発表年:2005年
ez的ジャンル:フューチャリスティック系Hip-Hop/ソウル
気分は... :Sa-Raサウンドに再注目!
今回はLA出身のプロデューサー/クリエイター・ユニットSa-Ra (Sa-Ra Creative Partners)が2005年にリリースした『Second Time Around』です。
Taz Arnold、Shafiq Husayn、Om'Mas Keithの3人によるプロデューサー/クリエイター・ユニットSa-Ra Creative Partnersの紹介は、1stアルバム『The Hollywood Recordings』(2007年)、2ndアルバム『Nuclear Evolution: The Age Of Love』(2009年)に続き3回目となります。
『Nuclear Evolution: The Age Of Love』(2009年)以来、作品リリースがないSa-Raですが、メンバーは各々の活動をしているようですね。特にShafiq Husaynの名前は当ブログでも度々登場しています。
近年の作品でいえば、やはり、Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)への参加が目立っていましたね。有名ゲストが多数参加していたため、あまり話題になりませんが、『Black Radio』のオープニングはShafiq Husaynをフィーチャーした「Lift Off/Mic Check」でした。
その意味で、Shafiq HusaynはJazz The New Chapter(JTNC)の文脈でも重要なアーティストの1人です。実際、『Jazz The New Chapter』の中で、彼のソロ・アルバム『Shafiq En' A-Free-Ka』(2009年)がセレクトされていましたし、先月JTNC関連作品として紹介したBilal『Airtight's Revenge』(2010年)等にも彼は参加しています。
Sa-Raのフューチャリスティック&コズミックなエレクトロ・サウンドは、LAビート・ミュージックとの接点もあり、その意味でもJTNC的なアーティストだと思います。
今回紹介する『Second Time Around』(2005年)は、Sound In Colorからミニ・アルバムとしてリリースした作品です。『The Hollywood Recordings』収録曲と重なる部分もありますが、Sa-Raへの注目を高めたく、本作品を取り上げることにしました。
彼ららしいフューチャリスティックなサウンドを楽しめるタイトル曲「Second Time Around」、Pharoahe Monchをフィーチャーした「Fish Fille」、故J Dillaをフィーチャーした「Thrilla」、アナログで人気となったGB feat. Spacek「Simply So (Sa-Ra remix)」等ミニ・アルバムながら随所でSa-Raらしい音世界を聴かせてくれます。
Sa-Raサウンドに改めて注目すると、なかなか興味深いです。
前述のフル・アルバム2枚と合わせてチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Second Time Around」
Sa-Raらしいスペイシーなエレクトロ・サウンドを満喫できるタイトル曲。重量感のあるフューチャリスティック・ワールドがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=t8f6auPMiRg
「Second Time Around (Instrumental)」
「Second Time Around (Acappella)」
「Second Time Around」のインストとア・カペラ。ヴォーカル・パートにも力を入れていることを確認できるア・カペラ・ヴァージョンが意外に良かったです。
「Fish Fillet」
Pharoahe Moncheをフィーチャー。『The Hollywood Recordings』にも収録されていました。こうしたフューチャリスティック・サウンドのHip-Hopトラックを聴くと、時代の数年先を走っていたSa-Raの先進性を再確認できます。
https://www.youtube.com/watch?v=AcNHq-pi3Do
「Fish Fillet (Instrumental)」
「Fish Fillet」のインスト・ヴァージョン。
「Thrilla」
J Dillaをフィーチャー。『The Hollywood Recordings』にも収録されていました。今となってはJ DillaとSa-Raのコラボというだけで感動です。
https://www.youtube.com/watch?v=4COTeJ1UFfo
「Thrilla (Instrumental)」
「Thrilla」のインスト・ヴァージョン。インストで聴くと、サウンドのミニマル/アブストラクトな特徴が際立ち、LAビート・ミュージックとの接点なども見えてきます。
「Smokeless Highs」
J Dillaとの接点も見てくるトラックがなかなか面白いインストです。
「We Gonna Do It Again」
Sa-Raらしいフューチャリスティック・サウンドを満喫したいのであれば、この曲もオススメです。
GB feat. Spacek「Simply So (Sa-Ra remix)」
ラストはGB feat. Spacek「Simply So」のSa-Raによるリミックス。この曲目当ての方も多いのでは?GB、Spacek(Steve Spacek)はSound In Colorの所属アーティストです。温かみのあるエレクトリック・ソウル・サウンドとSpacekの官能的ヴォーカルがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=-TQXgqm3WNc
Spacek(Steve Spacek)については、彼のソロ『Space Shift』(2005年)も要チェックです。J Dilla、Thundercat、Leon Wareも参加しています。
Steve Spacek『Space Shift』(2005年)
Sa-Ra Creative Partnersのフル・アルバムやShafiq Husaynのソロもチェックを!
『The Hollywood Recordings』(2007年)
『Nuclear Evolution: The Age Of Love』(2009年)
Shafiq Husayn『Shafiq En' A-Free-Ka』(2009年)