2007年04月14日

Talking Heads『Fear Of Music』

彼ららしいアートなハイブリッド・リズムを堪能できる1枚☆Talking Heads『Fear Of Music』
Fear of Music
発表年:1979年
ez的ジャンル:ハイブリッド・リズム系ニューウェイヴ
気分は... :心配になるなぁ...

NYニューウェイヴを代表するバンドTalking Headsの久々の登場デス。

鬼才David Byrneを中心にChris FrantzJerry HarrisonTina Weymouthの4人が生み出す知的なハイブリッド・サウンドは、NYニューウェイヴの生み出した1つの大きな成果ですよね。

前回はアフロ・ファンクとロックを融合させた歴史的名盤『Remain in Light』(1980年)を紹介しましたが、今回『Remain in Light』の1つ前の作品となる『Fear Of Music』(1979年)を紹介しマス。

基本的にTalking Headsの作品は全部OKな僕ですが、現時点の僕の好みで言えば、本作『Fear Of Music』が一番かもしれませんね。

本当は前回『Remain in Light』を紹介した時も『Fear of Music』を取り上げようと思ったのですが、当時はAmazonのジャケ写真の画質が悪く、工業用ゴムマットを模した黒いジャケットの質感が判別できず、しかも背景ブラックのブログ・デザインだったため両者が同化して見た目には真っ黒で何もわからない...なんて状況だったので断念した記憶がありマス。

『Fear Of Music』は、『Talking Heads: 77』(1977年)、『More Songs About Buildings and Food』(1978年)に続く3rdアルバム。前作『More Songs About Buildings and Food』で初めてタッグを組んだBrian Enoが引き続きプロデュースを担当していマス。

Talking Headsの歴史で言えば、『Remain in Light』で開花するアフロ・ファンクの要素を初めて取り入れたのが『Fear Of Music』デス。

おそらく僕が『Fear Of Music』を好きなのは、彼らの持つアートな雰囲気とアフロ・ファンク路線のハイブリッド感がうまく融合しているあたりだと思いマス。

オススメ曲を紹介しときやす。

「I Zimbra」
Talking Headsが初めてアフロ・ファンクを導入した曲。アフロ・ファンクなんて殆ど認知されていなかった当時に、このリズムやサウンドは結構インパクトがあるのでは?意味不明の歌詞も印象的ですね。ちなみにこの歌詞はダダイスト Hugo Ballの詩(と呼べるのか?)がベースになっていマス。

本曲にはRobert Frippがゲスト参加。次作『Remain in Light』では後にKing Crimsonに加入するAdrian Belewが大活躍しているし、Talking Headsと80年代King Crimsonの接点も興味深いですね。ちなみに80年代の新生King Crimsonの第一弾アルバム『Discipline』(1981年)も大好きなアルバムです。

「Mind」
NYニューウェイヴらしいダークで、チープで、近未来的な1曲。この曲なんかは同じくNYニューウェイヴを代表するグループThe Carsあたりとの共通点を見出すことができますね。

「Paper」
不思議な吸引力を持った1曲。ハイブリッド感に充ちたギターのリズムを聴いているだけで飽きませんな。

「Cities」
ニューウェイヴとファンクがNYテイストでまとめられている、Talking Headsならではのハイブリッドなリズム感がカッチョ良い曲。

「Life During Wartime」
シングルカットもされた人気の1曲ですね。David Byrneらしいクネクネ感が一杯でいいですね。コンガのパカポコ感も僕好み。

「Air」
近未来的ニューウェイヴといったムードの曲ですね。Sweetbreathesによる癒し系バック・コーラスがいいカンジ。

「Heaven」
ニューウェイヴ感覚の中にもヒューマンなぬくもりを感じるナンバー。リズム面のユニークさが取り上げられることが多いTalking Headsだけど、こうしたヒューマン・タッチな面も彼らの魅力ですよね。

「Animals」
ソリッドなファンク・リズムが印象的なアヴァンギャルド・チューン。

ワールド・ミュージック的な視点で作られた『Naked』(1988年)あたりと聴き比べると、同じアフリカ志向でも全然肌触りが違うのが面白いですね。
posted by ez at 14:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『Fear Of Music』って初期と『Remain in Light』以降の両方の要素が混ざり合った不思議な感覚がありますよね。
私はまだまだこのアルバムの良さが丸ごとわかったとは言えないんですが、「I Zimbra」、「Cities」、「Life During Wartime」など大好きな曲が結構入ってます。
Posted by 耳イヌ at 2007年04月16日 01:34
☆耳イヌさん

ありがとうございます。

耳イヌさんのおっしゃる通り、初期のアバンギャルド性と『Remain in Light』以降のファンク路線の絶妙なバランス感が、このアルバムの魅力かもしれませんね。

昔はDavid Byrneのクネクネ感も含めて、ビミョーな印象のグループだったのですが、ファンクやアフリカン・ミュージックを聴くようになってから、急に彼らの魅力に目覚めてしまいました。不思議なものですね!
Posted by ez at 2007年04月16日 17:08
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