2014年06月17日

Airto『Free』

RTFメンバーをはじめ豪華メンバーが参加したブラジリアン・クロスオーヴァー☆Airto『Free』
Free
発表年:1972年
ez的ジャンル:ブラジリアン・クロスオーヴァー
気分は... :グループGも面白い・・・

サッカーW杯、今日も楽しみですね。

今日はドイツ、ポルトガル、ガーナ、アメリカのいるグループGの試合が中心ですが、グループGはグループDに続く激戦区ですね。特に今日はグループの本命対決「ドイツ対ポルトガル」、ここ数大会の因縁の対決「ガーナ対アメリカ」という興味深い対戦が続きます。個人的にはアメリカの出来がこのグループの鍵を握っている気がします。

今回はブラジル人ドラマー/パーカッション奏者Airto Moreiraが1972年にリリースした『Free』です。

これまで当ブログで紹介したAirto Moreira作品は以下の5枚。

 『Fingers』(1973年)
 『Identity』(1975年)
 『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
 『Touching You...Touching Me』(1979年)
 『Samba de Flora』(1988年)

『Free』はAirtoの3rdアルバムであり、CTI移籍第一弾アルバムとなります。

プロデューサーはCreed TaylorDon Sebeskyがアレンジャーを務めています。

レコーディングには、Airto Moreira(per、vo)、Hubert Laws(fl)、Joe Farrell(ss、fl、piccolo)、Chick Corea(p、el-p)、Keith Jarrett(p)、Nelson Ayres(el-p)、Jay Berliner(g)、George Benson(g)、Ron Carter(b)、Stanley Clarke(el-b)、Flora Purim(vo)、Michael Brecker(ts)、等が参加しています。

Airtoも参加していたChick Corea率いるReturn To Forever(RTF)のメンバーが集結しているのが印象的です。また、Keith Jarrettが参加している3曲は彼のピアノが存在感を示しています。

アルバムを象徴するのは「Return to Forever」「Flora's Song」といったRTFの流れを汲む幻想的な曲やアフロ・ブラジリアン調のタイトル曲ですが、エレガントな「Lucky Southern」、心地好い「Creek (Arroio)」も僕は大好きです。

また、CDには3曲のボーナス・トラックが追加収録されており、これらが結果としてアルバム構成をバランス良くしていると思います。

ジャズ/クロスオーヴァーとブラジル音楽を見事に融合させた素晴らしいAirtoワールドを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Return to Forever」
Chick Corea作。RTFの1stアルバム『Return To Forever』(カモメ盤)(1972年)にも収録されていたお馴染みの1曲。カモメ盤のレコーディングから間もない時期のレコーディングであり、ChickをはじめとするRTFのメンバーが参加していることから、自ずとカモメ盤のサウンドを受け継いだものになっていますが、ここでは主役のAirtoが目立つよりパーカッシヴなブラジリアン・フュージョンに仕上がりとなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=xBw1TCIoVyI

「Flora's Song」
Flora Purim作。タイトルからしてFloraのヴォーカルをフィーチャーした曲かと思いきやインストでした。厳かながらもエキサイティングなこの演奏の主役はKeith Jarrettのピアノですかね。それ以外にHubert LawsのフルートやJay Berlinerのスパニッシュ調のギターも目立っています。幻想的で美しい音世界に惹き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=siwbMYBguuI

「Free」
Airto Moreira作。タイトル曲はアフロ・ブラジリアン調の土着的な音世界が展開されます。地味ですが結構好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=nrTYToJ_vdo

「Lucky Southern」
Keith Jarrett作。あっという間に終わってしまいますが、かなり好きです。作者Keith Jarrettのエレガントなピアノ・タッチが牽引する爽快な仕上がり。
http://www.youtube.com/watch?v=op2hsKPdtsw

「Creek (Arroio)」
Victor Brazil作。ラストは軽快に疾走するブラジリアン・ジャズ。Joe Farrellの軽やかなサックス、弾けるブラジリアン・リズム、メロウなエレピが実に心地好いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AjR_yHJS2pQ

さらにCDには以下の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「So Tender」
Keith Jarrett作。エレガントでリリカルなKeith Jarrettのピアノに惚れ惚れします。涼しげなフルートやGeorge Bensonのギター・ソロもいい感じです。

「Jequie」
Moacir Santos作。ジャズ・サンバ調の爽快クロスオーヴァー。涼しげな雰囲気がグッド!

「Creek (Arroio) [Altenate Version]」
「Creek (Arroio)」の別テイクです。

Airto Moreiraの過去記事もご参照下さい。

『Fingers』(1973年)
フィンガーズ

『Identity』(1975年)
アイデンティティー

『I'm Fine, How Are You?』(1977年)
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?(紙ジャケット仕様)

『Touching You...Touching Me』(1979年)
Touching You...Touching Me

『Samba de Flora』(1988年)
Samba de Flora
posted by ez at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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