発表年:2013年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ジャズ系ポルトガル人女性シンガー
気分は... :遅れてやってきた大人の夏休み・・・
祝日モードということで、イレギュラーに2日連続で新作の紹介を!
Guida De Palma & Jazzinho『Veludo』です。
Guida De Palma(Ghida De Palma)はポルトガル、セトゥバル出身の女性シンガー。
僕がGuida De Palma(Ghida De Palma)の名前を最初に知った作品は、当ブログでも紹介したB.E.F.『Music Of Quality And Distinction Volume II』(19991年)です。同作で彼女はRoberta Flackの大ヒットでお馴染みのEugene Mcdanielsの名曲「Feel Like Makin' Love」のカヴァーを歌っていました。
続いて僕がGuida De Palma(Ghida De Palma)の名に出くわしたのはDodge City Productions『 Steppin' Up & Out』(1993年)。I.G Culture擁するUKのHip-Hopユニット唯一のアルバムです。いつかは当ブログでも取り上げようと思っているお気に入りアルバムですが、彼女はシングルにもなった「As Long as Were Around'」と「Unleash Your Love」の2曲でフィーチャーされていました。
Dodge City Productions「As Long as Were Around'」
http://www.youtube.com/watch?v=_YvvPRIVKTE
その後しばらく彼女の名を目にすることが無くなりましたが、当時お気に入りだった日本人DJ/クリエイターLAVAのアルバム『Conexion』(2004年)でGhida De Palmaがフィーチャーされ、再び彼女の存在が気になるようになりました。また、彼女の歌声はKyoto Jazz Massiveの作品でも聴くことができます。
そんなGuida De Palma(Ghida De Palma)の自身を軸にしたユニットがJazzinho。これまでGuida De Palma & Jazzinho名義で『Jazzinho』(2003年)、『Atlas』(2006年)という2枚のアルバムをリリースしています。
そんなJazzinhoの3rdアルバムとなるのが本作『Veludo』です。
アルバム全体としては、Guidaらしくジャズ/ソウル/ブラジル音楽の間を自由に行き来する大人のブラジリアン・ジャズ作品といった印象です。Leon Wareとのメロウ・デュエットやクラブジャズ好きを歓喜させるスキャット入りの高速ブラジリアン・ジャズなども収録されています。全8曲という曲数はいささか少ない気もしますが、その分各曲は充実しています。
上記に示したのは僕が保有する国内盤のジャケですが、輸入盤のジャケは異なるのでご注意を!
Guida De Palma & Jazzinho『Veludo』 ※輸入盤
遅れてやってきた大人の夏休み・・・そんな雰囲気の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「A Seed in You」
Leon Wareとデュエットした注目曲。ソングライティングもLeon Wareです(共作)。GuidaとLeonによる大人のメロウ・バラードを存分に堪能しましょう。ロンドンを拠点にするジャズ・フルート奏者Gareth Lockraneによるフルートもメロウ気分を盛り上げてくれます。
「Abraco da Bossa」
Guidaらしいバカンス・モードのメロウ・ボッサ・グルーヴ。メロウなエレピを奏でるのは元IncognitoのGraham Harvey。メロウ・ボッサ・グルーヴ好きには鉄板な仕上がり。
「Papao」
クラブジャズ好きの人にとっては本作のハイライト曲なのでは?Kitty WinterやJoyce好きにはたまらない、スキャット入りの高速ブラジリアン・ジャズです。こういった音を期待して本作を購入する人は多いのでは?
「Autumn Monsoon」
夏モードの楽曲が多い本作ですが、この曲はタイトルの通り、秋がよく似合うしっとりとしたジャズ・チューンに仕上がっています。
「April's Fool」
爽快アコースティック・メロウ・ボッサ。伸びやかなGuidaのヴォーカルとメロウ・サウンドが爽やかな微風を吹き込んでくれます。彼女のヴォーカルの素晴らしさを実感できる1曲。
「Celebration」
イントロのギター・カッティングが印象的なジャズ・ファンク調のメロウ・グルーヴ。Guidaの持つソウルフルな側面を楽しめる1曲です。
「Whispers in the Darkness」
しっとりとした大人のボッサ・ジャジー・ソウル。洗練されていますが、決して雰囲気だけで流されないところがGuidaの歌力なのでしょうね。
「Ready to Feel Again」
Femi Temowoのギターをフィーチャー。ビューティフル・バラードにブルージー&ソウルフルな味わいが加わったビター・スウィートな雰囲気が魅力です。
Jazzinhoの過去作品もチェックを!
『Jazzinho』(2003年)
『Atlas』(2006年)