発表年:1989年
ez的ジャンル:Full Forceファミリー系Hip-Hop
気分は... :Full Forceいいね!
今日は80年代に活躍したHip-HopグループUTFOのメンバーであったDoctor Iceのソロ・アルバム『The Mic Stalker』(1989年)です。
UTFOは1983年にN.Y.ブルックリンで、結成されたHip-Hopグループ。メンバーはThe Kangol Kid、Doctor Ice、Educated Rapper、Mixmaster Iceの4名。
1984年にFull ForceプロデュースによるRoxanneとの共演シングル「The Real Roxanne / Roxanne's Back Side」でデビュー。
その後もFull Forceのプロデュースで『UTFO』(1985年)、『Skeezer Pleezer』(1986年)、『Lethal』(1987年)、『Doin It』(1989年)といったアルバムをリリースしています。
そんな中でグループの中心人物であったDoctor Ice(本名red Reeves)がリリースしたアルバムが本作『The Mic Stalker』(1989年)です。
ちなみにDoctor Iceは、オールドスクールHio-Hopを語る上で欠かせないグループWhodiniのメンバーJalilの弟です。
当時の僕はFull Force『Smoove』(1989年)に相当ハマっており、その流れでFull Forceプロデュースというのみで飛びついたのが本作『The Mic Stalker』でした。UTFOについては、グループ名は知っていたけど、音を聴く機会はなかったですね。今みたいにYouTube等ネットで気軽に音源を聴ける時代ではなかったので・・・
その意味ではFull Forceらしさに溢れたHip-Hop作品である本作は僕にとって大満足なHip-Hop作品でした。Full Force以外にもCheryl Pepsii RileyやLisa Lisa(Lisa Lisa & Cult Jam)がゲスト参加していたことにも惹かれた記憶があります。
改めて聴くと、少し一本調子な部分もあるアルバムですが、Full Forceらしいアッパーなノリのトラックを満喫できることは事実です。
ソウル好きの方は大ネタ使いのトラックも楽しめるはずです。
名盤とは言いませんが、侮れない1枚でもあると思います。
特にFull Force好きの人は要チェックです。
全曲紹介しときやす。
「Bass Up - Bass Down」
本作を印象付けるファンキーでアッパーなオープニング。
「Everybody Git Funky」
タイトルの通り、ファンキーに弾けたFull Forceらしいトラックを楽しめます。Lyn Collins「Mama Feelgood」、「Rock Me Again & Again & Again & Again & Again & Again (6 Times)」、「Think (About It)」をサンプリング。
「Nobody Move」
The J.B.'s「Givin' Up Food for Funk」、Yellowman「Nobody Move, Nobody Get Hurt」、Lyn Collins「Take Me Just as I Am」をサンプリング。ラガ調も交えたDoctor Iceの達者なフロウを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=sFma3wp04vI
「Love Jones」
Cheryl Pepsii Riley、Full ForceをフィーチャーしたBrighter Side of Darknessのカヴァー。こうしたスウィートなソウル・カヴァーを織り交ぜるあたりもFull Forceらしいですね。Stetsasonic「Float On」あたりと一緒に聴きたいですね。
「Sue Me!」
シングルにもなったダンサブル・チューン。良くも悪くもこの時代らしいアッパー感ですね。Full Force大好きだった僕はこの手のノリも嫌いじゃありません!Lyn Collins「Mama Feelgood」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=sgznqfHTSfU
「Brooklyn To L.A.」
ボトムの効いた疾走感に、この時代らしい格好良さを感じます。昔はこういうトラック好きだったなぁ?
https://www.youtube.com/watch?v=yjj277DNS7o
「Fever」
リラックスしたユルさのあるトラックとフロウがよくマッチしています。Fred Wesley & The J.B.'s「Same Beat」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=RVMOPgI2CuM
「Feelin' Irie」
ここではDoctor IceではなくDread Docとして、ダンスホール・レゲエ調のMCを聴かせてくれます。アルバムの中でいいアクセントになっています。
「The Mic Stalker」
タイトル・チューンもアゲアゲです。Bobby Byrd「Hot Pants - I'm Coming, I'm Coming, I'm Coming」、Fred Wesley「I'm Paying Taxes (What Am I Buyin')?」、Marva Whitney「What Do I Have to Do to Prove My Love to You」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=T7Cu9rgxySc
「Word To The Wise」
本作のハイライトかもしれませんね。Full Forceらしい格好良いファンキー・トラックとDoctor Iceの軽快なフロウがよくマッチしています。James Brown「Say It Loud, I'm Black and I'm Proud」、The J.B.'s 「Givin' Up Food for Funk」、Bootsy's Rubber Band「Bootzilla」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=IxfMCtspQ_Q
「The Chillologist」
Timmy Thomas「Why Can't We Live Together」ネタのモロ使いですが、「Why Can't We Live Together」の少しチープなサウンドが逆によく馴染んでいると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=mk2eMlLgUFQ
「Word Up Doc!」
ここではBetty Wright「Clean Up Woman」ネタの跳ねたトラックが印象的です。
「I Ain't Goin'」
大ネタ・トラックの間に挟まれて少し分が悪いですが、なかなかノリの良いトラックで僕は好きです。
「Just A Little Bit」
ここでも大ネタAretha Franklin「Respect」を用いたトラックと共にDoctor Iceのフロウが弾けます。
「True Confessions」
ラストはBlair Underwood、Lisa Lisa(Lisa Lisa & Cult Jam)をフィーチャー。男女のやりとりが延々と繰り広げられるのもこの時代らしいかもしれませんね。
ご興味がある方はUTFOのアルバムもチェックを!
『UTFO』(1985年)
『Skeezer Pleezer』(1986年)
『Lethal』(1987年)
『Doin It』(1989年)
『Bag It & Bone It』(1991年)