2013年11月28日

Hocus Pocus『73 Touches』

フレンチHip-Hopの魅力が詰まった逸品☆Hocus Pocus『73 Touches』
73タッチズ
発表年:2005年
ez的ジャンル:最強フレンチHip-Hopバンド
気分は... :フェンダーローズ愛!

今回はフランス最強のHip-HopバンドHocus Pocus『73 Touches』(2005年)です。

MCの20sylを中心としたフレンチHip-HopバンドHocus Pocusの紹介は、『16 Pieces』(2010年)、『Place 54』(2007年)に続き3回目となります。

20syl(rap)、DJ Greem(turntables)、Herve Godard(b)、Antoine Saint-Jean(ds)、 Matthieu Lelievre(key)、David Le Deunff(g、vo)の6名が生み出すHip-Hopワールドは、Hip-Hopという音楽の素晴らしさを再認識させてくれます。

そんな彼らがブレイクするきっかけとなったのが本作『73 Touches』(2005年)です。タイトルにある73とはフェンダーローズの鍵盤の数に因んだものです。彼らの音世界の本質を表したタイトルかもしれませんね。

そのタイトルに偽りなくジャジー&メロウなフレンチHip-Hopを満喫できる1枚です。フレンチHip-Hopならではのジャジー感がいいですね。その一方で、クラシックなUS Hip-Hopへのリスペクトを随所で確認できます。

聴けば聴くほど完成度の高さに感心する1枚です。

『Place 54』『16 Pieces』と共にCDラックに揃えておきたいですね。

全曲紹介しときやす。

「Onandon Part 2」
彼らの代表曲の1つ「Onandon」のパート2。UKのラッパーTyをフィーチャー。ポジティヴなヴァイヴがいいですね。Public Enemy「Bring the Noise」、Lords of the Underground feat. Kid Deleon and Sah-B「Flow on (New Symphony) (Pete Rock Remix) 」、Erykah Badu「On & On」 、Nas「Got Ur Self A... by」といった声ネタが挿入されています。
http://www.youtube.com/watch?v=NPm8aJBB3iM

パート1もチェックを!
「Onandon」
http://www.youtube.com/watch?v=Jv8R7dUhSHE

「Pascal」
涼しげなフルートとフレンチ・ライムがボンジュールな感じのフレンチ・ジャジーHip-Hopらしい仕上り。Wu-Tang Clan「C.R.E.A.M.」、Erykah Badu「On & On」の声ネタ入りです。
http://www.youtube.com/watch?v=TO1yJG5Rxf8

「Comment On Faisait?」
ジャジー&メロウなヴァイヴが心地好い1曲。James Brown「Make It Funky」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Gi3fgzuQ0IA

「J'Attends」
David Le Deunffのアコギが印象的なオーガニック感覚の仕上がり。20sylのフレンチ・ライムが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=Jup8Jk-D3ps

「Feel Good」
20sylやDJ Greemも所属するDJユニットC2C(Coups 2 Cross)のターンテーブルを堪能できる1曲。ラテン・フレイヴァーのリズムにのっていい擦りを聴かせてくれます。Michael Jackson「The Way You Make Me Feel」、Beside「Change the Beat (Female Version)」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=tOJx3tChgi8

「J'Aimerais (jki...nop)」
僕の一番のお気に入り。ジャジーHip-Hopらしいメロウな浮遊感にグッときます。後半Common「The Light」の声ネタが登場するのも嬉しいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=W9ryMck5uwE

「Faits Divers」
トラックはバカンス・モードですが、20sylが綴るストーリー・テリングはシリアスです。中盤以降のJacques Brel「Grand Jacques (C'est Trop Facile)」のサンプリング・ループがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=XBBMVwMJ978

「Swingin' (Interlude) 」
陽気なジャジー感がグッドなインタールード。

「Zoo」
ポップに弾けたジャジー&メロウ感がいい感じです。Hip-Hopバンドらしいオルガンやフェンダーローズの音色が気に入っています。
http://www.youtube.com/watch?v=KlgeScZooxU

「Geometrie」
The Salsoul Orchestra「We've Only Just Begun/Feelings」ネタのヴァイヴ・ループが心地好いです。それとは対照的にリリックはアメリカのイラク攻撃を批判したポリティカルなものです。Kool G Rap & DJ Polo「I Declare War」、Mobb Deep「Survival of the Fittest」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=rw3KIXSgHrM

「Brouillon」
1曲の中でジャジー&メロウ、オールドスクール、スウィンギーという3つの表情を見せます。
http://www.youtube.com/watch?v=CRVVyABDAss

「Hip Hop ?」
Hocus Pocus作品への常連The Procussionsをフィーチャー。Stro the 89th Key、Mr. J. Medeiros、Resonantの3名と20sylのHip-Hop愛に溢れたマイクリレーを楽しみましょう。Grandmaster Flash and The Furious Five feat. Grandmaster Melle Mel & Duke Bootee「The Message」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=-HSmnIMvgyE

「73 Touches」
Julien Clerc「Les Amours Sans Larmes」ネタのドラムループに Miles Davis「Blue in Green」ネタの20Sylによるピアノが絡むジャジー・トラックが秀逸なタイトル曲。「J'Aimerais (jki...Nop)」と並ぶ僕のお気に入り。途中A Tribe Called Quest「Verses From the Abstract」 の声ネタも挿入されています。
http://www.youtube.com/watch?v=wTKAM3uvWOI

Hocus Pocusの過去記事もご参照下さい。

『Place 54』(2007年)
プレイス54

『16 Pieces』(2010年)
シックスティーン・ピーシーズ
posted by ez at 02:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うわーフランス語!
実は娘の為に電気ピアノを買ったのですが
内臓音色にフェンダーローズをかなり忠実に再現しているものがあって
こりゃ買ってよかったなあ!!と喜んでいるところです
あの音、やっぱり魅力的ですよね〜
Posted by けん at 2013年11月29日 15:22
☆けんさん

ありがとうございます。

あのメロウに揺らぐ音色には何ものにも代えがたい魅力がありますね。

フレンチ・ラップとローズの音色もなかなかマッチしますよ!
Posted by ez at 2013年11月30日 23:41
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