発表年:1975年
ez的ジャンル:名うてのミュージシャン系ジャズ・ファンク
気分は... :弱肉強食!
今回はHerbie Hancockのバッキングがきっかけで結成されたジャズ・ファンク・ユニットThe Headhuntersの1stアルバム『Survival of the Fittest』(1975年)です。
レア・グルーヴやHip-Hop方面でも人気のアルバムですね。
The Headhuntersは、Herbie Hancockの大ヒット・アルバム『Head Hunters』(1973年)のレコーディングに参加したPaul Jackson(b、vo)、Bennie Maupin(sax、cla、p、vo)、Bill Summers(per、vo)に、Blackbyrd McKnight(g、vo)、Mike Clark(ds、vo)を加えたグループ。
グループは『Survival of the Fittest』(1975年)、『Straight From the Gate』(1977年)という2枚のアルバムをリリースし、その後リユニオンして『Return of the Headhunters』(1998年)、『Evolution Revolution』(2003年)、『On Top - Live In Europe』(2008年)といったアルバムをリリースしています。
『Head Hunters』のレコーディングを契機に、よりファンク度の強いサウンドを志向して結成されたユニットらしく、1stアルバムとなる本作には重くうねるファンク・グルーヴが満載です。『Head Hunters』との差異を図るためか、キーボードを入れていない編成が特徴です。その分、Blackbyrd McKnightのエフェクティヴなギターが目立っているのがいいですね。
ジャズ・ファンク名曲あるいはHip-Hop定番ブレイクとしても人気のある「God Make Me Funky」が本作のハイライトですが、アフリカン・リズムで高揚する「Here And Now」 、エレクトリック・マイルス的な展開が魅力の「Daffy's Dance」、コズミック&スピリチュアルな「Rima」、ダーク&へヴィなファンク「If You've Got It, You'll Get It」あたりも聴き応え十分です。
グループの成り立ちの経緯からか、Herbie Hancockが共同プロデューサーとして名を連ねています。レコーディングにはHarvey Mason(per)、Pointer Sisters(vo)、Joyce Jackson(fl)等がゲスト参加しています。
へヴィにうねるジャズ・ファンクは、かなりハマります!
全曲紹介しときやす。
「God Make Me Funky」
本作のキラー・チューンといえば、このジャズ・ファンク名曲でしょう。Mike Clarkのドラム・ブレイクから始まり、そこにBill SummersのパーカッションとBlackbyrd McKnightのギター、さらにはPaul Jacksonのベース&ヴォーカルが重なっていくイントロが格好良すぎです。中盤のBennie Maupinのテナー・ソロも快調です。Pointer Sistersがバック・コーラスで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=5c5KXUNvCpc
本曲といえば、人気コンピ『Ultimate Breaks & Beats』収録曲としてもお馴染みの大定番サンプリングソースです。ざっと数えただけでも130曲以上でMike Clarkのドラム・ブレイクがサンプリングされています。主な使用曲を挙げると、The Fantastic Five「The Gusto Is Going Home With Me / Freestyling」、Steady B「Bring the Beat Back」、Krown Rulers「Kick the Ball」、N.W.A「Gangsta Gangsta」、「Sa Prize (Part 2)」、「Approach to Danger」、Biz Markie「Albee Square Mall」、Eric B. & Rakim「To the Listeners」、Jungle Brothers「Braggin & Boastin」、DJ Jazzy Jeff & the Fresh Prince「As We Go」、」Digital Underground「Underwater Rimes」、J.J. Fad「Let's Get Hyped」、De La Soul「Take It Off」、Soul II Soul「Feeling Free (Live Rap)」、D-Nice「Get in Touch With Me」、The Brand New Heavies & Masta Ace「Wake Me When I'm Dead」、WC & the Maad Circle feat. J-Dee & MC Eih「You Don't Work, U Don't Eat」、Common「Pitchin' Pennies」、Redman「Da Funk」、Jomanda「I Like It」、Depeche Mode「Mercy in You」、Toni Braxton「How Many Ways」、Digable Planets「Dog It」、Dred Scott「Back in the Day」、Coolio「Bright as the Sun」、Fugees「Ready or Not」、Thievery Corporation「2001 Spliff Odyssey」、Hocus Pocus「7 Fa 7」、Usher「U-Turn」、Nas feat. Will.i.am「Hip Hop Is Dead」、Ryan Leslie「Just Right」等です。
「Mugic」
アフリカン・リズムを前面に押し出したトライバルな仕上がり。特に終盤はかなりエキサイティング。本作におけるアフリカ回帰路線を実感できます。
http://www.youtube.com/watch?v=7lMrGsNHsjs
「Here And Now」
Joyce Jacksonがフルートで参加。本作もアフリカ路線のリズムで疾走するファンキー・チューンです。中盤以降のトライバルな高揚感はかなり僕好み!Paul Jacksonの腹に響くベースやBlackbyrd McKnightのエフェクティヴなギターがいいですね。Bennie Maupinもフリーキーなプレイで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZpNpxFuCLJU
「Daffy's Dance」
エレクトリック・マイルスあたりと一緒に聴きたくなる、黒いファンク・グルーヴ。Blackbyrd McKnightのギターにしびれます。
http://www.youtube.com/watch?v=MQBX0ngnQUk
「Rima」
この曲もJoyce Jacksonがフルートで参加。幻想的なコズミック・スピリチュアル・ファンクです。実に立体的な音空間に引き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=iPW8B_DBOVQ
「If You've Got It, You'll Get It」
個人的には一番のお気に入り。このユニットのファンクネスが存分に伝わってくるダーク&へヴィ&トライバルなファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Sz4kUvHAIBg
この曲もサンプリングソースとして人気です。Seeborn & Puma「They Call Me Puma」、Mellow Man Ace「Talkapella」、Blade「Lyrical Maniac」、Donald D「Another Night in the Bronx」、Willie D「Kick That S....」、Shazzy「Giggahoe」、Boogie Down Productions「Ruff Ruff」、Little Shawn「Funky, Funky Rhymes」といった楽曲でサンプリングされています。また、Jestofunkがカヴァーしています。
The Headhuntersの他作品もチェックを!
『Straight From the Gate』(1977年)
『Return of the Headhunters』(1998年)
『Evolution Revolution』(2003年)
『On Top - Live In Europe』(2008年)