発表年:2014年
ez的ジャンル:Gilles Peterson系ブラジリアン・プロジェクト
気分は... :いざコートジボワール戦!
いよいよ今日は日本代表のW杯初戦、対コートジボワール戦です。
ど素人の僕の勝手な先発予想は、以下の通りです。
GK:川島
DF:長友、吉田、森重、内田
MF:山口、長谷部、香川、本田、岡崎
FW:柿谷
遠藤、大久保はスーパーサブということで・・・
個人的には長友、内田の両サイドバックの働きが勝敗の鍵を握っていると思います。
間違いなくコートジボワールは日本以上にタレントが揃っているチームですが、何となく日本のマスコミはコートジボワール戦を楽観視しているような気がしますね。今回の日本代表は歴代最強のチームであると思いますが、それはコートジボワールにも言えることだと思います。
勿論、日本が勝利することを願いますが、それ以上にコートジボワールという強敵相手にザック流攻撃サッカーを貫くことができるか、という点でこの4年間の日本サッカーの成長を実感したいですね。
今から気分が高揚しています!
今回は新作の中からW杯モードに相応しい1枚、Gilles Petersonが新たにスタートさせたブラジリアン・プロジェクトSonzeiraのアルバムGilles Peterson presents:Sonzeira『Brasil Bam Bam Bam』です。
ブラジリアン・プロジェクトSonzeiraは、世界中の音楽ファンから絶大な人気を誇るDJであるGilles Petersonがリオ・デ・ジャネイロに渡り、ブラジルの新旧ミュージシャンとのセッションで完成させた作品です。
Gilles Petersonと共にプロデュースを務めるのが、Demus(Dillip Harris)とEarl Zinger(Rob Gallagher)によるユニット2bo4(Two Banks Of Four)、Floating PointsことSam Shepherdという2組のUK先鋭アーティスト/プロデューサーと、Domenico、Moreno Veloso(Caetano Velosoの息子)との + 2プロジェクトで知られる気鋭のブラジル人ミュージシャンAlexandre Kassinです。
アルバムには多数の新旧ブラジル人ミュージシャンがフィーチャーされています。Nana Vasconcelos、Elza Soares、Wilson Das Neves、Seu Jorge、Nina Miranda、Emanuelle Araujo、Chico Chagas、Arlindo Cruz、Marcos Valle、Patricia Alvi、Mart'nalia、Gabriel Moura、Lucas Santtanaといった面々です。
それ以外にナイジェリア人のSeun Kuti、オランダ人のGiovancaもフィーチャーされています。
さらにSki Oakenfull、Valerie Etienne、Bembe Segue、Sean O'Hagan(High Llamas)、Armando Marcal等のミュージシャンがサポートしています。
Gilles Petersonらしく、この1枚の中でブラジル音楽の幅広い魅力を上手に凝縮させています。
本作は久々のTalkin’Loudからのリリースとなります。
Sonzeira『Brasil Bam Bam Bam』Album Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=q9Wn90kOUa8
ブラジルW杯気分を盛り上げるのにピッタリな1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Where Nana Hides」
Nana Vasconcelos作。作者でもあるブラジルが世界に誇る奇才パーカッション奏者Nana Vasconcelosと故Fela Kutiの息子であり、現行アフロビートを牽引するSeun Kutiをフィーチャー。奇才Nanaによる呪術的なアフロ・ブラジリアン・リズムが独特の音空間へ誘います。
「Nana」
Clovis Mello/Moacir Santos/Mario Telles作。Moacir Santosでお馴染みの名曲をカヴァー。ベテランのブラジル人ドラマー/ヴォーカリスト/パーカッショニストWilson Das Nevesとブラジルの大御所女性サンバ・シンガーElza Soaresをフィーチャー。序盤はElzaが70代後半ならではの味わいがある枯れたヴォーカルを聴かせてくれます。「Where Nana Hides」同様に呪術的な中盤を経て、後半は情熱的に弾けたアフロ・ブラジリアン・リズムで盛り上げてくれます。
「Sambaio」
Robert Gallagher/Dilip Harris/Seu Jorge/Gilles Peterson作。俳優/ミュージシャンとして高い人気を誇るブラジル人アーティストSeu JorgeとChris FranckとのユニットChris & Nina、Zeep、Smoke Cityでも知られるロンドン在住のブラジル人女性シンガーNina Mirandaをフィーチャー。開放的なサンバ・リズムで埋め尽くされたダンサブルな仕上がり。Gilles Petersonのブラジリアン・プロジェクトということであれば、こういった曲を期待している人が多いのでは?
