発表年:2000年
ez的ジャンル:ダウンテンポ系フューチャー・ラウンジ
気分は... :明るすぎず、軽すぎず・・・
今回はワシントンD.C.を拠点にするDJ/プロデュース・ユニットThievery Corporationの2ndアルバム『The Mirror Conspiracy』(2000年)です。
Thievery Corporationは1995年にRob GarzaとEric HiltonがワシントンD.C.で結成したユニット。
DJ/プロデューサーとして活躍する一方で、『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)、『The Mirror Conspiracy』(2000年)、『The Richest Man in Babylon』(2002年)、『Babylon Rewound』(2004年)、『The Cosmic Game』(2005年)、『Versions』(2006年)、『Radio Retaliation』(2008年)、『Culture of Fear』(2011年)、『Saudade』(2014年)といったオリジナル・アルバムをリリースしています。これら以外にDJ Mix作品もあります。
僕がThievery Corporationの名を初めて知ったのは、Bebel Gilberto『Tanto Tempo』(2000年)でした。同作でThievery Corporationが1曲プロデュースを手掛けています。また、Bebel GilbertoもThievery Corporationの1st『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)や本作『The Mirror Conspiracy』(2000年)に参加しています。
また、当ブログで紹介した作品でいえば、ベイエリア産アフロビート作品Afrolicious『California Dreaming』(2013年)にRob Garzaが共同プロデューサーとして参加しています。ちなみにAfrolicious『California Dreaming』は『ezが選ぶ2013年の10枚』にセレクトした程のお気に入り作品でした。
アルバム全体としては、レゲエ/ダブ、インド、ブラジルなどのエッセンスを取り入れたダウンテンポなフューチャー・ラウンジ作品という印象です。洗練されていますが、明るすぎず、軽すぎずといった絶妙なさじ加減がいいですね。
こういったサウンドがワシントンD.C.から創り出されているというのも興味深いですね。
このグループのサウンド・センスの良さを実感できる魅惑の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Treasures」
Brother Jackのヴォーカルをフィーチャー。ダビーなダウンテンポ/トリップ・ホップ調のオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=GmGyTw4pNr0
「Le Monde」
Thievery Corporation作品ではお馴染みの女性シンガーLou Louをフィーチャー。オープニングに続き、ダブ/レゲエ調のダウナー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=XMEbEjq1-6U
「Indra」
Richie Havens「Somethin' Else Again」ネタのシタール音と共に始まるエキゾチックな幻想感に包まれたインド・モードのインスト。思わず瞑想ポーズになってしまいます・・・
https://www.youtube.com/watch?v=G7IFNnNMlwc
「Lebanese Blonde」
Pam Brickerをフィーチャー。彼女もThievery Corporation作品ではお馴染みの女性シンガーですね。前曲に続き、Rob Myersのシタールが印象的なインド・テイストの仕上がり。全体的にはエキゾチック・ラウンジといった雰囲気ですかね。アルバム・リリース以前の1998年にシングル・リリースされていた曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=_R7s8zpcaBg
「Focus on Sight」
ワシントンD.C.を拠点にするレゲエ・ユニットSEE-Iをフィーチャー。とはいってもモロにレゲエではなく、ルーツ・ロックのスピリットを持ったダビーなフューチャー・ラウンジといった趣の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=naxNdKVArMs
「Air Batucada」
Pam Brickerをフィーチャー。この曲からはブラジリアン・フレイヴァーの楽曲が続きます。バトゥカーダ+アンビエントといった趣のクールなダンサブル・チューンです。僕はこういうの好きだなぁ!
https://www.youtube.com/watch?v=O1zCZ7Y9mvg
「So Com Voce」
前述のBebel Gilberto参加曲。アルバム・リリース以前の1998年にシングル・リリースされています。本作と同年にリリースされたBebelの『Tanto Tempo』がお好きな人であれば、気に入るであろうボッサ・ラウンジに仕上がっています。Gabriel Yared「Betty Et Zorg」のサックス・ネタをサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=q44jFHLC8FY
「Samba Tranquille」
Nicola Conteをはじめとする当時のSchema系クラブジャズがお好きな人であれば気に入るであろうボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZzW7kPO6F1o
「Shadows of Ourselves」
Lou Louをフィーチャー。シングルにもなりました。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。Thievery Corporationの魅力がコンパクトに詰まったフューチャー・ラウンジ・サウンドを楽しめます。ホーン隊も盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=I2cgoGrRlJk
「The Hong Kong Triad」
タイトルからオリエンタルな雰囲気をイメージしてしまいますが、実際はそんな事はなくクールに疾走するインスト・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=d3MSHfokPEk
「Illumination」
エキゾチックなコーラスが支配するリズミックなインストです。
https://www.youtube.com/watch?v=mQzGaS24XAM
「The Mirror Conspiracy」
タイトル曲はPam Brickerをフィーチャー。Pamの気怠いヴォーカルとダウナーなサウンドがよくマッチしています。マッタリとしたユルさが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=o8VzrgH-9sc
「Tomorrow」
Jimmy Smith「Number One」をサンプリングしたリズムを用いた落ち着いた序盤、ダビーな中盤、ドラムンベースな後半へとサウンドの表情が変わっていきます。Ella Fitzgerald「We'll Be Together Again」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=gyh5r7xbMnY
本編はここまですが、僕が保有する盤には、さらに以下の2曲が追加されています。
「Bario Alto」
Ramon Gonzalezの哀愁ギターとダンサブル・サウンドの組み合わせが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=LiLH3PQoPOU
「Guide for I and I」
Plejahをフィーチャー。ダビーな疾走感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=AT6HaDbOiKk
Thievery Corporationの他作品もチェックを!
『Sounds from the Thievery Hi-Fi』(1997年)
『The Richest Man in Babylon』(2002年)
『Babylon Rewound』(2004年)
『The Cosmic Game』(2005年)
『Versions』(2006年)
『Radio Retaliation』(2008年)
『Culture of Fear』(2011年)
『Saudade』(2014年)