発表年:1985年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョン
気分は... :ヴォコーダー好きです・・・
今日はブラジリアン・フュージョンを代表するグループAzymuthが1985年にリリースした『Spectrum』です。
Jose Roberto Bertrami(key)、Alex Malheiros(b)、Ivan Conti(ds)によるスーパーグループAzymuthの紹介はデビュー・アルバム『Azimuth』(1975年)に続き2回目となります。
惜しくもJose Roberto Bertramiが一昨年に逝去したため、この3名による演奏、新作を聴くことができなくなったのは大変残念ですが、彼らが残した多くの作品群をこれからも大事に聴き続けたいですね。僕自身、まだまだ未聴のAzymuth作品が山ほどあるので・・・
80年代半ばにリリースされた本作『Spectrum』は、Bertramiのヴォコーダー使いとメロウなキーボード、強力なブラジリアン・リズムが印象的な1枚です。この時代らしいブラジリアン・フュージョン作品ともいえますが、今聴いても実に興味深い1枚です。
今回、『Spectrum』を取り上げたのは、オープニングを飾る「What's Going On」(Marvin Gayeのカヴァー)を紹介したかったからです。
元々僕はヴォコーダー入りの楽曲が好きなのですが、ここ数年はRobert Glasper Experimentのヴォコーダー入りジャズを頻繁に聴くようになりました。そんなヴォコーダー入りジャズに慣れた耳で聴くと、本作のヴォコーダー使いの「What's Going On」は実にハマります。
また、「Candomble」、「All That Carnival」、「Turma Do Samba」といったブラジリアン・リズム全開の演奏は、クロスオーヴァー/ブラジリアン・グルーヴ好きにはたまらないと思います。
それ以外にもメロウでキャッチーなブラジリアン・フュージョン・サウンドの楽曲が並びます。
Jose Roberto Bertramiがプロデューサー、Alex MalheirosとIvan Contiが共同プロデューサーとしてクレジットされています。
メンバー3人がそれぞれ存在感を示してくれる、スーパーグループらしい演奏を楽しめる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「What's Going On」
オススメその1。Al Cleveland/Renaldo Benson/Marvin Gaye作。名曲「What's Going On」をヴォコーダー・カヴァー。前述のようにヴォコーダー好きにはたまりません。メロウなキーボード、うねるベース、キレのあるドラムが織り成すアンサンブルもサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=MC3wZkqTJfk
「Song Of The Jet (Samba Do Aviao)」
オススメその2。Antonio Carlos Jobim作。当ブログではAgustin Pereyra Lucenaのカヴァーも紹介済みです。ブラジリアン・フュージョンらしいメロウネスを満喫できる心地好い1曲。
「Universal Prisoner」
Helen Lewis/Kay Lewis作。The Lewis Sistersとして活動していた姉妹の作品。Les McCann & Eddie Harrisが『Second Movement』(1971年)で演奏していた楽曲です。Paulinho Oliveraのフリューゲルホーンをフィーチャーした黄昏モードのメロウ・チューン。
「Candomble」
オススメその3。Alex Malheiros/Ivan Conti/Jose Roberto Bertrami作。Alex Malheirosのベースが先導するジャズ・ファンク。馬力のある疾走感と絶妙なヴォコーダー使いがたまりません。。
http://www.youtube.com/watch?v=leStX5wrKow
「All That Carnival」
オススメその4。Alex Malheiros/Jose Roberto Bertrami作。この曲もファンク色の強い演奏です。ブラジリアン・リズムとファンク・グルーヴの融合といった感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aIYPkVle9GA
「The Island (Comecar De Novo)」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Vitor Martins/Ivan Lins作。Paulinho Oliveraのフリューゲルホーンをフィーチャーした哀愁メロウ。
「Areias」
オススメその5。Alex Malheiros/Thereza Malheiros作。Alexのスキャット・ヴォーカル入りのキャッチーなブラジリアン・グルーヴ。メリハリも効いていてかなり格好良い演奏だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ZSWdYVcFo7o
「Turma Do Samba」
オススメその6。Ivan Conti作。ラストはバトゥカーダで盛り上げてくれます。ブラジリアン・リズムの洪水が実に心地好いですね!
http://www.youtube.com/watch?v=Qm4uFHNBAsw
Azymuthの他作品もチェックを!
『Azimuth』(1975年)
『Aguia Nao Come Mosca』(1977年)
『Light As A Feather』(1979年)
『Outubro』(1980年)
『Cascades』(1982年)
『Telecommunication』(1982年)
『Flame』(1984年)
『Tightrope Walker』(1986年)
『Crazy Rhythm』(1987年)
『Carioca』(1989年)
『Tudo Bem』(1989年)
『Curumim』(1990年)
『Volta a Turma』(1995年)
『Carnival』(1996年)
『Woodland Warrior』(1998年)
『Pieces of Ipanema』(1999年)
『Before We Forget』(2000年)
『Partido Novo』(2002年)
『Brazilian Soul』(2004年)
『Butterfly』(2008年)
『Aurora"』(2011年)