発表年:2014年
ez的ジャンル:アーバン・メロウ・ボッサ
気分は... :極上の休日サウンド・・・
今回は"ブラジルのSade"ことIve Mendesの『Magnetism』です。
2010年にリリースした作品をジャケも一新し、収録曲も絞り込んで今年再リリースしたものです。
ブラジル、ゴイアス州セレス出身の女性シンガー・ソングライター。
大学で音楽とアートを7年間学んだ後、リオを拠点に音楽活動を開始し、大手レコード会社との契約に成功しますが、音楽の方向性についてレコード会社との間で軋轢が生じ、リオでの活動を断念します。
その後、ロンドンに渡ったIveは、Sade、Everything But The Girl等のプロデュースで知られる大物プロデューサーRobin Millarへのコンタクトに成功し、彼のバックアップによりデビュー・アルバム『Ive Mendes』(2002年)をリリースしています。
さらに2010年にRobin Millar、Mark Smithをプロデューサーに迎えた2ndアルバム『Magnetism』をリリースしています。ちなみにMark Smithは2009年に他界しています。
今日紹介する新装『Magnetism』は、オリジナルのCD2枚組全21曲をCD1枚全15曲に絞り込んでいます。
『Magnetism』(2010年) ※オリジナルCD2枚組
レコーディングにはRobin Millar(p、key、g、per、prog)、Mark Smith(b、g、key、prog)、Tristan Banks(ds)、Alex Garnett(sax、fl)、Matt Holland(tp、flh)、Sonia Slany(violin)、Nick Cooper(cello)等が参加しています。
また、当ブログでも『Bossa Britanica』(2012年)を紹介した"ロンドンのJoao Gilberto"ことEarl Okinも何曲かアレンジで関与しています。
21曲を15曲に絞り込んだことでアルバムとしての内容は密になったのでは?絞り込んだといっても15曲あるので聴き応えは十分です。
アルバム全体としては、アーバン・メロウなボッサ・アルバムということになりますが、ボッサ一辺倒ではなく間口の広いメロウ作品に仕上がっています。
Robin Millarが関与してることもありますが、"ブラジルのSade"と評されるのがよくわかる内容になっています。
構成としては約1/3がカヴァー、残り2/3がオリジナルです。どうしてもお馴染みのカヴァーが並ぶ前半が注目されそうですが、"ブラジルのSade"といった雰囲気を味わうのであれば、中盤以降のオリジナルの方がサウンドのバラエティに富み、楽しめると思います。
純然たる新作ではありませんが、夏本番に向けて、いろいろな場面で重宝する1枚だと思います。
極上の休日サウンドをぜひ!
全曲紹介しときやす。
「Yellow」
オススメその1。オープニングは何とUKを代表する人気ロックバンドColdplayのヒット曲をカヴァー(Guy Berryman/Jonny Buckland/Will Champion/Chris Martin作)。Coldplayの代表曲を寛いだ雰囲気のジャジーなアーバン・メロウに変貌させています。
http://www.youtube.com/watch?v=NoK-erB8u0s
「Eu Sei Que Vou Te Amar」
オススメその2。Antonio Carlos Jobim/ Vinicius De Moraes作の名曲カヴァー。当ブログではSteen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Diana Panton、Caetano Velosoのカヴァーを紹介済みです。ロマンティックなボッサ・チューンにうっとりです。
http://www.youtube.com/watch?v=rzMbJTLKQhg
「I Don't Want To Talk About It」
オススメその3。Danny Whitten作。Rod Stewartのヒットで知られる名バラードをカヴァー。オリジナルはCrazy Horseです。『Atlantic Crossing』収録のRodヴァージョンは僕も昔よく聴いていました。この名曲の美しいメロディが引き立つナイス・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=XtrZABqVOnY
「Caminhos Cruzados」
オススメその4。Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。実は僕の一番のお気に入り。ロマンティックな雰囲気に包まれた素敵なメロウ・ボッサに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=YOxLwfXFjwE
「Letting You Go」
Ive Mendess作。ジャジーな哀愁バラードをしっとりと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=CELvLXQJVJI
「I Don't Wanna Know」
オススメその5。UKの男性SSW、John Martynの作品をカヴァー。オリジナルは『Solid Air』(1973年)に収録されています。"ブラジルのSade"と呼びたくなるのがよくわかるジャジーな哀愁ボッサです。
http://www.youtube.com/watch?v=c2XSoj8gqag
「The Life That I Have」
オススメその6。Ive Mendes作。シンガー・ソングライターとしてのIve Mendesを堪能できる1曲です。美しいストリングスに包まれたアコースティック・メロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=chnh9iKYdWw
「Passaporte」
オススメその7。Ive Mendes作。この曲も"ブラジルのSade"って雰囲気がよく伝わってきます。アレンジが素晴らしい!
http://www.youtube.com/watch?v=ADwu5IssZFk
「Dancing All Night」
Ive Mendes/Karsten Dahlgaard/Peter Biker作。美しくも切ないアコースティック・メロウ。
「Garden」
Ive Mendes作。切々としたIveのヴォーカルにグッとくる哀愁バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=sgIM0rs5vbA
「Estrada」
オススメその8。Ive Mendes作。Sabrina Malheirosあたりのニュー・ボッサ・サウンドに通じる仕上がり。Sabrina Malheiros大好きな僕は勿論Welcomeです。
「Never Felt Love Like This」
オススメその9。Ive Mendes作。UKジャズ・ファンク調のサウンドはSade好きの人も気に入るのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=y_5Pi8XSid0
「Beauty Of The Blues」
オススメその10。Ive Mendes作。タイトなリズムと美しいバイオリン&チェロが印象的なメロウ・グルーヴ。クール&セクシーなIveのヴォーカルもたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=6zx9BIceJO4
「Magnetism」
Ive Mendes/Philip Jap作。タイトル曲はミステリアス&エスニックな雰囲気が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=0dF3QoporL0
「Rain」
Ive Mendes作。ラストは哀愁バラードを雰囲気たっぷりに歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=SweNq2dLIh4
ご興味がある方は1stアルバム『Ive Mendes』もチェックを!
『Ive Mendes』(2002年)
『Ive Mendes』(2006年) ※再発盤