発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラックスプロイテーション系サントラ
気分は... :一触即発!
今回はブラックスプロイテーションのサントラ作品Bobby Womack & J.J. Johnson『Across 110th Street』(1972年)です。
『Across 110th Street(邦題:110番街交差点)』はBarry Shear監督、Anthony Quinn、Yaphet Kotto主演の刑事アクションのブラックスプロイテーション。黒人街と白人居住地区が隣接するN.Y.の110番街を舞台としています。
サントラを手掛けたのはソウル・シンガーBobby Womackと大物ジャズ・ミュージシャンであるトロンボーン奏者J.J. Johnson。Bobby Womackについては以前に『Understanding』(1972年)を紹介しています。J.J. Johnsonについても彼が参加したジャズ作品を多数紹介済みです。
サントラ自体はブラックスプロイテーションのサントラらしい雰囲気が支配しています。アルバムの構成はBobby Womack & Peace名義の演奏と、J.J.Johnson & His Orchestra名義の演奏が半々となっています。楽曲もすべてBobby Womack、J.J.Johnsonによるものです。
同じ楽曲をBobby Womack & Peace名義のヴォーカル・ヴァージョン、J.J.Johnson & His Orchestra名義のインスト・ヴァージョンで収録されているものも多いので、両者の個性を対比できるあたりも面白いアルバムだと思います。
Bobby Womackが注目されることが多いアルバムですが、J.J.Johnsonによる演奏も聴き逃せません。
ブラックスプロイテーションのサントラらしいファンキーでスリリングな演奏を満喫しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Across 110th Street」
オープニングはシングル・カットもされたBobby Womack & Peaceによるタイトル曲。Quentin Tarantino監督の映画『Jackie Brown』(1997年)のサントラでも使われていましたね。哀愁のメロディをBobbyが歌い上げるグルーヴィー・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=UOg_8hCC4u4
Tim Dog「Bronx Nigga」、Ghostface Killah feat. Tekitha「Walking Through The Darkness」、Bone Thugs-N-Harmony feat. Will.i.am & The Game「Streets」、Raekwon feat. GZA, Masta Killa & Slick Rick「We Will Rob You」、Mac Mall「Life So Far」、Giggs feat. J. Melo「Make It Look Good」、Dada「Ne Ne」、Yung Simmie「Vibe Session (Smoke & Think)」 、Lil B「Stangz」、Tekitha「Walking Through the Darkness」、Juicy J feat. La Chat「Like a Pimp」、Big K.R.I.T.「Just Touched Down」、Smoke DZA「Rugby Thompson」、DSP feat. Frog「Elegem Van」等サンプリングソースとしても大人気です。
Tim Dog「Bronx Nigga」
http://www.youtube.com/watch?v=cu0WdTlVIkQ
Ghostface Killah feat. Tekitha「Walking Through The Darkness」
http://www.youtube.com/watch?v=d5vd67vTysE
Bone Thugs-N-Harmony feat. Will.i.am & The Game「Streets」
http://www.youtube.com/watch?v=kxxt1Ts4tiw
Raekwon feat. GZA, Masta Killa & Slick Rick「We Will Rob You」
http://www.youtube.com/watch?v=zcvrfiF2vGo
Mac Mall「Life So Far」
http://www.youtube.com/watch?v=8u2eWxI3k2w
Giggs feat. J. Melo「Make It Look Good」
http://www.youtube.com/watch?v=FFJvBdWTKZs
Dada「Ne Ne」
http://www.youtube.com/watch?v=odCSvxavrXY
Yung Simmie「Vibe Session (Smoke & Think)」
http://www.youtube.com/watch?v=jgeCH2HVqb4
また、The Cecil Holmes Soulful Sounds、Calvin Richardson、Fes Taylor等がカヴァーしています。
The Cecil Holmes Soulful Sounds「Across 110th Street」
http://www.youtube.com/watch?v=O6yNpFjOvNc
Calvin Richardson「Across 110th Street」
http://www.youtube.com/watch?v=7Psw9PqREXI
Fes Taylor「Across 110th St」
http://www.youtube.com/watch?v=H5qGsHccU1I
「Harlem Clavinette」
J.J.Johnson & His Orchestra。タイトルの通り、クラヴィネットが唸るファンキーなインスト。ホーン・アンサンブルの作り方がさすがJ.J.Johnsonといった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=fyTImQODAX0
「If You Don't Want My Love」
Bobby Womack & Peace。メロウな味わいのアコースティック・ソウル。このあたりはラスト・ソウルマン"Bobby Womack"の魅力を堪能できる1曲ですね。Bobby Womackのオリジナル・ヴァージョンはアルバム『Communication』(1971年)に収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=uLxQCpGlj_k
この曲といえば、当ブログでも紹介済みのRonnie Wood(Ron Wood)によるカヴァーもサイコーですね!
