発表年:1967年
ez的ジャンル:男女ヴォーカル系ジャズ・サンバ/ボッサ・ジャズ
気分は... :スマイル!
今回はブラジル人ピアニスト/コンポーザー/アレンジャーAntonio Adolfoが率いたグループConjunto 3Dの『Muito Na Onda』(1967年)です。
これまで当ブログで紹介したAntonio Adolfo関連の作品は以下の3枚です。
Trio 3D『Tema 3D』(1964年)
Antonio Adolfo & A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1969年)、
Antonio Adolfo & A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)
Conjunto 3Dは、ジャズ・サンバ・トリオTrio 3Dに続いてAdolfoが率いたグループ。メンバーは、Antonio Adolfo(p)、Manuel Gusmao(b)、Nelsinho(ds)、Helinho(g)、Beth Carvalho(vo)、Eduardo Conde(vo)の6名。
そのConjunto 3D、唯一のアルバムが『Muito Na Onda』(1967年)です。Bethを中心にメンバーがにこやかな表情で写っているジャケがいいですね。
メンバーの他にJorginho Arena(per)、Rubens Bassini(per)がゲスト参加しています。
BethとEduardoの男女ヴォーカルをフィーチャーし、セルメンを意識したキャッチーなジャズ・サンバ/ボッサ・ジャズ作品に仕上がっています。
Marcos Valle作品「E Preciso Cantar」、セルメンでお馴染みの「Roda」といった軽快な楽曲が僕の好みですが、BethとEduardoの男女ヴォーカルの絡みがいい感じの「See You In September」、「Noite Dos Mascarados」あたりも雰囲気があります。
全曲紹介しときやす。
「When The Saints Go Marching In」
オープニングはお馴染みの「聖者の行進」。ディキシーランド・ジャズの名曲をボッサ・ジャズで聴かせてくれます。
「Un Homme Et Une Femme」
1966年のフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』の主題歌(Pierre Barouh/Francis Lai作)。お馴染みの映画主題歌をHelinhoのギターを中心としたインスト・ボッサで聴かせてくれます。
「E Preciso Cantar」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Marcosヴァージョン(「It's Time To Sing」の英語タイトル)は『Samba '68』に収録されています。軽快なジャズ・サンバで疾走するキャッチーな仕上がり。僕の一番のお気に入り。
http://www.youtube.com/watch?v=HJjgpI9WWhc
「Patruira Samba」
Antonio Adolfo作。本編における唯一のオリジナル。男女スキャットがよくマッチする、ファンキー・ジャズのエッセンスを取り入れたジャズ・サンバといった雰囲気です。
「Roda」
Gilberto Gil/Joao Augusto作。Sergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンでお馴染みのサンバ・チューンですね。当ブログではGimmicksヴァージョンも紹介済みです。本ヴァージョンは、手拍子も入ったポップなサンバ・チューンで盛り上げてくれます。セルメン・ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいと思います。
「I'Ve Got You Under My Skin/Night And Day」
Cole Porter作の名曲2曲のメドレー。エレガントなボッサ・ジャズといった趣です。息の合った男女ヴォーカル・ワークを楽しめる「Night And Day」がいいですね。
「See You In September」
Sherman Edwards/Sid Wayne作。USコーラス・グループThe Happenings、1966年のヒット曲をボッサ調でカヴァー。ここでもBethとEduardoが息の合ったヴォーカルがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=-OiI45xRZfQ
「Noite Dos Mascarados」
Chico Buarque作。当ブログではNara Leaoヴァージョンも紹介済みの楽曲です。BethとEduardoとヴォーカルの掛け合いを楽しむ1曲です。
「Watermellon Man」
Herbie Hancock作。ヒットしたMongo Santamariaを意識したジャズ・ロック調の仕上がり。
「Winchester Cathedral」
Geoff Stephens作。The New Vaudeville Bandのヒット曲をカヴァー。当ブログではJimmy Castorのヴァージョンも紹介済みです。Helinhoのギターと口笛をフィーチャーしたインスト。
「Canto Ou Fuga」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。Bethの妖艶なヴォーカルにグッとくるムーディーな仕上がり。
「Sonho De Lugar」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。ラストは品のあるAdolfoのピアノを中心としたジャズ・サンバ調のインスト・チューンで締め括ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=ARtOAjTqxk0
CDにはAdolfoのオリジナル「Caminhada」、「Retirante」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
他のAntonio Adolfo作品もチェックを!
Trio 3D『Tema 3D』(1964年)
Trio 3D『Convida』(1965年)
Antonio Adolfo E A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1969年)
Antonio Adolfo E A Brazuca『Antonio Adolfo E A Brazuca』(1971年)
Antonio Adolfo『Antonio Adolfo』(1972年)
Antonio Adolfo『Feito Em Casa』(1977年)
Antonio Adolfo『Viralata』(1979年)