシントン大学で学んだ後、1960年代からプロのミュージシャンとして地元シアトルで活動するようになり、60年代後半にはレコーディングも経験しています。
1970年代に入ると自身のグループJohnny Lewis Quartetを結成し、トロージャン・ハウス・レストランのハウス・バンドとして1975年まで活動していました。
本作『Shuckin' 'n Jivin'』は1972年に行われたトロージャン・ハウスでのライブ音源4曲に、カルテット解散後にトリオ編成となったグループがリリースしたカセット・テープからのライブ音源2曲をボーナス・トラックとして加えたものです。
トロージャン・ハウスのライブ音源のメンバーは、Johnny Lewis (ts、bs、tp、mellophone、congas)、James Moody(org、clavinet)、Kenneth Drake(ds)、Joe Villa(g)の4名。
トリオ編成のライブ音源のメンバーは、Johnny Lewis(ts、bs、tp、mellophone、congas、vo)、James Moody(org、clavinet)、Jack Toker(ds)。
実際にはライブ音源に、後日スタジオでホーンやパーカッション等を加えたものになっています。
本編の4曲はツボを押さえたソウル・ジャズ、ボーナス・トラックの2曲はパワフル&超ファンキーなジャズ・ファンクといったところでしょうか。特にボートラ2曲の追加によってアルバムの魅力が大幅にアップしています。
USローカル・ジャズの底力を思い知らされる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Shuckin' N' Jivin'」
オススメその1。Johnny Lewis作。タイトル曲はグルーヴィーなソウル・ジャズです。開放的なグルーヴ感が実に心地好いですね。そして聴きどころは何といっても中盤以降のドラム&パーカッションによる長尺ブレイク・タイム!これはかなりテンション上がります!
http://www.youtube.com/watch?v=ElQbfjeq5No
「Blue Funk」
Ray Charles作品をカヴァー。オリジナルはMilt Jacksonと共演した『Soul Brothers』(1958年)に収録されています。グループはトロージャン・ハウスにRay Charlesを迎え、共演した経験も持っています。その関係もあってRayの作品を取り上げたのかもしれませんね。少しルーズな雰囲気のブルースを聴かせてくれます。余裕たっぷりのユルさがたまりません。
「Chitlins Con Carne」
オススメその2。Kenny Burrell作品をカヴァー。オリジナルは名盤『Midnight Blue』に収録されています。妖しげな雰囲気がいい感じのスモーキーなオルガン・ソウル・ジャズです。Johnny Lewisをはじめ、各プレイヤーがソウルフルな演奏を聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=JNQowcQgO_Y
「Willow Weep For Me」
「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作)をカヴァー。お馴染みのスタンダードを少し抑えた激シブな演奏で聴かせてくれます。
本曲に関して、当ブログではDexter Gordon、Wynton Kelly、Red Garland、Clifford Brown、Wes Montgomery、John Lewis & Sacha Distel、Stanley Turrentine with The Three Soundsのヴァージョンを紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照を!
ここまでがトロージャン・ハウスでのライブ音源4曲です。
「Cissy Strut」
オススメその3。ここから2曲がトリオ編成のライブ音源2曲です。1曲目はThe Metersのカヴァー。オリジナルは『The Meters』(1969年)に収録されています。トリオ編成ながらもパワフルでファンキーな演奏で楽しませてくれます。特にJames Moodyのクラヴィネット&オルガンのファンキー感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=aysdT3lekaM
「Them Changes」
オススメその4。Buddy Miles作品のカヴァー。オリジナルは『Them Changes』(1970年)に収録されています。偶然ですが、今日のエントリーを本作にするか『Them Changes』にするか迷っていた次第です。本曲はKing Curtisのライブ・ヴァージョンも有名ですね。ここではJohnnyのヴォーカルも聴ける、躍動するパワフル・ファンキー・チューンに仕上がっています。聴いているだけでテンションかなり上がります。
Buddy Miles『Them Changes』(1970年)もそのうち取り上げたいと思います。