2007年04月17日

Donald Byrd『Street Lady』

ByrdのSky High第2弾アルバム☆Donald Byrd『Street Lady』
Street Lady
発表年:1973年
ez的ジャンル:スカイ・ハイ系レア・グルーヴ
気分は... :主役は目立たないけど...

1950年代から活躍するジャズ・トランペット奏者Donald Byrdの2回目の登場デス。

今回も前回の『Places and Spaces』(1975年)に続き、Mizell兄弟Sky High Productionによって制作されたレア・グルーヴの人気作品『Street Lady』(1973年)デス。

知らない方のためにSky High Productionについて簡単に説明しておきますね。

Sky High Productionは、Larry MizellAlphonso "Fonce" MizellというMizell兄弟が設立したプロダクション。Fonceはモータウンのプロダクション・チームThe Corporationの一人として、Jackson5、Marvin GayeMartha & The Vandellas等を手掛けたことでも知られていマス。

重厚なキーボード、華麗なストリングス等を特徴とした偉大なるワンパターン・サウンドを武器に、Sky HighはDonald ByrdBobbi HumphreyJohnny HammondGary Bartz等レア・グルーヴの傑作を数々を手掛けまシタ。後期にはA Taste Of Honey、L.T.D.といったR&B系アーティストも手掛けていマス。

心地良いし、ノリもいい、しかもエレガントといったカンジの爽やかなメロウ&グルーヴ感がたまらないですよね。

こんなメロウ&グルーヴの諸作を多くの人が放っておくはずがなく、90年代に入るとレア・グルーヴの流れの中で、クラブシーンを中心に再評価されるようになり、現在も高い支持を得ているってカンジでしょうかね。

そんなSky High作品の中でも特に人気が高いのがDonald Byrdとのコラボ作の数々ですね。ハワード大学で教鞭もとっていたByrdの教え子がMitzell兄弟というのが両者の関係です。

そんなByrdとMitzell兄弟のタッグは、Larry Mizellのプロデュースで『Black Byrd』(1972年)、『Street Lady』(1973年)、『Stepping Into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)という4枚の作品を残していマス。

これらの作品はサンプリング・ネタとしても人気で、多くのHip-Hopアーティストに取り上げられていますね。本ブログでも紹介したGuru『Jazzmatazz』『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』へのDonald Byrdの参加は、そうした流れのものデス。

さて、『Street Lady』(1973年)はByrdのSky High第2弾アルバムです。

レコーディング・メンバーは、Donald ByrdMizell兄弟の他は、Chuck Rainey(b)、Harvey Mason(ds)、Jerry Peters(p、key)等Sky Highお馴染みのメンバーに加え、David T. Walker(g)も加わっていマス。

他のSky High作品同様にByrdの作品というよりもMizell兄弟の作品という印象が強いですが、中身は文句なしに素晴らしいデス。

全曲紹介しときやす。

「Lansana's Priestess」
レア・グルーヴ好きに大人気の1曲ですね。DJ SpinnaやDanny Krivitも取り上げていたので、そちらでご存知の方もいるのでは?イントロのDavid T. Walkerのギターが聴こえた瞬間から一気に極楽気分になる何とも気持ちよい爽快グルーヴ。Sky Highらしいエレガントなサウンドは今の時期にぴったりかもね!Roger Glennのフルートも涼しげ!

「Miss Kane」
Sky Highらしからぬ(笑)スリリングな展開が魅力のジャス・ファンク。特に後半の盛り上がりはテンション高いですね。スペイシーなシンセ・サウンドが印象的ですね。

「Sister Love」
ラテン・タッチの軽快な1曲。メロウな前半もいいけど、David T. Walkerのギターが大活躍する終盤のカッチョ良さもなかなか。密かなお気に入り曲。

「Street Lady」
Jungle Brothers「Good News Comin'」、Outlaw Posse「Original Dope」等サンプリング・ネタにも使われるファンク・チューン。この曲はしっかりByrdのトランペットが目立っていますね。あとはSky High特有の下手くそなコーラスが何故かいいんだよねぇ。不思議ですな。Jerry Petersのピアノもカッチョ良いですぞ!

「Witch Hunt」
クールなジャズ・ファンク。Byrdのトランペットがクールな雰囲気を損ねている気がする...なんて書いたら怒られちゃいますね(笑)

「Woman of the World」
メロウなクロス・オーバー・チューン。Roger Glennのフルートがとってもロマンティック。そして、ここでも下手くそコーラスがメロウネスを増幅してくれます。これがないとSky Highじゃない(笑)

Donald Byrd本人を全く無視した紹介方法になってしまいましたが、次回はSky High以外のByrdが主役の作品を紹介しますのでご勘弁をm(_ _)m
posted by ez at 00:02| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
買ってみます。
Posted by BOB at 2007年04月19日 01:39
☆BOBさん

スカイハイ・サウンドを堪能してくださいね!
Posted by ez at 2007年04月19日 11:43
1970年代のこの時期の作品では
これが一番テーマもよくてノリます。
何といってもバックも素晴らしい。
へたくそなコーラスとは今まで意識しなかったけどそうですね。
Posted by あばちゃん at 2011年07月18日 20:22
☆あばちゃんさん

ありがとうございます。

スカイハイの一連の作品はどれも大好きですが、Donald Byrd作品を聴いているのか、Mizell兄弟作品を聴いているのか複雑な気分になりますね・・・
Posted by ez at 2011年07月20日 02:18
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