発表年:1982年
ez的ジャンル:パンク魂系ポップ・ロック
気分は... :じっくり向き合う
パンク世代の怒れるポップ・スターElvis Costelloの3回目の登場デス。
『Get Happy!!』(1980年)、『Blood & Chocolate』(1986年)に続いて紹介するのはの7thアルバム『Imperial Bedroom』(1982年)っす。
またしても80年代のCostelloです。
流れとしては、このあたりでデビュー作『My Aim Is True』(1977年)、2nd『This Year's Model』(1978年)あたりを紹介するとバランスいいんだろうけど...やっぱり僕にとってのCostelloは80年代なんだよなぁ。
実は、僕がリアルタイムで体験した最初のCostello作品が本作『Imperial Bedroom』(1982年)です。
確かNHK-FMの渋谷陽一の『サウンドストリート』で聴いたような記憶がありマス。僕の中では、“Costello=パンクの人”みたいなイメージがあったので、本作を聴いて“想像よりも全然ポップじゃん!”と思いましたね。
当時全米チャートのヒット曲を聴き慣れていた僕にとって、そうしたヒット曲にはない、英国らしいポップさを感じ取ることができたCostelloの曲は、なかなか新鮮でしたね。
後から振り返ると、本作の前の作品となる6th『Almost Blue』(1981年)は、カントリー系のプロデューサーBilly Sherrillを迎え、カントリー・カヴァーを集めた異色作でしたね。『Almost Blue』については、昨年のGW特別企画エントリー『どっちのジャケット・ショー!』で、Kenny Burrell『Midnight Blue』(1963年)のソックリ・ジャケということで紹介しまシタ。
デビューから“パンク界のBuddy Holly”として突っ走ってきたCostelloが、『Almost Blue』や本作『Imperial Bedroom』で求めたものは“変化”だったのでは?
本作でも、デビュー作『My Aim Is True』から5thアルバム『Trust』(1981年)まで一貫してプロデュースを務め、息もピッタリのNick Loweではなく、BeatlesやPaul McCartneyなどの作品でエンジニアを務めてきたGeoff Emerickを起用しています。
多分、僕が先に書いた本作から受けた英国らしいポップ感覚というのは、『Revolver』から『Abbey Roadまで、中〜後期のBeatlesのレコーディング現場に居合わせたGeoff Emerickの貢献が大きいんでしょうね。実際、本作には後期Beatlesのテイストもありますからね。
同時に、このあたりからCostelloのメロディ・メイカーとしてのソングライティング能力もかなり向上したような気がします。
きっと、最初にこのアルバムと出会ってしまったので、このアルバムを基準にCostello作品を評価する僕がいるようです。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Beyond Belief」
オープニングは抑制の効いた疾走感が何ともカッチョ良いロックナンバー。
「Tears Before Bedtime」
リラックスムードがいかにもCostelloらしい作品ですね。Attractionsとの息の合った演奏が楽しめます。
「The Long Honeymoon」
フレンチ・テイストのアレンジが印象的な1曲。このあたりのサウンドのバラエティさも本作の魅力の1つかも?
「Man Out Of Time」
シングルカットもされたメロディアスな1曲。Costelloのソングライティング能力の向上がはっきり確認できる1曲なのでは?
「Almost Blue」
ホントにブルーな哀愁感が漂う1曲。ジャジーな雰囲気が洒落てマス。
「...And In Every Home」
後期Beatles風のアレンジが印象的な1曲。Geoff Emerick起用の効果が表れた1曲ですね。
「The Loved Ones」
英国らしい1曲ですね。同じ1982年に発表されたXTC「Ball and Chain」と何処となく似ているのが面白いですね。
「Kid About It」
「Town Cryer」
曲の美しさが光る2曲。『Spike』(1989年)あたりのの優しく、ソフトでちょっぴり寂しい感じがお好きな方は、絶対涙する2曲だと思いマス。
「Little Savage」
僕の一番のお気に入り曲。『Get Happy!!』で培ったR&Bテイストを反映した1曲。何だかんだ言って、『Get Happy!!』が一番好きな僕の好みはこういったタイプなのかも?
「Boy With A Problem」
2分強の短い曲だけど、1つの物語を観たような充実感のある1曲。
「You Little Fool」
シングルにもなったポップな1曲。本作を象徴するようなサウンド・プロダクションの充実ぶりが窺える1曲。
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