発表年:1967年
ez的ジャンル:セルメン・クローン系メキシカン・ボッサ
気分は... :アギーレ・ジャパンはどうなる?
いよいよ9月ですね。そして、今週の5日はサッカー日本代表アギーレ・ジャパンの初戦でもあります。
今回はアギーレ監督の母国メキシコのボッサ・グループSonido 5が1967年にリリースした『En Vivo』です。
Sonido 5はメキシコシティで1967年に結成されたグループ。実態としては、チリ人のプロデューサー/アレンジャー/コンポーザーであるKiko Camposが手掛けた、Sergio Mendes & Brasil '66を模したセルメン・クローン系のメキシカン・ボッサ・プロジェクトと呼んだ方が相応しいようですが・・・
メンバーはMiguel Angel Rosado(ds)、Marco Antonio Moran(b)、Ricardo Cortes(p)、Arturo Cortes(vo)、Antonio Hernandez(per)、Ann Michel(vo)、Kiko Campos(vo)という7名。
『En Vivo』は、タイトルの通りライブ作品であり、各曲に曲紹介のMCや聴衆の歓声が入っています。
楽曲はMarcos Valle、Joao Donato、Haroldo Lobo/Niltinho、Jorge Benといったブラジル人コンポーザーを中心としたカヴァー曲が殆どです。
録音も良くなくB級感が漂いますが、逆にその部分に面白さがあると思います。
たまにはこんなB級作品もいいのでは?
全曲紹介しときやす。
「Intro」
ショーのオープニング。
「Batucada」
Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作。Walter Wanderley等でお馴染みのMarcosの名曲をカヴァー。Marcosヴァージョンは『Samba '68』に収録されています。躍動するジャズ・サンバのリズムとセルメン・クローンらしい男女ヴォーカルで盛り上げてくれます。ただし、本曲に関していえば、本家セルメンのヴァージョン(『Look Around』収録)より時期的にコチラの方が先ですね。
「La Rana/Up up And Awan」
裏ジャケの表記は「Presentacion/Up up And Awan」となっていますが、実際はJoao Donatoの名曲「La Rana(A Ra)」とThe 5th Dimensionのヒット曲「Up up And Awan(Up, Up And Away)」(Jimmy Webb作)のカヴァー・メドレーです。どちらかといえば、「Up up And Awan」メインのメドレーですが、小粋なジャズ・サンバに緩急をつけたドラマティックなアレンジが印象的です。
英語タイトル「The Frog」でも知られる「A Ra(La Rana)」に関して、当ブログではJoao Donatoのヴァージョン(『Quem e Quem』および『A Bad Donato』)をはじめ、Sergio Mendes & Brasil '66、Joao Gilberto、Gal Costa、Joyce、Agustin Pereyra Lucenaのカヴァーを紹介済みです。
「Todavia」
Armando Manzanero作。メキシコの偉大なコンポーザーArmando Manzaneroの作品をカヴァー。そのせいか、アレンジにもノスタルジック・ムードが漂います。
「More」
1962年のイタリア映画『Mondo Cane(邦題:世界残酷物語)』の主題歌カヴァー(Riz Ortolani/Nino Oliviero作)。当ブログではBalanco、Gary McFarland、Matteo Brancaleoniのカヴァーを紹介済みです。素敵な男女コーラスを配したムーディーなカヴァーに仕上がっていますが、このユニットであればジャズ・サンバ調の躍動するアレンジでも良かった気がします。
「Tristeza」
Haroldo Lobo/Niltinho作の名曲カヴァー。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66、Elis Regina、Birgit Lystager、Carlos Lyraのヴァージョンを紹介済みです。この曲についても「Batucada」同様、本家セルメンのヴァージョン(『Look Around』収録)よりも先なんですね。セルメンを基準にすれば、セルメン・ヴァージョンにラテンのアクセントを加えたヴァージョンといった雰囲気ですね。
「Felicidad」
Armando Manzaneroのカヴァー2曲目。このグループらしい軽快なリズムと爽快な男女コーラスを満喫できます。ノスタルジック・ムードとセルメン・フレイヴァーが喧嘩せずに調和しているのがいいですね。
「Amor」
Kiko Campos作。唯一のオリジナル。でも3分強の約半分はMCです(笑)。本編は女性ヴォーカルを前面に出したムーディーな仕上がりです。
「Mas Que Nada」
ラストはJorge Ben作の名曲をカヴァー。この曲はセルメン・ヴァージョンをお手本にしているかもしれませんね。ただし、本ヴァージョンは男性ヴォーカルの方がメインですが・・・
本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66、Tamba Trio、Lill Lindfors、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Oscar Peterson、Isabelle Aubretのヴァージョンを紹介済みです。ご興味のある方はそれらの記事もご参照下さい。
アギーレ・ジャパンについては、新戦力の発掘に期待しています。
海外組はひとまず置いて、まずは国内組メンバーをいろいろ試して欲しいですね。
基本フォーメーションは4-3-3のようですが、個人的には中盤の3枚とFWの両サイドに、どのようなタイプの選手を起用し、何を求めるのかに注目しています。