2007年04月04日

Bob James『Two』

Hip-Hopファンにお馴染みの大ネタ「Take Me to the Mardi Gras」収録☆Bob James『Two』
Two
発表年:1975年
ez的ジャンル:大ネタ収録クロスオーバー・ジャズ
気分は... :桜が散る前に...

ジャズ/フュージョン界の大御所Bob Jamesの登場デス。

4歳からピアノを弾き始めていたBob James(1939年生まれ)は、Quincy Jonesに見出され、 1962年に初のリーダー作『Bold Conceptions』を発表していマス。

彼が本領を発揮し始めたのは、1973年にCreed TaylorのCTIレコードと契約してからですね。ここで発表した『One』(1974年)、『Two』(1975年)といったクロスオーバー作品で確固たる地位を築きまシタ。

その後も、1977年に自身のレーベルTappan Zee発足、1980年代には Earl KlughやDavid Sanbornとの共演でグラミー受賞、1990年代にはLee Litenour、Nathan East、Harvey MasonとFourplay結成など勢力的に活動を続け、現在に至っていマス。

また、多くのHip-Hopアーティストがサンプリング・ソースとしてBob James作品を取り上げたことで、Hip-Hopファンからの支持も高いアーティストですね。特に、『One』収録の「Nautilus」『Two』収録の「Take Me to the Mardi Gras」の2曲は定番中の定番としてお馴染みですね。

そう考えると、Bob Jamesを聴くリスナーって、大きくジャズ/フュージョン系リスナーとクラブ系リスナーの2つに分かれるんだろうね。

僕の場合、Bob Jamesの存在は80年前後から知っていましたが、せいぜいFMラジオで聴くくらいで、わざわざレコードを購入したり、知人から借りるまでには至りませんでシタ。

その意味では、やっぱりHop-Hopの定番ネタになったことで興味が高まったというカンジでしょうか。実際、僕が聴くBob James作品は『One』(1974年)、『Two』(1975年)の2枚が殆どだし(笑)

ということで、『Two』(1975年)をセレクト。

やっぱり、この作品が好きなのは前述の「Take Me to the Mardi Gras」が収録されているからですね!

でも、それは単にHip-Hopの定番ネタだからという理由だけではありません。

実はこの曲、昭和50年代に放送していた丸井『世界あの店この店』というTV番組のテーマ曲だったのです。もちろん、当時小学生で歌謡曲しか聴いていない僕には、この曲がBob James「Take Me to the Mardi Gras」だなんて知る由もありませんでしたが、このメロディとアレンジはやけに印象に残っていまシタ。

そんな経緯で、この曲を聴くと今でもノスタルジックな気分になるんですよねぇ。

さて、話を『Two』に戻すと、「Take Me to the Mardi Gras」以外の曲もHip-Hopネタになるなどクラブ系リスナーは必聴の1枚かもしれませんね。あるいは純粋なジャズ/クロスオーバー作品として聴いても、なかなかブラック・フィーリング溢れる作品に仕上がっており、僕好みですね。

メンバーはBobの他にPatti Austin(vo)、Eric Gale(g)、Hubert Laws(fl)、Lew Soloff(tp)、Randy Brecker(tp)、Steve Gadd(ds)、Ralph MacDonald(per)、Arthur Jenkins (per)等の名がクレジットされてマス。

全曲紹介しときヤス。

「Take Me to the Mardi Gras」
前述のクラシック・ナンバー。忘れちゃいけないのは、オリジナルはPaul Simonっす(アルバム『There Goes Rhymin' Simon』収録)。でも、Bobの見事なアレンジが光る本カヴァーを先に聴いた後だと、オリジナルの貧弱さが可哀想になりマス(笑)

最初は単なるライトタッチのBGMとしか聴こえないかもしれませんが、聴けばきくほどハマる曲ですね。イントロのSteve GaddのドラムとArthur Jenkinsのパーカッションを聴いただけでHip-Hopファンは歓喜するのでは?そして、Bobの何とも気持ちのいいエレピで昇天しそうになりますね。ちなみに『世界あの店この店』では冒頭のエレピ部分が大きくフィーチャーされていましたね。

主なサンプリング曲を挙げておくと、L.L. Cool J「Rock the Bells」、Run-D.M.C.「Peter Piper」、Beastie Boys「Hold it Now, Hit It」、Alkaholiks「Who Dem Niggas」、Eric B & Rakim 「Don't Sweat the Technique」、Public Enemy「1 Million Bottlebags」、Ice Cube「I Wanna Kill Sam」、TLC「Ain't 2 Proud 2 Beg」 、Em-Cee「Another Chick」、Pete Rock & C.L. Smooth「Sun Won't Come Out」、Missy Elliott「Work It」、Rhymefest「Stick」等々...

「I Feel a Song (In My Heart) 」
Patti Austinのボーカルをフィーチャーした哀愁ソウル風味のクロスオーバー・チューン。オリジナルはGladys Knight & the Pipsの1974年のヒット曲っす。このアルバムのブラック・フィーリングな雰囲気が最も反映された曲かも?

「The Golden Apple」
厚みがあって、ダイナミックなストリングスのアレンジが印象的なオリジナル曲。Group Home「Baby Pa」などのサンプリング・ネタにもなっていマス。

「Farandole (L'Arlesienne Suite No. 2)」
フランスの作曲家ビゼー(Bize)の「アルルの女 組曲第2番」をBobがアレンジしたもの。クラシック好きの人にはビミョーな曲かもしれませんが、クラシックを殆ど聴かない僕にはノー・プロブレムっす。 

「You're as Right as Rain」
「Take Me to the Mardi Gras」に次ぐハイライトはコレですな!Stylisticsのカヴァー(Thom Bell/Linda Creed作品)っす。フィリーソウルを見事にアーバンなクロスオーバーに仕上げていマス。

Boogie Down Productions「Questions and Answers」、Royksopp「Eple」のサンプリング・ネタとしても有名ですね。

「Dream Journey」
Bobのオリジナル曲。この曲もアレンジが見事ですね。とってもCTIらしいオーケストレーションが印象的っす。

本作を聴いた方は、『One』(1974年)もセットでどうぞ!
posted by ez at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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