2014年07月31日

Leslie Smith『Heartache』

元Crackin'のリード・シンガーの1stソロ、AOR人気盤☆Leslie Smith『Heartach』
ハートエイク (SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)
発表年:1982年
ez的ジャンル:Crackin'系AOR/アーバン・ソウル
気分は... :Crackin'とはギャップがありますが・・・

今回は元Crackin'のリード・シンガーLeslie Smithの1stソロ・アルバム『Heartache』(1982年)です。

AOR名盤として知られている作品であり、長い間CD化が待ち望まれた1枚でしたね。2年前にCD化が実現しました。

サンフランシスコを拠点に活躍した白人黒人混合のファンク・グループCrackin'に関して、当ブログでは以下の作品を紹介済みです。

 『Makings Of A Dream』(1977年)
 『Crackin'』(1977年)
 『Special Touch』(1978年)

そのCrackin'のリード・ヴォーカルであったLeslie SmithCrackin'解散後、セッション・シンガーとして活動していましたが、Crackin'時代の同僚であり、後にプロデューサー・チームとして活躍するPeter Bunetta/Rick Chudacoffのバックアップで制作されたソロ・アルバムが『Heartache』(1982年)です。

レコーディングにはPeter Bunetta(ds、per)、Rick Chudacoff(b、el-p、syn)をはじめ、Arno Lucas(back vo、per)、Lester Abrams(syn)Brian Ray(g)という元Crackin'のメンバーが集結しています。

それ以外にもMerry Clayton(vo)、Bill Elliott(p、el-p、syn)、Dennis Herring(g)、David Woodford(as)、Jerry Peterson(ss)、Kal David(sitar)、Joe Lala(per、congas、timbales)、Michael Boddicker(key)、Ned Doheny(g)、James Newton Howard(p)、Greg Phillinganes(p)、Tom Snow(p)、Norton Buffalo(harmonica)、Anna Pagan(vo)、Arnold McCuller(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

良い作品であることに間違いはありませんが、Crackin'のようなファンキー&メロウを期待して聴くとギャップがあるかもしれません。その意味では、あくまでAOR好きにとっての名盤ということかもしれません。

個人的には、「Don't Shut The Door (On My Love)」とシングルにもなったMerry Claytonとのデュエット「Before The Night Is Over」の2曲がお気に入りです。

何となく名盤の形容詞が先行しすぎている1枚のような気もしますが、あまりそういった言葉に惑わされず聴けば楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「It's Something」
オススメその1。Brenda Russell/David Foster作。オリジナルはDonna Washington(アルバム『Going For The Glow』収録)。Brenda Russell自身のヴァージョンはアルバム『Two Eyes』(1983年)に収録されています。また、当ブログではLalah Hathawayのカヴァーも紹介済みです。Brenda RussellやLalah Hathawayヴァージョンも同様ですが、この曲の持つの爽快さは、晴れた日の午前中に聴くとぴったりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=PZDmudf0_XU

各ヴァージョンを聴き比べるのも楽しいのでは?実は僕が一番好きなのはLalah Hathawayヴァージョンですが。
Donna Washington「It's Something」
 http://www.youtube.com/watch?v=O5PngStzlw8
Brenda Russell「It's Something」
 http://www.youtube.com/watch?v=BzzFClA8oJ8
Lalah Hathaway「Somethin'」
 http://www.youtube.com/watch?v=45w4rjKOAkE

「I'm On The Outside Looking In」
Teddy Randazzo/Bobby Weinstein作。Little Anthony & the Imperials、1964年のヒット曲をカヴァー。ソウル・クラシックをアーバン・テイストで聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=v_Ir-Gn3qsk

「Before The Night Is Over」
オススメその2。Sherwood E. Ball/Ernest N. Baker/Marshall Otwell/Freebo作。Merry Claytonとのデュエット。アルバムからの1stシングルにもなりました。Norton Buffaloの素敵なハーモニカが盛り上げてくれる大人のアーバン・メロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=bbAXH2cZma0

「Don't Shut The Door (On My Love)」
オススメその3。Lester Abrams/Leslie Smith作。個人的にもアルバムで一番のお気に入り。パーカッシヴに疾走する哀愁メロウ・グルーヴ。この曲が一番Crackin'時代に近いのではKal Davidのシタールがいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8_c6KV9aiHc

「Dream On」
Geoffrey Lieb/John Keller作。晴れやかなバラード。このあたりはAOR作品って雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qCoxPHTyXuo

「Nothin' You Can Do About It」
David Foster/Jay Graydon/Steve Kipner作。Manhattan Transfer、Airplayヴァージョンでもお馴染みの1曲をカヴァー。Airplayは大して好きではない僕ですが、本ヴァージョンはLeslieのヴォーカルとアレンジの妙でなかなかいい仕上がりなのでは?僕にとっては派手なギター・ソロは少し余計ですが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=D29JyYZAao0

「Love's A Heartache」
オススメその4。タイトル曲はNed Doheny作。Ned Doheny自身もギターで参加しています。適度にパーカッシヴな感じが僕好みの大人の哀愁メロウです。
http://www.youtube.com/watch?v=VR13jma-0FI

本作と同時期にAverage White Bandも取り上げています(アルバム『Cupid's In Fashion』収録)。また、Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford 『Standing On The Outside』 (1983年)にも収録されています。Ned Doheny自身のヴァージョンは『Life After Romance』(1988年)に収録されています。

Average White Band「Love's A Heartache」
 http://www.youtube.com/watch?v=uIeU4h6tG8I
Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford「Love's A Heartache」
 http://www.youtube.com/watch?v=B8_p3wK6beg

「Do You Still Remember Me」
Bill Elliott/Brock Walsh作。黒人女性シンガーAnna Paganとのデュエット。ミュージカル曲のような雰囲気もありますね。純粋に素敵なメロディとヴォーカルに惹かれます。
http://www.youtube.com/watch?v=i2ZyTYFIuWY

「If You're In Love」
Jocko Marcellino/Randy Handley作。ラストは素敵なバラードでロマンティックに締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=z2XXZ9vHVds

『Les Is More』(1992年)
Les Is More

Crackin'の過去記事もご参照ください。

『Makings Of A Dream』(1977年)
メイキングス・オブ・ア・ドリーム

『Crackin'』(1977年)
クラッキン(SHM-CD紙ジャケット仕様)

『Special Touch』(1978年)
スペシャル・タッチ(SHM-CD紙ジャケット仕様)
posted by ez at 03:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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