発表年:1977年
ez的ジャンル:豪華コラボ系女性MPB
気分は... :祭りの終わり・・・
サッカーW杯はいよいよ最後の一戦、「ドイツ対アルゼンチン」です。
ドイツの圧勝で終わるのか、アルゼンチンが意地を見せることができるのか?
その前に昨日の3位決定戦「ブラジル対オランダ」は、両国の明暗がはっきり分かれた試合になりましたね。
ブラジルは結局、ネイマールとオスカル以外はタレントいなかったのか?と思わせる残念な幕切れでしたね。一方、オランダの試合巧者ぶりを見るにつけ、やはりドイツとの決勝が観たかったなぁ、という気がします。
今回は夢破れたセレソンに思いを馳せながら、ブラジル人アーティストの作品を取り上げたいと思います。
ブラジルを代表する女性シンガーNara Leaoが1977年にリリースした『Os Meus Amigos Sao Um Barato(邦題:ナラと素晴らしき仲間たち)』(1977年)です。
これまで当ブログで紹介したNara Leao作品は以下の4枚。
『Nara』(1964年)
『O Canto Livre De Nara』(1965年)
『Vento De Maio』(1967年)
『Dez Anos Depois』(1971年)
本作『Os Meus Amigos Sao Um Barato』は、Gilberto Gil、Caetano Veloso、Erasmo Carlos、Dominguinhos、Edu Lobo、Nelson Rufino、Chico Buarque、Joao Donato、Roberto Menescal、Carlos Lyra、Tom Jobimといった豪華なオールスター・ゲストを迎えてコラボした作品です。
『ナラと素晴らしき仲間たち』という邦題がピッタリですね。豪華ゲストが自身の楽曲を自らアレンジし、Naraと共演しています。その意味では、アルバム全体の統一感というよりも、コンピ作品のようなバラエティ感を楽しむアルバムかもしれません。
Nara Leao好きの方は勿論、ブラジル音楽初心者の方も楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Sarara Miolo」
Gilberto Gilとの共演。当ブログでは『Realce』(1977年)収録のGil本人のヴァージョンも紹介済みです。♪サラ・サラ♪サラ・サララ〜♪というリズミカルなフレーズを思わず口ずさんでしまう、軽やかな雰囲気でリラックスできる名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=QL2mq0ocIgs
「Odara」
Caetano Velosoとの共演。Caetano本人のヴァージョンは『Bicho』(1977年)に収録されています。また、当ブログでは『Caetano Veloso (1986)』収録のヴァージョンを紹介済みです。本ヴァージョンはクール&メロウな疾走感がたまりません。僕の一番のお気に入り。
「Meu Ego」
Roberto Carlos/Erasmo Carlos作。60年代半ばのブラジリアン・ロック黎明期から活躍する男性シンガー/ソングライターErasmo Carlosとの共演。Erasmo Carlos本人のヴァージョンは『Pelas Esquinas De Ipanema』(1978年)に収録されています。ベースラインが印象的な大人のメロウ・チューンに仕上がっています。なかなか雰囲気があります。
「Chegando De Mansinho」
Dominguinhos/Anastacia作。惜しくも昨年逝去したアコーディオン奏者Dominguinhosとの共演。Dominguinhoのアコーディオンが郷愁感を誘う味わい深い1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=YXrdZzgxqww
「Repente」
Edu Loboとの共演。Edu Loboのオリジナルは『Limite Das Aguas』(1976年)に収録されています。ここではSivucaもアコーディオンで参加し、北東部らしい土着的リズムで疾走します。ダンス・チューンとして聴いても楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=Yj6xRk_nRMw
「Nono」
Nelson Rufinoとの共演。華やいだ雰囲気のアコースティック・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=Bxc4i7WUf4s
「Joao E Maria」
Chico Buarque/Sivuca作。Chico Buarqueとの共演。ブラジルというよりもパリの街角が似合いそうな雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=5tQdqepsLOs
「Amazonas」
Joao Donatoとの共演。この名曲について、当ブログではJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra Lucena、Cal Tjader、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Adam Dunning、Walter Wanderleyのヴァージョンを紹介済みです。ここではテンポを少し落としたサウダージ・モードの「Amazonas」を聴かせてくれます。涼しげなフルートがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=x5R7tEezAgs
「Flash Back (Risos de Retrato)」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。Naraのギターの師匠であるRoberto Menescalとの共演です。「Odara」と並ぶ僕のお気に入り。キュートな魅力が伝わってくる胸キュンの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=WEMO57gsIoY
「Cara Bonita」
Menescalと同じくNaraのギターの先生であったCarlos Lyraとの共演。Carlos Lyra本人のヴァージョンは『Heroi Do Medo』(1975年)で聴くことができます。ここでのメロウな雰囲気は僕好みです。
「Fotografia」
ラストは大御所Tom Jobimとの共演。名盤『Dez Anos Depois』(1971年)でもカヴァーしていましたね。当ブログではElis Regina、Adam Dunning、Daniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。NaraのJobimへのリスペクトを感じるデュエットになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=WY3p3WxBBZ4
Nara Leaoの過去記事もご参照下さい。
『Nara』(1964年)
『O Canto Livre De Nara』(1965年)
『Vento De Maio』(1967年)
『Dez Anos Depois』(1971年)