2014年06月09日

Joao Donato『A Bad Donato』

バッド・モードのDonatoによる凄まじいブラジリアン・レア・グルーヴ☆Joao Donato『A Bad Donato』
Bad Donato
発表年:1970年
ez的ジャンル:ブラジリアン・レア・グルーヴ
気分は... :いよいよW杯開幕ウィーク!

いよいよ今週はW杯開幕ウィークですね。
今から待ち遠しい!同時にW杯を楽しむために、出場各国の主要メンバーのおさらいをしっかりしておきたいですね。

今週からW杯終了までは、ブラジルW杯モードでブラジルものや出場国の作品を多めに紹介したいと思います。

今回はブラジル音楽界を代表するキーボード奏者/コンポーザー/アレンジャーJoao Donatoが1970年にリリースした『A Bad Donato』です。

Joao Donatoの紹介は、初のヴォーカル作品『Quem e Quem』(1973年)に続き2回目となります。

L.A.録音の本作は、一部の盤には"Joan Donato's psychedelic funky experience"という表記があるように、サイケでファンキーなクロスオーヴァー/フュージョンの先駆け的な内容です。多くの人が思い描く爽快イメージのJoao Donatoサウンドとは対極的な音を聴ける異色作であり、アルバム・タイトルもそのあたりを意識したのかもしれませんね。

今日ではブラジル音楽ファンのみならず、レア・グルーヴ方面からの評価も高く、『Rare Groove A to Z』にも掲載されています。

レコーディングにはDom Um Romao(ds)、Oscar Castro-Neves(g)、Paulinho Magalhaes(ds)等のブラジル人ミュージシャンや、Ernie Watts(reeds)、Bud Shank(fl)等のUSジャズ・ミュージシャンが参加しています。また、Eumir Deodatoがホーン・アレンジが参加しています。

ちょっと悪顔でポーズをキメるジャケのDonatoの表情をそのまま音にしたような、不気味な空気の漂うブラジリアン・クロスオーヴァー/フュージョンを堪能しましょう。

楽曲はすべてDonato作品であり、オープニングの「The Frog」以外は本作のために書きおろした新曲です。

全曲紹介しときやす。

「The Frog」
名曲「A Ra(The Flog)」をアッパーなサイケ&ファンキー・グルーヴで聴かせてくれます。Sergio Mendes & Brasil '66のカヴァーや『Quem e Quem』の歌ヴァージョンを聴き慣れていると、本ヴァージョンが「A Ra(The Flog)」だと気づかないかもしれません。Eumir Deodatoのホーン・アレンジも冴える格好良いグルーヴィー・サウンドに本作の魅力が凝縮されていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=anai2-lTlk4

「Celestial Showers」
躍動するラテン・リズムにグッとくる1曲。グルーヴィーなDonatoのキーボードも存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=kbpdNtMTIq0

「Bambu」
妖しげに弾けるラテン・ファンクといった仕上がり。妖しげなキーボードの響きとパーカッシヴなリズムと軽快なホーン隊のバランスが絶妙です。
http://www.youtube.com/watch?v=VyFmf8OMa1Y

「Lunar Time」
アルバムで一番サイケ色が強い演奏かもしれません。妖しげなグルーヴ感が体内を駆け巡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=ZdpBR2cN5xs

「Cade Jodel? (The Beautiful One) 」
『Quem e Quem』にも収録されている楽曲です。アルバムの中では最もポップで聴きやすい演奏かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=XlJtInhjGDU

「Debutante's Ball」
僕の一番のお気に入り。カオス感のあるサイケなブラジリアン・グルーヴを楽しめます。、エレクトリック・マイルスに通じる高揚感を包まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=XaKZFkesi84

「Straight Jacket」
振り切った感じのDonatoのマッドなキーボードの響きがたまりません。ロッキン・モードのDonatoを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=UyPbs_QITGE

「Mosquito (Fly)」
ファンキーな疾走感にシビれます。サンバ・リズムにのったグルーヴィー・サウンドはレア・グルーヴで再評価されるのも頷けます。
http://www.youtube.com/watch?v=DdDxisjk3Ts

「Almas-Irmas」
ラウンジ・ポップを思い切り、ファンキー&パーカッシヴにしたような躍動感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=UjhUqV_II0g

「Malandro」
ラストはクールな格好良さが漂うクロスオーヴァー・チューンで締め括ってくれます。Eumir Deodatoがホーン・アレンジもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=lCzi27dI0g8

Joao Donatoの他作品もチェックを!

『Muito A Vontade』(1962年)
Muito a Vontade

『A Bossa Muito Moderna De Donato E Seu Trio』(1963年)
A Bossa Muito Moderna de Donato

『The New Sound of Brazil』(1965年)
ニュー・サウンド・オブ・ブラジル

『Sambou, Sambou』(1965年)
Sambou Sambou

『Donato Deodato』(1969年)
ドナート/デオダート

『Quem e Quem』(1973年)
ケン・エ・ケン

『Lugar Comum』(1975年)
ルガール・コムン

小野リサ『Minha Saudade』(1995年)
サウダージ

Wanda Sa/Joao Donato『Wanda Sa com Joao Donato』(2003年)
Wanda Sa com Joao Donato

Joyce Moreno Feat. Joan Donato『Aquarius』(2009年)
アクエリアス

『Sambolero』(2010年)
Sambolero
posted by ez at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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