発表年:2014年
ez的ジャンル:夫婦ソウル・デュオ
気分は... :愛があります♪
今回はFatin DantzlerとAja Graydonの夫婦ソウル・デュオKindred The Family Soulの最新作『A Couple Friends』です。
Kindred The Family Soulの紹介は、デビュー・アルバム『Surrender To Love』(2003年)、2ndアルバム『In This Life Together』(2005年)に続き3回目となります。
彼らのデビュー・アルバム『Surrender To Love』(2003年)は本当に大好きな作品であり、2000年代(2000-2009年)のマイ・フェイバリットR&B/Soulを選ぶとしたら、確実にTop10に入ってくると思います。愛と歌心にみちたネオ・フィリーって感じがたまらなく好きです。
その後、『In This Life Together』(2005年)、『Arrival』(2008年)、『Love Has No Recession』(2011年)とアルバムをリリースしていますが、『Surrender To Love』ほどの愛聴するに至らなかったのも事実です。前作『Love Has No Recession』も悪くはありませんでしたが、"こんなにゲスト陣に頼る必要があるのかなぁ"とモヤモヤしていました。
そのため、正直本作『A Couple Friends』もさほど期待していなかったのですが、CDショップで試聴し、「Get It, Got It」 、「Call Me Crazy」 、「Everybody's Hustling」という最初の3曲を聴いて、"僕が好きなKindred The Family Soulが戻ってきた"と確信し、即購入しました。
Vidal Davis、Steve McKie、James Poyser、Anthony Bell、Andre Harris等をプロデューサーに迎え、良質のサウンドにのせて、FatinとAjaのヴォーカルの魅力を存分に伝えてくれる至極のソウル作品に仕上がっています。
気負わず、素直に自分たちが心地好いアルバムを創った感じがいいですね。
今年これまで聴いて新作R&B/Soul作品の中では、Tony Momrelle『Fly』と双璧をなすお気に入り作品です。
『Surrender To Love』から11年、再び彼らが"愛のある"名盤を届けてくれました。
とりあえず、「Call Me Crazy」 、「Everybody's Hustling」、「Never Loved You More」の3曲に本作の魅力が凝縮されていると思うのでチェックしてみてください。
全曲紹介しときやす。
「Get It, Got It」
Vidal Davisプロデュース。オープニングはIsaac Hayes Movement「Southern Breeze」をサンプリングしたリズミック・トラックに合わせて、FatinとAjaが高らかに歌い上げます。彼らの作品の常連Yameen Allworld のスポークン・ヴォーカルも交えてアクセントをつけています。
「Call Me Crazy」
Steve McKie/James Poyserプロデュース。ネオ・フィリー作品でお馴染みのパーカッション奏者Aaron Draperも参加したメロウ&パーカッシヴなミディアム・スロウです。『Surrender To Love』の頃のグッド・ヴァイヴを感じる名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=cBmnO1iuSQE
「Everybody's Hustling」
Steve McKieプロデュース。アルバムからの先行シングルにもなったKindred The Family Soul本来の魅力が伝わってくる至極のソウル・チューン。アーバンな雰囲気もあっていいですね。こんな大人のソウル・ミューシックが聴きたかった!
http://www.youtube.com/watch?v=UpdKrknL1i8
「Lovin' the Night」
Vidal Davisプロデュース。ストリングスをはじめ70年代フィリー・ソウル調のダンサブル・サウンドが印象的です。FatinのヴォーカルもThe O'Jaysあたりを意識しているようですね。
「One Day Soon」
Vidal Davis/Chad Westプロデュース。ピュアな歌心が伝わってくる二人のヴォーカルとシタール風の音色と高速ハイハットの効いた巧みなトラックがうまく噛み合った今の時代らしい大人のソウル・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=yzUErCNI7l8
「A Couple Friends」
Anthony Bellプロデュース。タイトル曲は荘厳な雰囲気の感動バラードです。夫婦ソウルの大先輩Ashford & SimpsonのValerie Simpsonが美しいピアノを披露してくれます。パートナーのNickolas Ashfordを2011年に失ってしまったValerie Simpsonですが、タイトルからしてAshford & Simpsonに捧げた曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=QQp1QgC7QmI
「Not Complaining」
Vidal Davis/Robert Bizz Thomasプロデュース。サウンドは今時R&Bなエッセンスもありますが、素晴らしいヴォーカル・ワークでソウル・フィーリングたっぷりの楽曲にしてしまうところが凄いですね。
「Never Loved You More」
Vidal Davisプロデュース。この曲も大好き!二人の愛にみちたヴォーカルが光り輝く大人のステッパーズに仕上がっています。そうそう!こんなKindred The Family Soulが聴きたかったと思わせてくれる至極の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=JzY8YFyFkKk
「Momma Said Clean Up」
彼らの3人の子供たちによるラップ・チューン。アルバムの中の余興ということで・・・
「Here We Go」
Steve McKieプロデュース。Chill Moodyのラップをフィーチャーし、DJ Aktiveのスクラッチも織り交ぜたHip-Hop調の仕上がり、それでもソウルな雰囲気もきちんと残すのが本作らしいですね。
「Drop the Bomb」
Vidal Davisプロデュース。奇をてらわず二人の素晴らしいヴォーカルをストレートに堪能するといった雰囲気の楽曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=NXRd5Ce49ao
「Look at What We Made」
Andre Harrisプロデュース。Vidal Davisに負けていられない?とDre & Vidalの片割れ、Andre Harrisが手腕を発揮します。オーセンティックなバラードで二人の魅力を引き出します。
「What I've Learned」
Vidal Davisプロデュース。ラストは素敵なメロウ・バラードで締め括ってくれます。
『Surrender To Love』(2003年)
『In This Life Together』(2005年)
『Arrival』(2008年)
『Love Has No Recession』(2011年)