発表年:2014年
ez的ジャンル:イタリア発ジャジー&ソウル・ヴォーカル作品
気分は... :全26曲の紹介は大変です(泣)
今回は、ここ数年の当ブログのイチオシであるイタリア人アーティストPapikの最新作『Sounds for the Open Road』です。
結構前に購入したのですが、W杯でイタリアが勝ち残ることを想定し、良きタイミングで紹介しようと思っていたら、イタリアがGLで敗退したため、機を逸していました。
イタリア人キーボード奏者/コンポーザー/アレンジャーPapikことNerio Poggiについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。
『Rhythm of Life』(2009年)
『Music Inside』(2012年)
『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』(2013年)
最新作となる『Sounds for the Open Road』はCD2枚組という力作です。Disc1にはJazzy Lane、Disc2にはSoul Laneとネーミングされています。特にDisc2のSoul Laneに本作の特徴があるのではないかと思います。
従来からのPapikサウンドを楽しめるDisc1、アーバンなメロウ・ソウルを楽しめるDisc2といった感じですかね。
全曲シンガーがフィーチャーされ、アルバムには多彩なシンガーが参加しています。Ely Bruna、Alan Scaffardi、Francesca Gramegna、Tom Gaebel、Alessandro PitoniといったPapik作品でお馴染みの顔ぶれや、Matt BiancoのMark Reilly、USソウル・シンガーFrank McCombといった注目アーティスト、それ以外にもWalter Ricci、Simona Bencini、Sarah Jane Morris、Andreas Aleman、Dario Daneluz、Frankie Lovechio、Erika Scherlin、Wendy Lewisといったシンガーが参加しています。また、Fabrizio Bosso(tp)等がバックで参加しています。
全26曲という聴き応え十分の作品です。約2/3がオリジナル、約1/3がカヴァーという構成です。
とりあえずSoul Laneの「Special Love」、「When You Meet Somebody」、「Can't Get Enough Of Your Love」あたりを聴いて、気に入ったならば買いだと思います。
色々な意味で重宝する1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
Disc1:Jazzy Lane
「Tender Lies」
Ely Brunaの女性ヴォーカルをフィーチャー。オープニングはPapikらしくスタイリッシュなジャズ・ボッサ。Ely BrunaがいつものPapik作品のように素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。
「My Sharona」
当ブログでも紹介したThe Knackの全米No.1大ヒット・シングルをカヴァー(Doug Fieger/Berton Averre作)。意外な選曲ですが、Walter Ricciの男性ヴォーカルをフィーチャーし、Papikらしい「My Sharona」を聴かせてくれます。
「Cuore Cosa Fai (Anomino Veneziano)」
Stelvio Cipriani/Luciano Beretta作。1970年のイタリア映画『Anomino Veneziano(邦題:ベニスの愛)』の主題歌をカヴァー。Francesca Gramegnaの女性ヴォーカルをフィーチャーし、実にロマンティックなカヴァーに仕上げています。前作『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』の成果がここにも反映されています。
「I Will Walk Away」
Ely Brunaをフィーチャー。スタイリッシュな疾走感とムーディーな雰囲気を併せ持つPapikの進化を感じさせる仕上がり。Ely Brunaの確かなヴォーカルがあってこそ、こういったサウンドが活きるのでしょうね。Fabrizio Bossoのトランペットもキマっています。
「Baby I Love Your Way」
Peter Frampton、『Frampton Comes Alive!』(1976年)からのヒット・シングルをカヴァー。ここではEly Bruna & Tom Gaebelの男女ヴォーカルをフィーチャー。Peter Framptonのオリジナルが大好きで、中高校生の頃に何度も聴き返した僕にとっての思い出の1曲です。ここではジャジー・メロウな落ち着いた雰囲気で、大人の「Baby I Love Your Way」を聴かせてくれます。
「Che Sara」
Jimmy Fontana/Franco Migliacci作。1971年のRicchi e PoveriヴァージョンやJose Felicianoヴァージョンをはじめ、数多くのアーティストがカヴァーする名曲。ここではAlan Scaffardiの男性ヴォーカルをフィーチャーし、ダンディズム溢れる素敵な大人のバラードに仕上がっています。Alan Scaffardiのヴォーカルがシブくてサイコーです。
「Right Place Right Time」
Ely Brunaをフィーチャー。『Rhythm of Life』や『Music Inside』が好きだった人にはたまらない、これぞPapik!
