
発表年:1970年
ez的ジャンル:ファンキー・ロック/ソウル/ジャズ
気分は... :採点なんて大嫌い・・・
オリンピックの女子モーグルは後味が悪い結末でしたね。
思わず悔し涙が出てきてしまいました。
TVの前で素晴らしい滑りを見せてくれた上村選手に拍手を送りながら、どうにか怒りを鎮めていました。
専門的な見地からは3位のカーニー選手の方が上回っていたのかもしれませんが、一部専門家にしか勝敗がわからない競技というのは、どうなんでしょうね。これからフィギュアスケートをはじめ採点競技が多く行われますが、こういう後味の悪い採点は勘弁して欲しいですね。
個人的には、そもそも採点というものが大嫌いです。サッカー専門誌の選手採点も大嫌いですし、音楽作品の星採点も大嫌いです。
なので、このブログは作品を☆評価するようなことはしません。あくまで音楽は好き/嫌いでいいと思っていますので。
さて、今回は黒人ドラマー/シンガーBuddy Milesが1970年にリリースした『Them Changes』です。
Jimi HendrixのBand Of GypsysやMike BloomfieldのThe Electric Flagの活動でも知られる巨漢黒人ミュージシャンBuddy Milesの紹介は、(1947-2008年)の紹介は『All The Faces Of Buddy Miles』(1974年)、『Hell And Back』(1994年)に続き3回目となります。
本作『Them Changes』は、Band Of Gypsysの内部分裂後に制作されたソロ・アルバムです。
Band Of Gypsysの延長線の作品を期待する人もいるかもしれませんが、中身はよりファンキーでソウルフルな仕上がりです。さらにはソウル・ジャズなインストも収録されています。そんなアルバム内容を反映し、全米アルバム・チャートのみならず、同R&Bアルバム・チャート、同ジャズ・アルバム・チャートにもチャート・インしています。
プロデュースはBuddy Miles & Robin McBride。「Memphis Train」のみSteve Cropperがプロデュースしています。
参加ミュージシャンはBuddy Miles(ds、vo、g)以下、Andre Lewis(org、key)、Billy Cox(b)、Wally Rossunolo(g)、Bob Parkins(org)、Charlie Karp(g)、David Hull(b)、Marlo Henderson(g)、Robin McBride(el-p)、Jim McCarty(g)、Dwayne Hitchings(org)、Phil Wood(flh、p)、Bob Hogins (org、p、el-p、tb)等です。
特にAndre Lewisのオルガン、クラヴィネットが目立っています。Andre Lewisは後にMandreとしてアルバムをリリースしています。あとは随所で聴くことができるファンキー・ホーン・セクションも印象的です。
ジャケでポーズをキメるBuddy Milesのように、格好良いファンキー・サウンドが魅力の1枚です。
全曲を紹介しときやす。
「Them Changes」
Buddy Miles作。タイトル曲はBand Of Gypsysでも演奏していたのでジミヘン好きの方にもお馴染みですね。ここでもBand Of GypsysのBilly Coxがベースを弾いています。地を這うように唸るCoxのベースとMilesのドラムが重量リズム隊が牽引するへヴィ・ファンク・ロック。ファンキー・ホーン隊とジミヘンばりのWally Rossunoloのギターが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=UXUvXh5BO54
「I Still Love You, Anyway」
Charlie Karp作。フォーキーな味わいです。終盤に美しいコーラスとオルガン、ハープシコードが加わり、感動的な展開に・・・
http://www.youtube.com/watch?v=yy5TTupSIuU
「Heart's Delight」
Buddy Miles作。R&B調のファンキー・チューン。ファンキー・ホーン隊とソウルフルなMilesのヴォーカルがよくマッチしています。終盤のメリハリのつけかたもサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=V0Ym7fFPog8
「Dreams」
Gregg Allman作。The Allman Brothers Bandのカヴァー。オリジナルはデビュー作『The Allman Brothers Band』(1969年)に収録されています。ずっしりくるロック・サウンドとソウルフルなMilesのヴォーカルがよくマッチしています。Charlie Karpのギター・ソロとAndre Lewisのオルガン・ソロはまさにドリームスな感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=LEwhI0UBwtc
「Down By The River」
Neil Young作。オリジナルは『Everybody Knows This Is Nowhere』(1969年)に収録されています。Neil Young作品をコズミックな音世界による感動的なカヴァーで聴かせてくれます。アルバムの中では異色作ですが、個人的には本作のハイライトです。Andre Lewisのクラヴィネット・ソロも大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=mdAXOOh0WF8
本曲はサンプリング・ソースとしても大人気です。当ブログでも紹介したThe Pharcyde「She Said」をはじめ、Diamond D「Red Light, Green Light」、Akinyele「No Exit」、Akhenaton「Le Calme Comme Essence」、Onyx「Maintain (Skit)」、Fun Lovin' Criminals「Passive/Aggressive」、Smif-N-Wessun「Gunn Rap」、Fast Forward「Verloren」、Falside and Reks「Headlines」等でサンプリングされています。
Diamond D「Red Light, Green Light」
http://www.youtube.com/watch?v=6RC4aQ1Ag9E
Akinyele「No Exit」
http://www.youtube.com/watch?v=ph6Stpwdn-A
Akhenaton「Le Calme Comme Essence」
http://www.youtube.com/watch?v=YuuSqmUlPQk
Fun Lovin' Criminals「Passive/Aggressive」
http://www.youtube.com/watch?v=C-8xzU-PnHU
Smif-N-Wessun「Gunn Rap」
http://www.youtube.com/watch?v=bSJAX8XM5YE
Fast Forward「Verloren」
http://www.youtube.com/watch?v=jfXORV4MHdI
「Memphis Train」
Bonny Rice/Rufus Thomas/Willie Sparks作。Rufus Thomas、1967年のシングル曲をカヴァー。この曲のみSteve Cropperプロデュースです。ブルージー&ソウルフルなオルガンとJim McCartyのギターが印象的なファンキー・チューン。Milesのブレイクもキマっています。巧みなホーン・アレンジもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=iX7G7ELCXYU
「Paul B. Allen, Omaha, Nebraska」
Buddy Miles/Andre Lewis作。Andre Lewisのオルガンをフィーチャーしたソウル・ジャズ風のインスト。Andre、Miles、Marlo Henderson(g)によるトリオ演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=T7zFdS3Rra4
「Your Feeling Is Mine」
ラストはOtis Reddingのカヴァー。R&B調のコンパクトなファンキー・ロックで締め括ってくれます。
他のBuddy Miles関連作品もチェックを!
Buddy Miles Express『Expressway to Your Soul』(1968年)

Buddy Miles Express『Electric Church』(1968年)

Jimi Hendrix『Band Of Gypsys』(1970年)

『Live』(1971年)

Carlos Santana & Buddy Miles『Live!』(1972年)

『Chapter VII』(1973年)

『All The Faces Of Buddy Miles』(1974年)

The California Raisins『The California Raisins Sing the Hit Songs』(1987年)

The California Raisins『Meet the Raisins!』(1988年)

Hardware『Third Eye Open』(1992年)

Buddy Miles Express『Hell And Back』(1994年)
