発表年:1985年
ez的ジャンル:Tommy Boy系男性R&Bヴォーカル・グループ
気分は... :テンダー・ラブ・・・
今回は80年代後半に活躍した男性R&Bヴォーカル・グループForce M.D.'sの2ndアルバム『Chillin'』(1985年)です。
数日前に紹介したTheophilus London『Vibes』で、Force M.D.'sがゲスト参加しており、懐かしくなって取り上げることにしました。
80年代後半、Force M.D.'sとFull Forceという2つのForceグループに魅了されたR&Bファンは多かったのでは?僕もそんな一人でした。
Force M.D.'sは1981年N.Y.スタテンアイランドで結成された男性R&Bヴォーカル・グループ。
メンバーはAntoine "T.C.D." Lundy、Trisco Pearson、Charles "Mercury" Nelson、Stevie D Lundy、Jessie Danielsの5名。
Tommy Boyとの契約に成功したグループは、1984年にデビュー・アルバム『Love Letters』をリリース。翌1985年には映画『Krush Groove』のサントラに収録された「Tender Love」(Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュース)が全米チャート第10位のヒットとなります。同曲は今日紹介する2ndアルバム『Chillin'』(1985年)にも収録されています。
さらに3rdアルバム『Touch & Go』(1987年)からはシングル「Love is a House」が全米R&BチャートNo.1となりました。4thアルバム『Step to Me』(1990年)を最後にTommy Boyを離れ、それを機にMercuryとTriscoはグループを離れてしまいます。
その後もメンバーを交代しながらグループは活動を続けますが、中心メンバーであったMercuryとT.C.D.は90年代後半に相次いで他界してしまいました。
本作『Chillin'』ですが、何はともあれJam & Lewisによる名曲「Tender Love」のアルバムですね。Jam & Lewisがポップチャートで成功を収めるきっかけとなった曲です。僕の場合、The S.O.S. Bandを通じてJam & Lewisに対する興味が高まり、さらに本曲のヒットでJam & Lewisプロデュース作品にハマっていきました。
また、個人的にも「Tender Love」には青春の思い出が詰まっています。その思い出はクリスマス・イヴと紐付いているので、この曲のイントロを聴くと、まずクリスマスの光景をイメージしてしまいます。
残念ながら、Jam & Lewisプロデュース曲は「Tender Love」1曲のみです。その意味では、当時はそれ以外の楽曲への関心は低く、印象は薄かったですね。
しかしながら、アルバム全体を聴き直すと80年代らしさと若手コーラス・グループらしい初々しさを楽しめる1枚に仕上がっていると思います。「Tender Love」以外であれば、素敵なラブ・バラード「Walking On Air」がオススメです。「Chillin'」あたりのHip-Hopトラックを配した楽曲もTommy Boyらしくて楽しいと思います。
「Tender Love」、「Force MD's Meet The Fat Boys」の2曲以外はRobin Halpinがプロデュースしています。
まずは「Tender Love」を10回リピートしましょう(笑)
全曲紹介しときやす。
「One Plus One」
ファンカラティーナのフレイヴァーの聴いた快活なポップ・ソウルでアルバムは幕を開けます。先入観なしで聴くと、当時の全米チャート席巻していた第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン風でもありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=wtIXfh3PC3w
「Here I Go Again」
コーラス・グループとしての魅力が存分に伝わってくる正統派スウィート・バラード。若手グループはが、こういうオーセンティックなバラードをきちんと歌い上げてくれるのは逆に新鮮ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bYA516opkuE
「Uh Oh!」
今聴くとドラム・プログラミングが陳腐ですが、ヴォーカル・パートは悪くない爽快なメロウ・ソウルに仕上がっています。良くも悪くも80年代半ばの音ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-poGanwAhRk
「Chillin'」
タイトル曲はラップパートもあるHip-Hop調のメロウ・チューン。スクラッチ音も含めてオールド・スクールなトラックがTommy Boy作品らしくて逆にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dMfC3wlBp-U
「Force MD's Meet The Fat Boys」
Fat Boysをフィーチャー。アルバム・リリース以前にシングル・リリースしていた楽曲です。「Chillin'」同様、てオールド・スクールなHip-Hopトラックがいいですね。Fat Boysも懐かしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dOfgvJDvsJ8
「Tender Love」
Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュース。本作のハイライトとなるメロウ・バラード。イントロを聴いただけで涙腺がウルウルしてきます。美しい鍵盤の響きとT.C.D.の実直なリード・ヴォーカルとスウィートなコーラスが、聴く者の心を素直に解してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=pW_vpwbERBo
Kenny Thomas、Dubwise、Uncle Sam、Jordan Knight、Alicia Keys、Jay-R、SHINee、Winston Francisといったアーティストが本曲をカヴァーしています。
また、Bone Thugs-N-Harmony「Days of Our Livez」、Jaheim「Have You Ever」、Kane & Abel feat. Master P, Silkk the Shocker & Sons of Funk「Call Me When You Need Some」、DJ Taz「Yearnin」、Trina feat. Kelly Rowland「Here We Go」、Mike Jones feat. Slim Thug and Lil' Flip「Magic Touch」、Young Rome feat. Marques Houston「For Your Love」、Krushadelic「Make It Happen」、Casino「Tender Love」、Internet Club「Wave Temple」等のサンプリング・ソースとなっています。
Kenny Thomas「Tender Love」
http://www.youtube.com/watch?v=41R0nZz62Ik
Uncle Sam「Tender Love」
http://www.youtube.com/watch?v=-E2YX22Rb_c
Jordan Knight「Tender Love」
http://www.youtube.com/watch?v=VhI5N6d5jKA
Alicia Keys「Tender Love」
http://www.youtube.com/watch?v=o0aY3_lN19s
Bone Thugs-N-Harmony「Days of Our Livez」
http://www.youtube.com/watch?v=0GVbeTdDRs4
Jaheim「Have You Ever」
http://www.youtube.com/watch?v=MegVA2-sCVk
Young Rome feat. Marques Houston「For Your Love」
http://www.youtube.com/watch?v=1Vg1eWZjLZ0
「Will You Be My Girlfriend?」
ダンサブルなポップ・ソウル。正直、サウンドは陳腐ですが、若手グループらしい快活さ、実直さがエナジーになっている感じでいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AemqW-AH_uc
「Walking On Air」
ラストは素敵なラブ・バラードで締め括ってくれます。「Tender Love」以外では、この曲を推す人が多いのでは?このグループの持つ爽快スウィートな魅力が反映されています。
http://www.youtube.com/watch?v=81g0LB39I_0
Force M.D.'sの他作品もチェックを!
『Love Letters』(1984年)
『Touch & Go』(1987年)