といったサウンドでスタイリッシュに疾走します。
「I Love The Way」
Simona Benciniの女性ヴォーカルをフィーチャー。Simona Benciniの可憐ながらも凛としたヴォーカルが栄えるメロウ・チューンです。
「September Morn」
Neil Diamond、1979年のシングルをカヴァー(Gilbert Becaud/Neil Diamond作)。ビューティフル・バラードを、Ely Brunaをフィーチャーした素敵なジャズ・バラードで聴かせてくれます。
「This Time」
Walter Ricciの男性ヴォーカルをフィーチャーしたポップ・チューン。こういうポップな味わいもPapik作品の魅力ですね。
「Let The Music Play」
Barry White、1975年のヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Let The Music Play』(1975年)に収録されています。UKの女性シンガーSarah Jane Morrisをフィーチャーし、疾走するボッサ・グルーヴをバックに、Sarah Jane Morrisが貫録のヴォーカルを聴かせてくれます。この曲もかなり好き!
「Innamorarsi Di Te」
Alessandro Pitoniをフィーチャーした激シブ・バラード。ノスタルジック・ムードが印象的です。
「More Than I Can Bear」
Matt Biancoの人気シングルをメンバーMark Reillyが参加してカヴァーするというお楽しみ企画です。オリジナルは当ブログでも紹介した『Whose Side Are You On』(1984年)に収録されています。ここではBasia役のMark ReillyのパートナーをEly Brunaが務めます。オリジナルをさらに洗練された大人のメロウ・ボッサに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=zz7cFjpK2MU
ここでJazzy Laneは終了。
Disc2:Soul Lane
「The Beauty Of The World」
Frankie Lovechioをフィーチャー。Jazzy Laneでは聴かれなかったファンキーなエッセンスも取り入れたミディアム・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=i4XwXDxTdSA
「Falling Out Of Your Love」
当ブログでもお馴染みの実力派USソウル・シンガーFrank McCombをフィーチャー。Frank McCombのジェントル・ヴォーカルにフィットしたメロウ・ソウルに仕上がっています。Frank McComb好きの人であれば気に入るはず!
「Special Love」
Ely Brunaをフィーチャー。Jazzy Laneで大活躍だったEly BrunaがSoul Laneでも存在感を示しています。Soul Laneらしい80年代テイストのメロウ・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=gdU7w9Qzhlw
「You Are Everything I Need」
Alan Scaffardiの男性ヴォーカルをフィーチャー。Jazzy Laneに入っていてもいい感じのジェントル・バラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=nvXnwZ5LmCE
「When You Meet Somebody」
Andreas Alemanの男性ヴォーカルをフィーチャー。近年のジャズ・アーティストによるソウル作品がお好きな人であれば、気に入るであろうSoul Laneらしい仕上がりです。オーセンティックなサウンドの中にピュアなソウル魂を感じられます。
http://www.youtube.com/watch?v=-EiLStZm4PI
「Stars Above」
Dario Daneluzの男性ヴォーカルををフィーチャー。Smokey Robinsonを思わせるDario Daneluzのハイ・トーン・ヴォーカルがいい感じの爽快メロウ・ソウルです。
「Your Love Is Enough For Me」
Ely Brunaをフィーチャー。サンセット・モードが似合いそうなロマンティックなメロウ・ソウルです。繰り返しますが、Ely Brunaは本当にいいシンガーですね。
「Morning Delight」
Frankie Lovecchioの男性ヴォーカルをフィーチャー。タイトルとは異なり、アーバン・ナイトが似合いそうな大人のソウル・チューンに仕上がっています。
「Feel Me」
Erika Scherlinの女性ヴォーカルをフィーチャー。AOR的な雰囲気のメロウ・ソウルです。
「My Favourite Stranger」
Alan Scaffardiをフィーチャー。アコースティック・ギターの響きとメロウ・エレピが印象的なバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=dUrD0ERibFY
「I Feel Alive」
Frankie Lovecchioをフィーチャー。Soul Laneらしいアーバン・メロウな雰囲気を堪能できるミディアム・ソウルです。
「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。数多くのアーティストがカヴァーしている名曲ですね。ここではWendy Lewisの女性ヴォーカルをフィーチャーし、ポップになりすぎないソウルフルな「Sunny」を聴かせてくれます。
「Can't Get Enough Of Your Love」
Soul Laneのラストは、Barry White、1974年の全米No.1シングルをカヴァー。オリジナルは『Can't Get Enough』(1974年)に収録されています。Frankie Lovecchioをフィーチャーし、アーバン・メロウな「Can't Get Enough Of Your Love」を聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=T-uU9igCfZg
さすが全26曲のコメントは大変ですね。
Papikの過去記事もご参照下さい。
『Rhythm of Life』(2009年)
『Music Inside』(2012年)
『Papik Presents: Cocktail Martino - A Tribute To Bruno Martino』(2013年)
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