2013年10月15日

Walter Wanderley『Kee-Ka-Roo』

ファンキーな味わいも加わったオルガン・ボッサ☆Walter Wanderley『Kee-Ka-Roo』
キー・カー・ルー
発表年:1967年
ez的ジャンル:オルガン・ボッサ
気分は... :オルガンの音色を欲していマス・・・

今回はオルガン・ボッサの第一人者Walter Wanderley『Kee-Ka-Roo』(1967年)です。

Walter Wanderleyの紹介は、『Batucada』(1967年)、Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)に続き3回目となります。

Verveに移籍し、その第一弾アルバム『Rain Forest』(1966年)に収録されたMarcos Valle作の名曲カヴァー「Summer Samba (So Nice)(邦題:サマー・サンバ)」が全米チャート第26位のヒットとなり、USマーケットでも注目の存在となったWanderley。

その後、Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)、『Cheganca』(1966年)、『Batucada』(1967年)、Luiz Henrique & Walter Wanderley 『Popcorn』 (1968年)といった作品をVerveに残してきましたが、本作『Kee-Ka-Roo』(1967年)がVerveラスト作となります(その後CTIへ移籍)。

レコーディング・メンバーはWalter Wanderley(org、el-p)以下、John Pizarelli(g)、Jose Marino (b)、Dom um Romao (ds)、Alfonso De Paula(tp、per)、Jerome Richardson(fl)、Bobby Rosengarden(per、vib)、Marge Dodson (vo)。

オリジナル曲からブラジル人アーティストのカヴァー、Francis Lai、Henry Manciniといった映画音楽カヴァーまでバランス良い構成になっています。軽快なジャズ・サンバ、ラウンジ感覚のボッサ・ジャズ、ブーガルー調のタイトル曲やファンキー・サンバなどサウンドのメリハリも効いており、飽きずにアルバム1枚を楽しめます。

派手さはありませんが、聴けば聴くほど味わいが増します。

全曲紹介しときやす。

「Amazonas」
Joao Donatoの名曲カヴァー。当ブログでははJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra LucenaCal TjaderSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmAdam Dunningのヴァージョンも紹介済みです。軽快なオルガン・ジャズ・サンバが実に心地好いですね。涼しげなJerome Richardsonのフルートがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=JXXBJcGNHVw

「Kee-Ka-Roo」
Walter Wanderley作。タイトル曲はブーガルー調のファンキー・オルガン・ジャズ。ヒップな感覚が実に格好良いですね。

「Canto de Ossanha」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作。 当ブログではThe Girls from Bahiaのカヴァーを紹介済みです。序盤のアフロ・ブラジリアンなミステリアス感と中盤以降の華やかさという本曲の持つ魅力をジャズ・サンバで見事に表現しています。

「Take a Chance With Me」
Walter Wanderley作。Wanderleyが映画『For Singles Only』のために書いた楽曲。ラウンジ調のエレガントなボッサ・ジャズです。ヴァイヴの音色がいいアクセントになっています。

「Music to Watch Girls By」
Sid Ramin作。Bob Creweのヒット曲をカヴァー。当ブログではWillie BoboLes McCannのカヴァーも紹介済みです。ここではノスタルジック・ムードで聴かせてくれます。John PizarelliのギターとWanderleyのエレピが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=XgZzfbvU7aU

「Errinho Atoa」
Roberto Menescal作。爽快オルガン・ボッサ・ジャズは聴いていて実に清々しい気分になります。Jerome Richardsonのフルート・ソロも盛り上げてくれます。

「Sambao」
Don Um Romao作。ファンキー・オルガンとパーカッシヴなリズム隊が印象的なサンバ・チューン。本作らしいファンキーな味わいを満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=2fR3qQ7drAk

「The Bobo」
Francis Lai作。映画『The Bobo』(1967年)のメイン・テーマをカヴァー。ラウンジ調のメロウ・ボッサにかなりグッときます!

「Wait Until Dark」
Ray Evans/Jay Livingston/Henry Mancini作。映画『Wait Until Dark』(1967年)のメイン・テーマをカヴァー。Francis Laiの次はManciniです。本作唯一のヴォーカル曲でMarge Dodsonがフィーチャーされています。ロマンティックなオルガン・ジャズにうっとりです。

「Menino das Laranjas」
Theo De Barros作。当ブログではLennie Dale & Sambalanco Trioのカヴァーも紹介済みです。余裕たっぷり!大人のオルガン・ジャズ・サンバといった趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=5EvghQYgsJc

「Sebato Sera」
Dee Bellis/Martino作。ラウンジ・ムード満点のオルガン・ボッサ。さり気ないですがWanderleyのオルガンを満喫できます。

「Sensuous」
Walter Wanderley作。この曲も映画『For Singles Only』のために書かれたもの。エレピとヴァイヴの音色が美しいロマンティックな演奏でアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=8S6_HEd6AZ0

Walter WanderleyのVerve時代の他作品もチェックを!

『Rain Forest』(1966年)
サマー・サンバ

Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
A Certain Smile, A Certain Sadness

『Cheganca』(1966年)
シェガンサ(紙ジャケット仕様)

『Batucada』(1967年)
バトゥカーダ

Luiz Henrique & Walter Wanderley 『Popcorn』 (1968年)
ポップコーン
posted by ez at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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