発表年:1973年
ez的ジャンル:ソウルフル・メロウ・サンバ
気分は... :そろそろW杯気分を盛り上げて・・・
UEFA CLはセミ・ファイナルに入り、各国リーグも残り数試合、マンUはモイーズ解任と、いよいよ海外サッカーの今シーズンも大詰めですね。ということは、いよいよブラジルW杯ですね。
そろそろW杯気分を盛り上げるためにブラジル作品を多めに取り上げようかな?
今回はソウルフル&メロウなサンバ作品Djalma Dias『Destaque』(1973年)です。
正直、ブラジル人男性サンバ・シンガーDjalma Diasの経歴については、あまりよく知りません。60年代からテレビ・ドラマ等のサウンド・トラックで活躍し、その中でMarcos Valleと出会い、彼の後押しでSom Livreとの契約に成功し、本作『Destaque』(1973年)と『Nao Faca Drama...Caia no Samba』(1974年)という2枚のアルバムをリリースしている・・・こんなところでしょうか。
Nicola Conteがコンパイルする人気コンピ『Viagem』シリーズの中で取り上げられるなど、近年再評価が高まっているサンバ・シンガーです。
本作『Destaque』はソウルフルなDjalmaのヴォーカルを堪能できるサンバ作品です。クラシカルなサンバとモダンなサンバが同居している感じがいいですね。
個人的にはMarcos Valle、Antonio Carlos E Jocafi、Antonio Adolfoといったメロディ・メーカー達の作品を取り上げたメロウ・サンバが特にお気に入りです。ただし、クラシカルなサンバ・チューンも開放的で実に心地好く聴くことができます。Walter Brancoによるアレンジの妙も目立ちます。
ソウルフルなサンバづくしを堪能しましょう!
全曲紹介しときやす。
「Saudades De La」
Jose Reis/Paraguassu作。オープニングは開放的でトラディショナルなサンバです。
「Menino Levado」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。DjalmaのでデビューをバックアップしたMarcos Valle作のメロウ・チューン。ブラジル最高のメロディ・メーカーによる素敵なメロディをソウルフル・ヴォーカルで見事に歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=_RRIj4uOics
「Dono De Casa, Boa Noite」
Vidal Franca作。本作らしいハッピー・モードの仕上がり。軽快なリズムにのってDjalmaが気持ちよさそうに歌います。
http://www.youtube.com/watch?v=iy-0Y025J6E
「As Moca」
Antonio Carlos/Jocafi作。Antonio Carlos E Jocafi作によるモダンなメロウ・チューンからポジティヴなヴァイヴが伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=86TC3BfBggo
「So Lagrimas」
Silvinho do Pandeiro/Almir de Oliveir作。しっとりとした疾走感にグッときる大人のメロウ・サンバ。サンバのリズム、Djalmaのヴォーカルとコーラス隊、素敵なオーケストレーションが見事に一体化しら素晴らしい仕上がりです。
「Num Arredo O Pe」
Ze do Maranhao作。ヴィオランの素敵な響きが先導するトラディショナルなサンバ・チューン。自然体のサンバDNAのようなものが伝わってくるのがいいですね。
「Tocar Na Banda」
Adoniran Barbosa作。歓喜のサンバ・チューン。人生はカーニヴァル!といった生きる喜び、前向きな気持ちが喚起される至極のサンバです。
「O Galo Cantou」
Antonio Adolfo作。メロウ・ボッサ好きにはグッとくる仕上がり。終盤のテンポアップでも盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=P_ngbWZuboI
「Marina, Marina」
Antonio Carlos/Jocafi/Ildasio Tavares作。これも素敵なメロウ・サンバです。個人的には本作で一番のお気に入りです。もっと長尺で聴きたい!
https://www.youtube.com/watch?v=SbM5_Ocg-y8
「De Ontem Pra Hoje」
J. Jolibra作。哀愁モードのジャズ・サンバかな?と思いきや、徐々に景色がポジティヴになってくる感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ePofSbYbDzk
「Desgruda」
Djavan作。これも大好き!Djavan作品を実にモダンなアレンジで聴かせてくれます。爽快に弾ける感じが涼しげでいいですね。
「Minha Serenata」
Johnny Alf作。ラストは哀愁のブラジリアン・ソウル。美しいも切ないメロディを憂いを帯びたヴォーカルでDjalmaが歌い上げます。
『Nao Faca Drama...Caia no Samba』(1974年)