発表年:2007年
ez的ジャンル:新世代サンバ系女性シンガー
気分は... :W杯遂に開幕!
いよいよW杯が開幕ですね。
でも、イマイチ周囲が盛り上がっていない?
やはり、日本の初戦にならないとW杯気分にならないんですかね?
いや、そんなことはない!と無理矢理気分を盛り上げたいと思います。
開催国ブラジルは開幕戦でどんなサッカーを魅せてくれるのか?
でも意外にクロアチアが善戦する気もします(善戦なんて言い方はクロアチアに失礼かな)・・・
W杯開幕に合わせた1枚としてセレクトしたのは、ブラジルの新世代女性シンガーRoberta Saの2ndアルバム『Que Belo E Estranho Dia Pra Se Ter Alegria(邦題:なんて奇妙で素敵な一日)』(2007年)です。
Roberta Saは1980年、ブラジル北東部リオグランデ・ド・ノルテ州ナタール生まれの女性シンガー。
2005年にアルバム『Brasileiro』で彗星の如くデビューし、次世代の女性サンバ・シンガーとして一躍注目を浴びました。その後ろ盾となったPedro Luisは彼女の公私のパートナーです。Pedro LuisはPedro Luis e a Paredeとして90年代から活躍している新世代のブラジル人ミュージシャンです。
その後、2007年に2ndアルバムとなる本作『Que Belo E Estranho Dia Pra Se Ter Alegria』、2012年に3rdアルバム『Segunda Pele』(2012年)をリリースしています。また、 Roberta Sa e Trio Madeira Brasil名義で『Quando o Canto e Reza』(2010年)もリリースしています。
その美貌と素敵な歌声で魅了する新世代女性シンガーですね。
僕も本作は音以前にジャケを見た瞬間に絶対買いだと思いました。
古き良きサンバの伝統を受け継ぎつつ、エレクトロやスクラッチなどのモダンなエッセンスを巧みに織り交ぜているあたりが新世代サンバたる所以でしょうね。そんなサウンド創りに大きく貢献しているのがプロデュース&アレンジを務めるRodrigo Campelloです。
レコーディングには、Roberta Sa(vo)、Rodrigo Campello(g、b、key、per、prog)、Pedro Luis(vo)をはじめ、Marcos Suzano(per、prog)、Armando Marcal(per)、Junior Tostoi(g)、Marcelo Caldi(p)、Eduardo Neves(ts、fl)、Jovi Joviniano(scratches、per)等が参加しています。
また、ゲストとして、Lenine(vo)、Hamilton de Holanda(bandolim)、Carlos Malta & Pife Muderno(fl)、Zeda Velha(tb)、Silverio Pontes(tp)がクレジットされています。
素敵なジャケ同様、光り輝くRoberta Saの魅力を余すことなく堪能できる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「O Pedido」
Junio Barreto/Jam da Silva作。プロローグ的なオープニング。ノスタルジックな雰囲気の中に薄っすらと今日的なエッセンスを加えているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=uhcsa8NYI7U
「Alo Fevereiro」
Sidney Miller作。ノスタルジックなのにモダン!という本作らしいサウンドにのって、Robertaが華やかなヴォーカルを聴かせてくれます。聴いているだけで開放的な気分になります。
http://www.youtube.com/watch?v=4XOZjpgsfM0
「Interessa?」
Carvalhinho作。スクラッチ音とサンバ・リズムが違和感なく馴染んでいるのがいいですね。開放的な雰囲気の中でRobertaのヴォーカルが輝きます。ゲストのZeda Velha(tb)、Silverio Pontes(tp)によるホーン・アンサンブルも絶妙です。
http://www.youtube.com/watch?v=EsNjA_JIpVE
「Mais Alguem」
Moreno Veloso/Quito Ribeiro作。Domenico、Kassinとの活動でもお馴染みのブラジル新世代ミュージシャンMoreno Veloso(Caetano Velosoの息子)の作品。エレクトロニカ・ラウンジ調のサウンドはかなり僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=kmemC5G_KmU
「Janeiros」
Pedro Luis/Roberta Sa作。夫Pedro LuisとRobertaの共作。哀愁モードのヴィオランの調べにのって、Robertaの憂いを帯びたヴォーカルを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=NJeWG-Ig0C4
「Fogo e Gasolina」
Pedro Luis/Carlos Renno作。ゲスト・ヴォーカルにLenineを迎えています。Lenineに相応しく、プログラミングを交えたモダンなサウンドで疾走します。そんな中でアコ―ディオンの音色がいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=_Z__baz3a04
「Belo Estranho Dia De Amanha」
Lula Queiroga作。タイトル曲は美しいボッサ・チューン。メロウ好きにの人にはたまりません。 Marcos Suzanoのリズムは全体を引き締めてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=nbJLNqiSuJ4
「Cansei De Esperar Voce」
Dona Ivone Lara/Delcio Carvalho作。Grupo Fundo de Quintal & Dona Ivone Laraで知られる楽曲。ここではRodrigo Campelloの美しいアレンジが絶品です。胸キュンなRobertaのヴォーカルも含めてロマンティックな気分に浸りたい時にはピッタリです。
http://www.youtube.com/watch?v=D43X-ApuJ1w
「Laranjeira」
Roque Ferreira作。Hamilton de Holandaのバンドリンも加わった軽快な仕上がり。懐かしいのに古臭くないのが本作らしいところ。夫Pedro Luisもコーラスで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=oPqRRvkCCWg
「Samba De Amor e Odio」
Pedro Luis/Carlos Rennos作。哀愁モードで疾走するサンバ・チューン。哀愁のメロディを艶やかに歌うRobertaにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=sdOlwMsWo7c
「Novo Amor」
Edu krieger作。本編のラストHamilton de HolandaのバンドリンとRobertaの歌のみでしっとりと締め括ってくれます。Hamilton de Holandaの哀愁のバンドリンが素敵です。
http://www.youtube.com/watch?v=vlHcojbSi8E
ここからの2曲はボーナス・トラックです。
「Samba De Um Minuto」
Rodrigo Maranhao作。Rodrigo MaranhaoはMaria Rita「Caminho das Aguas」で第7回ラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞を受賞した新世代SSWです。この曲も素敵な哀愁サンバです。Rodrigo Campelloによる現代的なスパイスの効かせ方もグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=RgdWhq3x-Ps
「Girando Na Renda」
Pedro Luis/Sergio Paes/Flavio Guimaraes作。夫Pedro Luisとのデュエットによる哀愁サンバ。Carlos Malta & Pife Mudernoもゲストとして素敵なフルートを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=PerMfVJgGuY
Roberta Saの他作品もチェックを!
『Brasileiro』(2005年)
『Segunda Pele』(2012年)
Roberta Sa e Trio Madeira Brasil『Quando o Canto e Reza』(2010年)