発表年:1972年
ez的ジャンル:Hot Wax系デトロイト・ソウル
気分は... :心がホッコリ・・・
今回はHot Wax系のソウル・グループ100 Proof Aged In Soulの2ndアルバム『100 Proof (Aged In Soul)』(1972年)です。
100 Proof Aged In Soulは1969年にデトロイトでヴォーカル・グループとして結成されました。メンバーはSteve Mancha(本名Clyde Wilson)を中心に、Eddie Holiday、Joe Stubbs、Don Hatcherという4名です。
Holland-Dozier-HollandのHot Waxから1969年にシングル「Too Many Cooks (Spoil the Soup)」でデビュー。1970年にリリースした2ndシングル「Somebody's Been Sleeping」は全米Top10ヒットとなりました。翌年には1stアルバム『Somebody's Been Sleeping In My Bed』をリリースしています。
しかし、Eddie Holiday、Joe Stubbsが脱退したため、新メンバーを加え、Steve Mancha(vo)、Don Hatcher(b)、Ron Bykowski(vg)、Dave Case(per)、Darnel Hagen(ds)という新ラインナップで2ndアルバム『100 Proof (Aged In Soul)』(1972年)を同じくHot Waxからリリースしています。
今回、1st『Somebody's Been Sleeping In My Bed』と2nd『100 Proof (Aged In Soul)』のどちらをセレクトするか迷いましたが、ヴォーカル・グループよりヴォーカル&インスト・グループを好む僕の嗜好を反映して2ndをセレクトしました。
オープニングの「Everything Good Is Bad」、「Nothing Sweeter Than Love」、「Don't Scratch Where It Don't Itch」のような楽曲が本作らしいのかもしれません。ただし、「Since You Been Gone」、「Ghetto Girl」のようなバラード系の楽曲の方がSteve Manchaのヴォーカルの魅力を満喫できます。
プロデュースはRonald Dunbar、General Johnson、Greg Perry。さらにアレンジャーとして、H.B. Barnum、McKinley Jackson、Paul Riserが起用されています。
派手さはありませんが、聴いていて心がホッコリする1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Everything Good Is Bad」
Angelo Bond/Gary "Gazza" Johnson/Greg Perry作。同時期にHot Wax/InvictusのハウスバンドThe Politiciansも演奏しています。ヴォーカル&インスト・グループとなった新生100 Proof Aged In Soulらしいインスト重視の仕上がりです。ドラム&パーカッションのブレイクもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=DsI5C6rL_eg
昨日の3582『Situational Ethnics』の記事で紹介したLone Catalystsが「Bad Music」でサンプリングしています。なかなかカッチョ良いですよ!
The Politicians「Everything Good Is Bad」
http://www.youtube.com/watch?v=_Sltm19wcfY
Lone Catalysts「Bad Music」
http://www.youtube.com/watch?v=px2qYeBkBqo
「Since You Been Gone」
Ronald Dunbar/Clyde Wilson作。Steve Manchaのヴォーカルを堪能できる感動的なソウル・バラード。哀愁のオルガンを歌うManchaのヴォーカルが実に味わい深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=TsckA81eQ5g
「Nothing Sweeter Than Love」
Clyde Wilson作。Steve Manchaの切なるメッセージが胸にグッとくるニューソウル的な仕上がり。聴き重ねるほどジワジワきます。
http://www.youtube.com/watch?v=qJDhi3TLx2k
「Ghetto Girl」
Greg Perry/Clyde Wilson作。胸に込み上げるものがある感動のソウル・バラード。 バラード系ではこの曲が一番好き!
http://www.youtube.com/watch?v=nAo18FMGeV0
「Words」
Barry Gibb/Maurice Gibb/Robin Gibb作。Bee Gees、1968年のシングルをカヴァー。この選曲は意外ですね。アルバムの中では少し埋もれている気も・・・。
「I Don't Care If I Never Get Over You」
Angelo Bond/Ronald Dunbar/Clyde Wilson作。味わい深いバラード。素晴らしいストリングス・アレンジがManchaのヴォーカルを盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ODpQxbE1YBA
Josh Xantus feat. Ghostface Killah「I Don't Care」、2 Pistols feat. 2 Chainz「I Don't Care」、Lil B「I Love Hip Hop」でサンプリングされています。
「Don't Scratch Where It Don't Itch」
Angelo Bond/Gary "Gazza" Johnson/Greg Perry作。ホーン隊も加わったファンキー・チューン。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=bhLFdeV0_Y0
「Don't You Wake Me」
Angelo Bond/Greg Perry作。この曲も心に沁みます。ここでも素晴らしいストリングス・アレンジが冴えます。
http://www.youtube.com/watch?v=wu7ROA1XDYQ
「Never My Love」
Don Addrisi作。ラストもバラード。ただし、他のバラード系の楽曲とは少し異なる趣です。
http://www.youtube.com/watch?v=iGJYuN3vgbo
CDには「I'd Rather Fight Than Switch」、「If I Could See The Light In The Window (Version 2)」、「My Piece Of The Rock (Vocal)」、「My Piece Of The Rock (Instrumental)」、「I'm Mad As Hell (Ain't Gonna Take No More) (Part 1)」、「I'm Mad As Hell (Ain't Gonna Take No More) (Part 2)」という6曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。ファンキー・チューンが多いのです。
1stアルバム『Somebody's Been Sleeping In My Bed』もチェックを!
『Somebody's Been Sleeping In My Bed』(1971年)