Ronnie Wood「If You Don't Want My Love」
http://www.youtube.com/watch?v=t3Q6hfzNTM8
The Pharcyde「Feeling Freaky」、Love Equals Omnipotence「Window」のサンプリングソースにもなっています。
The Pharcyde「Feeling Freaky」
http://www.youtube.com/watch?v=_aW_wtLpMFQ
Love Equals Omnipotence「Window」
http://www.youtube.com/watch?v=FQT2WN9fAlo
「Hang On In There (instrumental)」
J.J.Johnson & His Orchestra。後述するBobby Womack a& Peaceによるヴォーカル・ヴァージョンもあります。ニューソウルらしい疾走感とJ.J.Johnsonらしいホーン・アンサンブルがいいバランスのインスト。
「Quicksand」
Bobby Womack & Peace。疾走するエレピをバックにBobbyが軽快に歌います。よく曲調がカントリー風なのが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3UXGcVboOhY
「Harlem Love Theme」
J.J.Johnson & His Orchestra。哀愁モードのラブ・テーマ。Lloyd Banks「Keep Your Cool」、Kendrick Lamar「Cut You Off (To Grow Closer)」、9th Wonder a& Kaze「Soul Dojo (Essence of Life)」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=q5hgBurBAbc
" (performed by J.J.Johnson and his Orchestra)
Kendrick Lamar「Cut You Off (To Grow Closer)」
http://www.youtube.com/watch?v=UgASe3CIw9E
9th Wonder a& Kaze「Soul Dojo (Essence of Life)」
http://www.youtube.com/watch?v=6Wor56QREv0
「Across 110th Street (instrumental)」
J.J.Johnson & His Orchestra。タイトル曲のインスト・ヴァージョン。ブラックスプロイテーションのサントラらしいスリリングでパーカッシヴな演奏を満喫できます。ブラス・ロック調のホーン・アンサンブルも格好良いです!
http://www.youtube.com/watch?v=BTPx-ENoNBY
「Do It Right」
Bobby Womack & Peace。Bobbyがシャウトしまくるファンク・チューン。ギターも唸りをあげます!
http://www.youtube.com/watch?v=eSFTkTmWk9w
「Hang On In There」
Bobby Womack & Peace。こちらはヴォーカル・ヴァージョン。インスト・ヴァージョンと雰囲気が異なるので聴き比べると面白いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ce7ci-xL-nE
「If You Don't Want My Love (instrumental)」
J.J.Johnson & His Orchestra。こちらはインスト・ヴァージョン。他の曲と比べると少し印象が薄いかも?
「Across 110th Street – Part II」
Bobby Womack & Peace。ラストはタイトル曲のパート2。個人的にはパート1以上にスリリングで格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=vm254_STR8M
Bobby Womack『Understanding』(1972年)
懐かしくてたまりません。
ありがとうございます。
ブラックスプロイテーション系サントラの不穏なスリリング感はたまりませんよね。
NFLはいよいよ大詰めですね。個人的にはブロンコス対シーホークスのスーパーボウルが観たいです。