「Brasil Pandeiro」
Assis Valente作のサンバ名曲をカヴァー。女優兼シンガーEmanuelle Araujo、アコーディオン奏者Chico Chagas、カヴァキーニョ奏者Arlindo Cruz
Sonzeiraをフィーチャーしています。Emanuelle Araujoの艶やかヴォーカル、Arlindo Cruzの激シブ・ヴォーカルと軽快なカヴァキーニョ、Chico Chagasの気の効いたアコーディオンが織り成す素敵なサンバ・チューンです。古き良きサンバの魅力を余すことなく伝えてくれます。
「Xibaba (She-ba-ba)」
Airto Moreira作品をカヴァー。オリジナルは『Natural Feelings』(1970年)に収録されています。当ブログではDonald Byrd、Cal Tjaderのカヴァーを紹介済みです。ここではEmanuelle AraujoとChico Chagasを再びフィーチャーし、オリジナルの雰囲気を受け継いだカヴァーに仕上げています。Emanuelle AraujoがFlora Purim役でキュートなスキャットを聴かせてくれます。Chico Chagasのアコーディオンがとてもいいアクセントになっています。
Airto Moreira「Xibaba」
http://www.youtube.com/watch?v=fDFe_zYZJKw
「America Latina」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcosが自身の作品をMarcos作品ではお馴染みの女性シンガーPatricia Alviと共にセルフ・カヴァー。ポップでキャッチーなメロウ・サンバ調の仕上がりです。
「Southern Freeez」
アルバムからの先行シングル。Peter Maas/John Rocca/Andy Stennett作。UKのジャズ・ファンク・ユニットFreeezのヒット曲のカヴァーです。オリジナルは『Southern Freeez』(1981年)に収録されています。Emanuelle Araujoが3度目の登場です。UKクラブミュージックらしいクールなボッサ・グルーヴに仕上がっています。Sabrina Malheirosあたりのニュー・ボッサ好きの人であれば気に入るはずです。
Freeez「Southern Freeez」
http://www.youtube.com/watch?v=byDRYI86cck
「The Mystery Of Man」
Francy Boland/Gene Lees作のスタンダードをカヴァー。有名サンバ・ミュージシャンのDNAを受け継ぐ女性シンガーMart'nalia と2度目の登場となるNina Mirandaをフィーチャー。ニュー・ボッサ調のメロウ・チューンに仕上がっています。Sean O'Haganなども参加し、なかなか凝った音創りで楽しませてくれます。
「Aquarela Do Brasil」
Ary Barosso作。お馴染みの名曲「ブラジルの水彩画」をカヴァー。当ブログではOriginal Soundtrack『Brazil』、Elis Reginaのカヴァーを紹介済みです。ここでは再びElza Soaresをフィーチャーし、激シブの「ブラジルの水彩画」を聴かせてくれます。Sean O'Haganの素敵なストリングス・アレンジもグッド!
「Estrelar」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle/Leon Ware作。再びMarcosがPatricia Alviと共に登場。Marcosのオリジナルは『Marcos Valle』(1983年)に収録されています。洗練されたブラジリアン・フュージョン調のセルフ・カヴァーに仕上がっています。Patricia Alviのセクシー・ヴォーカルにグッときます。個人的にはかなりのお気に入りです。
「Um Toque」
Robert Gallagher/Dilip Harris/Gabriel Moura/Gilles Peterson作。有名なサンバ・ミュージシャン/シンガーであるPaulo Mouraの甥であり、Seu Jorgeと共にミクスチャー・バンドFarofa Cariocaを組んでいたことでも知られるGabriel Mouraをフィーチャー。Kassinを中心にとするバック陣が陽気でモダンなブラジリアン・サウンドで楽しませてくれます。
「Bam Bam Bam」
Robert Gallagher/Dilip Harris/Seu Jorge/Gilles Peterson/Simbad Stanislas作。タイトル曲といえる本曲はファッション・モデルとして活躍していたオランダの黒人女性シンガーGiovancaとSeu Jorgeをフィーチャー。アッパーなサンバ・グルーヴで突っ走る様は、このプロジェクトに相応しい仕上がりだと思います。W杯モードで盛り上がるのにピッタリな曲ですよ!
「City Of Saints」
Robert Gallagher作。ラストは Nina Miranda/Lucas Santtana/Earl Zinger(Rob Gallagher)をフィーチャー。Lucas Santtanaは、当ブログでも紹介したブラジリアン・エクスペリメンタル作品『Sem Nostalgia』(2009年)で一躍注目を浴びたアーティストです。そのLucas Santtana参加曲らしく、エクスペリメンタルな雰囲気な雰囲気で締め括ってくれます。
僕が保有するのは通常盤(輸入盤)ですが、国内盤デラックス・ヴァージョンには、さらに「Ele e Ela」 (feat. Marcos Valle)、「The Plum Blossom」 (feat. Nana Vasconcelos & Finn Peters)、「Southern Freeez (Dub)」、「Um Toque (Alternative Version)」、「Brasil Bam Bam Bam (The Story of Sonzeira) [video]」が追加収録されています。
日本、コートジボワールと同じグループCの「コロンビア対ギリシャ」はコロンビアが3対0で快勝しました。コロンビアが強かったのか、ギリシャが脆かったのかが、よくわからない試合でしたね。いずれにしても、これでギリシャは次戦の日本戦は勝ち点3狙い必須ですね。できれば、コートジボワール戦で少なくとも勝ち点1以上を獲得し、精神的に優位な状況でギリシャ戦に臨んで欲しいですね。