発表年:1974年
ez的ジャンル:マルディグラ・インディアン系ニューオーリンズ・ファンク
気分は... :素敵な選択肢?
ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンドThe Wild Magnoliasの1stアルバム『The Wild Magnolias』(1974年)です。
The Wild Magnoliasは、ニューオーリンズのマルディグラ・インディアンの部族であるWild Magnoliasのビッグ・チーフ(酋長)であったTheodore "Bo" Dollisと彼の幼馴染みでThe Golden Eaglesのビッグ・チーフであったMonk Boudreauxを中心に結成されたファンク・グループ。
グループは『The Wild Magnolias 』(1974年)、『They Call Us Wild』(1975年)、『I'm Back...at Carnival Time』(1988年)、『1313 Hoodoo St.』(1996年)、『Life is a Carnival』(1999年)、『30 Years and Still Wild』(2002年)といったアルバムをリリースしています。
マルディグラ・インディアンの伝統的な演奏とファンクを融合させたサウンドで注目されたグループであり、本作『The Wild Magnolias 』(1974年)と『They Call Us Wild』(1975年)は、レア・グループの人気作品です。
本作におけるメンバーは、Theodore "Bo" Dollis、Monk Boudreaux、June Johnson, Jr.、Crip Adams、Gate Johnson、Bubba Scott、James Smothers。また、スペシャル・ゲストとしてNorwood Johnson(bass drum)の名がクレジットされています。
さらに、The New Orleans Projectとして、アレンジを手掛けたWilly Tee(key、per、back vo)をはじめ、、Earl Turbinton, Jr.(alto clarinet)、Julius Farmer(b)、Snooks Eaglin(g)、Larry Panna(ds)、Alfred Roberts(conga)がバックを務めています。
リード・ヴォーカルBo Dollisとバック・ヴォーカル陣の掛け合い、Willy Teeを中心とした重くうねるファンキー・サウンドが一体となって独自のニューオーリンズ・ファンクを聴かせてくれます。個人的にはベースラインの格好良さにシビれてしまいます。
一度聴いたら病みつきになるファンキー・グルーヴを堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Handa Wanda」
パーカッシヴ・リズムにファンキーなワウワウギター、印象的なベースラインが絡むグルーヴィーなオープニング。ニューオリンズ・ファンクらしい悶絶グルーヴを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=jv1Xi8KscXc
「Smoke My Peace Pipe (Smoke It Right)」
クラヴィネット、トークボックス、サックスを効果的に配したファンキー・グルーヴ。シングルにもなりました。馬力のありそうなグルーヴがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=oPKmBRoDGfM
「Two Way Pak E Way」
Bo Dollisらの呪術的なヴォーカルと繰り返されるベースラインにヤラれるファンキー・チューン。ファンキーなギターが絡む終盤のテンションはかなり高いです。
http://www.youtube.com/watch?v=7LjVugC8TU4
「Corey Died On The Battlefield」
僕の一番のお気に入り。印象的なベースラインが牽引する重く引きずるグルーヴには中毒的な魅力があります。トークボックス使いも僕好み。
http://www.youtube.com/watch?v=m5d4XjqOvU8
印象的なベースラインは、3rd Bass「3 Strikes 5000」、Geto Boys「Gota Let Your Nuts Hang」、Double XX Posse「Put Ya Boots On」、Top Quality「Check the Credentials」といった楽曲のサンプリング・ソースとなっています。
「(Somebody Got) Soul, Soul, Soul」
『Ultimate Breaks & Beats』シリーズにも収録されたレア・グルーヴ人気曲。ドラム・ブレイク、Bo Dollisとバック・コーラスの掛け合い、ファンキーでアッパーなグルーヴ感、どこを取っても格好良い魅力に溢れています。
http://www.youtube.com/watch?v=DMmf9UQ6WPg
本曲はSchoolly D「Saturday Night」、Coldcut「Beats & Pieces」、J.J. Fad「Let's Get Hyped」Boogie Down Productions「The Homeless」、DJ Q-Bert「Track 10」等のサンプリング・ソースとなっています。
「Saints」
ディキシーランド・ジャズ・スタンダード「When The Saints Go Marching In(聖者の行進)」のファンキー・リメイク。お馴染みのこの曲がこんなにファンキーに生まれ変わるなんて感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=7ohUDhIFndg
以下の5曲はCDのボーナス・トラック。
「Meet The Boys On The Battlefront」
The Wild Tchoupitoulasもレコーディングしていたトラディショナルのカヴァー。リラックスした雰囲気がいいですね。
「Ho Na Nae」
ボーナス・トラックの中ではコレが一番格好良いですね。重くうねるベースラインを中心とした推進力のあるファンキー・グルーヴで突っ走ります。
http://www.youtube.com/watch?v=Qlp6sy4lFRs
「Golden Crown」
マルディグラ・インディアンの伝統色が強いトラディショナル。彼らのルーツを確認できます。
http://www.youtube.com/watch?v=jbrpWh7_Wg8
「Shoo Fly」
この曲ではMonk Boudreauxがリード・ヴォーカルをとっています。アーシーなファンキー・グルーヴで盛り上げてくれます。
「Iko Iko」
お馴染みのニューオーリンズ・トラディショナル。リラックスしたファンキー・カヴァーに仕上がっています。
The Wild Magnoliasの他作品もチェックを!
『They Call Us Wild』(1975年)
『Life is a Carnival』(1999年)
同じくニューオーリンズのマルディグラ・インディアンのバンドThe Wild Tchoupitoulasのアルバム『The Wild Tchoupitoulas』(1976年)もチェックしてみては?The Meters、Neville Brothersのメンバーが参加しています。
The Wild Tchoupitoulas『The Wild Tchoupitoulas』(1976年)