2014年12月14日

Gerardo Frisina『Movement』

クラブジャズのマエストロによる新作☆Gerardo Frisina『Movement』
Movement
発表年:2014年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :抗えない格好良さがある!

今回はSchemaの看板アーティストGerardo Frisinaの最新作『Movement』です。

イタリア、ミラノ出身のプロデューサー/DJであるGerardo Frisinaに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚です。

 『Ad Lib』(2001年)
 『The Latin Kick』(2005年)
 『Join The Dance』(2010年)

Nicola Conteと並ぶイタリアのジャズ・ダンス・シーンのマエストロですが、ヴォーカリストを配したアフロ・ジャズ、ソウル、ブルースといったブラック・ミュージック寄りのアプローチが目立つ近年のNicola Conteに対して、Gerardo Frisinaは本作でも相変わらずインスト中心のアフロ・キューバンなクラブジャズ道を邁進しています。

進化形ジャズに多くの注目が集まる今日、こうしたクラブジャズ然とした作品の位置づけってビミョーなのかもしれません。しかしながら、一度音を聴いてしまうと抗えない格好良さに魅了されるのも事実です。

アフロ・ファンク的な演奏もありますが、やっていることに極端な変化があるわけではありません。それでもサウンドの成熟度・完成度にはさすがマエストロという気がします。

Gerardo Frisinaがプロデュース&アレンジを手掛け、レコーディングにはGiovanni Guerretti(p、el-p)、Pasquale Bardaro(vib)、Hendrickson "Pucci" Mena(tp)、Alfonso Deidda(bs、fl)、Germano Zenga(ts)、Enzo Frassi(b、el-b)、Hernesto Lopez(ds、per)、Francesca Sortino(vo)といったアーティストが参加しています。

楽曲はすべてGerardo Frisinaのオリジナルです。

素直に格好良いアフロ・キューバンなジャズ・ダンスを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Arrival」
パーカッシヴなリズムと共に疾走しながらも、スタイリッシュな落ち着きを持つ大人のクラブジャズ・チューンでアルバムは幕を開けます。ヴァイヴの音色が全体に落ち着きを与えてくれます。

「I Need Rhythm」
本作の格好良さを象徴するアフロ・キューバンなジャズ・ダンス・チューン。骨太ベース、グルーヴィーなオルガン、エレガントなヴァイヴ、小粋なトランペット・ソロなど、どこを切ってもスタイリッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=OgIEN-ugJpk

「Movement」
タイトル曲はノスタルジックなスタイリッシュ感がたまりません。Pasquale Bardaroのヴァイヴの音色が優雅な気分にしてくれます。

「The Talisman」
格好良いブレイクと共に始まるアフロ・ファンク・チューンは本作ならではの新機軸ですね。クラブジャズにアシッド・ジャズ的なエッセンスが加わったような雰囲気です。妖しげなフルートの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=F90H4Gg2SRA

「Selvatico」
シャープに躍動するアフロ・キューバン・リズムでグイグイ牽引するSchemaらしいクラブジャズです。演奏全体のヴィヴィッド感がいいですね。

「The Sound Image」
ミステリアスな雰囲気でジワジワと迫ってくる妖しげなアフロ・キューバン。引き算のスタイリッシュさが格好良いですね。

「Eastern Vibrations/Shout it Out」
Francesca Sortinoのスキャットが誘う妖しい雰囲気に包まれた仕上がりです。

「Reporter」
Hendrickson "Pucci" Menaの格好良いトランペット・ソロが印象的です。スパイ・ジャズ的な格好良さもありますね。

「Communications」
エレガントなジャズ・ダンス・チューン。フロア仕様のリミックスが似合いそうな素材ですね。

「Moving Shadows」
ボッサ・ジャズなエッセンスも加えて軽やかに疾走します。ここでもノスタルジックな雰囲気を巧みに使っています。

「Mystic Latin」
タイトルの通り、妖しげなラテン・ジャズ・ダンスに仕上がっています。エスニックな香りも漂います。

「What's Jazz?」
ラストはダンサブルなアフロ・キューバン・チューンで締め括ってくれます。「What's Jazz?」というより、「What's Jazz Dance?」って雰囲気ですね。

Gerardo Frisinaの他作品もチェックを!

『Ad Lib』(2001年)
Ad Lib

『Hi Note』(2004年)
Hi Note

『The Latin Kick』(2005年)
The Latin Kick

『Note Book: A Journey In Sound The Remix』(2007年)
Note Book

『Join The Dance』(2010年)
Join the Dance [Import CD from Italy]
posted by ez at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック