2014年08月30日

Miriam Makeba『Keep Me In Mind』

南アフリカ出身の偉大な黒人女性シンガーによるファンキー&グルーヴィー作品☆Miriam Makeba『Keep Me In Mind』
Keep Me in Mind
発表年:1971年
ez的ジャンル:偉大なる南アフリカ黒人女性シンガー
気分は... :インビクタス/負けざる者たち!

今回は南アフリカ出身の偉大な黒人女性シンガーMiriam Makebaが1971年にリリースした『Keep Me In Mind』です。

Miriam Makeba(1932-2008年)は南アフリカ、ヨハネスブルグ出身の黒人女性シンガー。"Mama Africa"と呼ばれたアフリカを代表する偉大な女性シンガーです。

南アフリカのジャズ・グループManhattan Brothersのヴォーカルとして活動した後、女性ヴォーカル・グループThe Skylarksを結成します。

1956年には代表曲となる「Pata Pata」をヒットさせ、1959年にはミュージカル『King Kong』に出演、1966年にはMiriam Makeba & Harry Belafonte名義でグラミー賞を受賞し、国際的な名声を高めました。また、数年ですが南アフリカを代表するジャズ・ミュージシャンHugh Masekelaと結婚していた時期もありました。

そんな名声を得たMiriam Makebaでしたが、反アパルトヘイト活動により、1967年に南アフリカを追放されてしまいます。しかし、それに屈することなく、晩年まで偉大なMama Africaとして演奏活動を続けました。

今回紹介する『Keep Me In Mind』(1971年)は今日再評価の高い1枚ですね。

ソロ転向直後のVan Morrisonを手掛けたLewis Merensteinがプロデュースしたファンキー&グルーヴィーなソウル作品に仕上がっています。

グラミー受賞のMiriam Makeba & Harry Belafonte『An Evening with Belafonte/Makeba』(1965年)はフォーキーなエスニック作品でしたが、本作『Keep Me In Mind』はソウルフルなMiriam Makebaを満喫できます。

楽曲の半分は、Van Morrison、Buffalo Springfield、BeatlesCCRといったロック・アーティストのカヴァーなので、入りやすい作品だと思います。

とは言っても、南アフリカのアイデンティティを忘れたわけではなく、程良いバランスでアフリカン・テイストが散りばめられています。

全曲紹介しときやす。

「Lumumba」
A. Makeba作。本作らしいファンキーな味わいを満喫できるソウル・チューンです。迫力のあるMakebaのヴォーカルに圧倒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=W0GPm1azbZI

「For What It's Worth」
Buffalo Springfieldのカヴァー(Stephen Stills作)。オリジナルは『Buffalo Springfield』(1966年)に収録されています。ここでは味わい深いソウル・チューンでカヴァーしています。実にコクのある「For What It's Worth」を聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=PuHLyiWaOmY

「Brand New Day」
Van Morrison作。オリジナルな名盤『Moondance』(1970年)に収録されています。僕の一番のお気に入りです。アパルトヘイトと戦っていたMakebaが高らかにBrand New Dayを歌い上げるというのは実に感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JSSJWPkYOdE

「I Shall Sing」
Van Morrison/Vanessa Richards作。引き続きVan Morrison作品。この曲はArt Garfunkelもカヴァーしていました。開放的かつリズミックな仕上がり。どことなくエスニックな香りがします。
https://www.youtube.com/watch?v=xE8TuBObEYc

「Kulala」
Miriam Makeba作。アフリカン・テイストのソウル・チューンですが、過度にエスニック寄りになっていないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9JB1H_kzhCY

「In My Life」
Beatlesの名曲カヴァー( Paul McCartney/John Lennon作)。味わい深くコクのあるソウルフルな「In My Life」は実に感動的です。

「Down on the Corner」
Creedence Clearwater Revival(CCR)のカヴァー(John Fogerty作)。オリジナルは『Willy And The Poor Boys』(1969年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継いだ開放的な仕上がり。軽くエスニックなフレイヴァーも効いている感じが本作らしいのでは?

「Ibande」
Miriam Makeba作。この曲もアフリカン・ソウルといった趣ですね。開放的な雰囲気に包まれています。

「Measure the Valley」
Judd Woldin作。凛としたMakebaのソウルフル・ヴォーカルが感動的です。ソウル好きの人も満足する1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=9upayhhnSrU

「Tululu」
Miriam Makeba作。ラストは南アフリカのアイデンティティを感じる1曲で締め括ってくれます。

Miriam Makebaの過去作品もチェックを!

『Miriam Makeba』(1961年)
Miriam Makeba

Miriam Makeba & Harry Belafonte『An Evening With Belafonte/Makeba』(1965年)
Evening With Belafonte: Makeba

『An Evening With Belafonte/Makeba / The Magnificent Miriam Makeba』(1966年)※2in1CD
Evening With/Magic of

『Pata Pata』(1967年)
Pata Pata

『Sangoma』(1988年)
Sangoma

『Welela』(1989年)
Welela
posted by ez at 05:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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