発表年:2013年
ez的ジャンル:摩訶不思議系チカーノ・ロック
気分は... :摩訶不思議サウンドでマッタリ・・・
今回は昨年11月に発売されたChicano Batmanの最新作『Cycles Of Existential Rhyme』です。
Chicano Batmanは2008年にL.A.で結成されたチカーノ系ロック・バンド。メンバーはEduardo Arenas(b、g、vo)、Carlos Arevalo(g)、Bardo Martinez(g、org、vo、b)、Gabriel Villa(ds、per)の4名。コロンビア生まれのGabriel以外はL.A.のラテン系アメリカ人です。
これまで2010年に1stアルバム『Chicano Batman』、2012年に4曲入りEP『Joven Navegante』をリリースしています。
70年代南米サイケのようなジャケ・イメージのとおり、コンボ・オルガンやヴィンテージ・アンプなど古い機材を駆使したレトロでちょっとサイケなラテン・ロックが繰り広げられます。コロンビア出身のメンバーもいるのでクンビアのエッセンスなども聴くことができます。
僕がChicano Batmanを最初に聴いたのはEP『Joven Navegante』(2012年)でした。CDショップで試聴コーナーで聴き、一発で気に入りました。最初はてっきり南米のグループだと思っていましたが・・・
「Joven Navegante」(From 『Joven Navegante』)
http://www.youtube.com/watch?v=DE8M3UzXTtg
その時の印象からすると、Malo、Aztecaのようなチカーノ・ロックをイメージしていたのですが、本作『Cycles Of Existential Rhyme』を聴くとラテンの躍動感というよりも、摩訶不思議なレイドバック・サウンドがこのバンドの魅力かもしれませんね。
適度にユルいレイドバックしたラテン・ロックはマッタリ過ごしたい気分に持って来いだと思います。
時代が一回りしてレトロが新感覚サウンドとなった・・・そんな感じです。
全曲紹介しときやす。
「El Frio」
オープニングはコンボ・オルガンやギターの哀愁のメロディが印象的なインスト・チューン。
「Cyles Of Existential Rhyme」
タイトル曲はレイドバック感のあるレトロ・サウンドがいい感じのマッタリ・チューン。Carlos Arevaloの泣きのギターにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=vecOBsQ2Otc
「Lisandreando」
軽快なCarlosのギターがリードするインスト。レトロ感が逆にいい味出しています。
「El Jalapeno」
軽快な序盤、哀愁モードの中盤のコントラストがいい感じです。バンドの演奏力を満喫できます。
「She Lives On My Block」
オルガンの響きがよくマッチするマッタリ・モードの1曲。このユルさがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=e4zMGckP2XY
「El Frio II」
「El Frio」のパート2。こちらはヴォーカル入りです。中盤のGabrielのドラム・ソロ以降のエキサイティングな演奏にグッときます。
「Fantasia」
Carlosのレトロ感覚がギターが胸に沁みる甘く儚い1曲。胸が締めつけられる摩訶不思議なレトロ・サウンドに脱帽です。
「Bilbao」
疾走するファンキー・ラテン・ロック。2分弱なのでもっと長尺で聴きたいですね。
「Amor Verde」
レトロ感覚たっぷりの哀愁チカーノ・チューン。チープなオルガンの響きがたまりません。
「A Cool Blessing」
格好良いGabrielのブレイクと共にスタートするインスト。このバンドらしいヴィンテージ・サウンドを満喫できます。
「Magma」
アルバムに先駆けてシングルになった楽曲。このバンドの摩訶不思議なレトロ・サウンドの魅力が凝縮されています。終盤のリズミックな展開も格好良いです!
http://www.youtube.com/watch?v=b-X-Mzt1iiQ
「Stoned Soul Picnic」
ユルさがたまらないレイドバック感覚のメロウ・バラード。マッタリ過ごしたい時のお供に最適です。
「Wednesday Morning」
レア・グルーヴ的なサウンドを求めるのであれば、パーカッシヴな疾走感が格好良い本曲が一番フィットするのでは?
「Para Agradecer」
ラストは哀愁メロウな雰囲気で締め括ってくれます。
Chicano Batmanの他作品もチェックを!
『Chicano Batman』(2010年)
『Joven Navegante』(2012年)