発表年:1970年
ez的ジャンル:ブラジリアン・コーラス・グループ
気分は... :ボートラも凄い!
今回はブラジルの男女コーラス・グループQuarteto Forma唯一のアルバム『Quarteto Forma』(1970年)です。
Quarteto Formaは60年代後半から70年代前半に活躍した男性3名、女性1名のコーラス・グループ。Osmar Milito作品への参加でも知られていますね。
グループ唯一のアルバムとなる本作『Quarteto Forma』(1970年)では、ヨーロッパのジャズ・コーラス・グループのようなダバダバ・スキャット、ハーモニーの変化をしっとりと聴かせる曲、ポップな楽曲での爽快ドリーミー・コーラス、ボッサ・ジャズをバックにした軽快なコーラスといったように、バリエーション豊かなコーラス・ワークで楽しませてくれます。
さらにCDには1971年のEP『Mau』からの4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。この4曲が本編に劣らないほど素晴らしい出来です。本編にはないソフトロック調、ロック調の楽曲もあり、結果として全体のバリエーションはさらに広がっています。
本編ならば「Forma」、「Rapaz D Bem」、ボートラならば「Rua Cheia」、「A Ilha」あたりはかなり重宝するはず!
ブラジリアン・コーラスの魅力を存分に堪能できる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Forma」
オススメその1。Eduardo Lages作。タイトルからしてグループのテーマ曲のようです。ダバダバ・スキャットの4ビート・ジャズですが、ヨーロッパのジャズ・コーラス・グループのような品の良さが漂います。本編では「Rapaz D Bem」と並ぶ僕のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=V0JsN8x2kaY
「Raindrops Keep Fallin' on My Head」
映画『明日に向って撃て!』の挿入歌としてお馴染みB.J.Thomasによる全米No.1ヒット「雨にぬれても」のカヴァー(Hal David/Burt Bacharach作)。当ブログではFree Design、Claude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Seven、Trio Mocotoのカヴァーも紹介済みです。女性のリード・ヴォーカルを中心に、このポピュラー名曲の魅力を素直に表現しているのが好感持てます。
「Teletema」
オススメその2。Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作。ノヴェラ『Veu De Novia』収録曲。当ブログではAntonio Adolfo & A Brazuca、Heraldo Do Monteのヴァージョンも紹介済みです。コーラス・グループとしての素晴らしいハーモニーを堪能できるドラマティックで美しい仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=BWTMQ3tJR_k
「Tem Pena」
Marcio Proenca作。ムーディーなサウンドをバックに、憂いを帯びたヴォーカル、しっとりとしたハーモニーを聴かせてくれます。
「Agua Clara」
Eduardo Lages/Paulo Barros作。素晴らしいオーケストレーションをバックに、澄み切ったハーモニーを聴かせてくれます。
「Manha de Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」のカヴァー。お馴染みの名曲を落ち着いたコーラス・ワークでしっとりと聴かせてくれます。この曲らしい物寂しさがよく伝わってきていいですね。
本曲について、当ブログではDexter Gordon、Gerry Mulligan、Balanco、Astrud Gilberto、Jack Marshall & Shelly Manne、Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholm、Oscar Peterson、Akua Allrich、Claude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's Seven、Diana Panton、Country Comfort、Isabelle Aubret、O Quartetoのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はそちらの記事もご参照を。
「De Onde Vens」
Dori Caymmi/Nelson Motta作。当ブログではElis Reginaのヴァージョンも紹介済みです。女性ヴォーカルがリードをとる大人の哀愁チューンに仕上がっています。
「E Nos... Aonde Vamos?」
オススメその3。Sergio Bittencourt/Eduardo Souto Neto作。同タイトルのノヴェラのテーマ曲。爽快でドリーミーなコーラスに魅了されます。
「Rapaz D Bem」
オススメその4。Johnny Alf作。軽快なボッサ・ジャズ・サウンドにのって、小粋なコーラスワークを聴かせてくれます。本編では「Forma」と並ぶ僕のお気に入り。
「Moon River」
映画『ティファニーで朝食を』の主題歌としてお馴染みのJohnny Mercer/Henry Mancini作品。アカデミー歌曲賞およびグラミーを受賞した大名曲をカヴァー。当ブログではRoman Andren、Os Tres Brasileirosのカヴァーを紹介済みです。ドラマティックなオーケストレーションをバックに、オリジナルの雰囲気そのままで美しいヴォーカル&ハーモニーを聴かせてくれます。
「Mariana」
Claudio Huthmacher/Mario Wellington Louzada作。ドリーミーな雰囲気が漂います。
「All the Things You Are」
ラストはOscar Hammerstein II作詞、Jerome Kern作曲のスタンダードをカヴァー。1939年のミュージカル『Very Warm for May』のために書かれた楽曲です。当ブログではJohn Lewis & Sacha Distel、Akua Allrich、Don Glaser、Larry Nozeroのカヴァーを紹介済みです。ここでは美しいオーケストレーションをバックに、エレガントなスキャット・コーラスを聴かせてくれます。
ここから4曲はボーナス・トラック。いずれもEP『Mau』収録曲です。この4曲が本作の目玉だったりします(笑)
「Boa」
オススメその5。Aldir Blanc/Marcio Proenca作。男性ヴォーカルがリードをとるメロウなボッサ・チューンです。
「A Ilha」
オススメその6。Aldir Blanc/Cesar Costa Filho作。パーカッシヴなリズムが格好良い軽快なMPBチューン。
https://www.youtube.com/watch?v=3SfPF0DdoWA
「Rua Cheia」
オススメその7。Eduardo Lages/Marcio Proenca作。僕の一番のお気に入り。ポップなグルーヴィー・サウンドに爽快コーラスが絡む至極のソフトロック。女性コーラスの♪パパパパパ〜ヤ♪がたまりません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=jjO1s_rE83I
「Antiga Voz」
オススメその8。Flavio Farla/Sidney Matos/Marco Aurelio作。壮大なスケール感を持ったロック調のサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pOERsoAlk5w
NFLは早くも第8週。
我がドルフィンズはアウェーでジャガーズと対戦!
白星先行で波に乗る絶好の機会なので、ぜひ快勝して欲しいです。