
発表年:2000年
ez的ジャンル:豪華ゲスト、プロデューサーとの共演系Hip-Hop
気分は... :今聴き直すと面白い!
今日は故GuruによるプロジェクトJazzmatazzの第3弾『Jazzmatazz (Streetsoul)』(2000年)です。
これまで当ブログで紹介したJazzmatazzシリーズは以下の3枚。
『Jazzmatazz』(1993年)
『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)
『Jazzmatazz, Vol. 4』の記事でも書きましたが、Jazzmatazzと言えば最初の2枚のインパクトが大きすぎて、Guruの生前には第3弾、第4弾を軽視していた面があります。
Jazzmatazzというプロジェクト自体、Acid Jazz全盛期にHip-HopとJazzの融合を試みるための他流試合(?)プロジェクトとしてスタートさせたものであり、Acid Jazzブームの去った後にリリースされた第3弾、第4弾には食指が動きませんでした。音が云々というよりもプロジェクトの位置づけに興味が持てなくなったという感じです。
しかしながら、Guruの死後に余計な思いを排してこれらの作品に耳を傾けると、なかなかいいアルバムであると素直に思えるようになりました。
改めて眺めると、本作『Jazzmatazz (Streetsoul)』にフィーチャーされているアーティストの豪華さに感動します。Angie Stone、Donell Jones、Macy Gray、Bilal、Erykah Badu、The Roots、Amel Larrieux、Kelis、Craig David、Isaac Hayes、Les Nubians、Herbie Hancock、Big Shug、Junior Reid、Prodigal Sunnといったメンツです。
また、DJ ScratchDJ Premier、The Neptunes、Jay Dee(J Dilla)、Erykah Badu、The Roots、Victor Flowers、Agallah、Guru自身というプロデューサー陣もなかなかです。
このメンバー構成からイメージできるように、Hip-HopとJazzの融合というより、Hip-Hopとネオソウルの融合といった雰囲気ですね。個人的にはThe Roots、Bilal、Jay Dee(J Dilla)、Erykah BaduといったSoulquarians勢の参加曲やThe Neptunesプロデュース曲がオススメです。
改めて聴き返しても、いろいろ楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
アルバムのイントロ。
「Keep Your Worries」
Angie Stoneをフィーチャー。DJ Scratchプロデュース。シングル・カットもされた曲です。哀愁モードのトラックにのって、Angie姐さんの肝の据わったヴォーカルとGuruらしいフロウが絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=7R0D6ryRUqQ
「Hustlin' Daze」
Donell Jonesをフィーチャー。DJ Premierプロデュース。ほぼGang Starr状態ですね。American Cream Team feat. Raekwon & RZA「It's Not a Game」の声ネタも交えたプリモ先生の擦りと共に始まり、The Blue Notes「Here I Am」ネタのトラックが印象的です。Donell Jonesのヴォーカルもトラックによく馴染んでいます。さすがプリモ、いい仕事ぶりです。
https://www.youtube.com/watch?v=m9cD3qHELWM
「All I Said」
Macy Grayをフィーチャー。The Neptunesプロデュース。DJ Premierプロデュース曲の後に、The Neptunesプロデュース曲が並ぶと両者の個性が際立ちますね。余計なものを削ぎ落としたトラックで妖しげな雰囲気とMacyの個性的なヴォーカルを活かしています。
https://www.youtube.com/watch?v=6tU5rKPxKfU
「Certified」
Bilalをフィーチャー。Jay Dee(J Dilla)プロデュース。J Dillaっぽく聴こえないかもしれませんが、ビートはJ Dillaビートです。Klaus Wunderlich「Sugar Me/Standing in the Road」ネタのループが印象的なトラック、Bilal独特のハイ・トーン・ヴォーカルがGuruのフロウを盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=lVPlNhkD7yU
「Plenty」
Erykah Baduをフィーチャー。プロデュースも彼女です。レトロなジャジー調ながらもエリカ様ワールドにGuruを引きずり込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=tjJ1TL2gf1M
「Lift Your Fist」
The Rootsをフィーチャー。プロデュースもThe Roots。本作にはSoulquariansメンバーが何名か参加していますが、コレがSoulquariansらしい音なのでは?今聴いてもかなり格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=biuy7LSKBhQ
「Guidance」
Amel Larrieuxをフィーチャー。Guruプロデュース。Earth, Wind & Fire「Keep Your Head to the Sky」ネタのキャッチーな仕上がり。Amel Larrieuxの透明感のあるヴォーカルが華やかな雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=8JDTe8MG2TY
「Interlude (Brooklyn Skit)」
インタールード。
「Supa Love」
Kelisをフィーチャー。The Neptunesプロデュース。The Neptunesのエッジの効いたトラックが秀逸です。この頃のThe Neptunesはエッジーだったなぁ!
https://www.youtube.com/watch?v=_XNiTmGM9sQ
「No More」
Craig Davidをフィーチャー。Guruプロデュース。今回のフィーチャリング・アーティストの中で僕と最も縁遠いのがCraig David。どうもCD購入してまで聴きたいアーティストではないんですよね。僕の中では・・・。そんな理由で本曲も軽く聴き流してしまうことが多いのですが。
https://www.youtube.com/watch?v=CYKTduaZC8g
「Where's My Ladies?」
Big Shugをフィーチャー。Guruプロデュース。Big ShugはGang Starr Foundationのメンバーですね。Fleetwood Mac「Prove Your Love」ネタのドラム、The Dramatics「Whatcha See Is Whatcha Get」ネタの上モノによるトラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=DKWSjs8s7pQ
「Night Vision」
Isaac Hayesをフィーチャー。Victor Flowersプロデュース。Isaac Hayes「Walk From Regio's」をサンプリングしたHayesへのリスペクトに溢れた1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=qfRK8aK2gvE
「Who's There?」
Les Nubiansをフィーチャー。Guruプロデュース。Gwen McCrae「Love Without Sex」ネタの哀愁トラックにのって、当ブログでも紹介したフレンチ・ネオソウル・デュオLes Nubiansがフレンチ・ヴォーカルでGuruを盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DVCrCnb6Jog
「Mashin' Up Da World」
Junior Reid(元Black Uhuru)、Prodigal Sunnをフィーチャー。Agallah/Guruプロデュース。ラガとGuruの融合って雰囲気が面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4a6sQkyVRyA
「Timeless」
Herbie Hancockをフィーチャー。Guruプロデュース。Jazzmatazzの原点を踏まえれば、こういったジャズの大物アーティストとの共演がJazzmatazzらしいですよね。サウンドの方もコンテンポラリー・ジャズとHip-Hopの融合といった雰囲気で実にスタイリッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=xETOLOwUETY
Jazzmatazzシリーズの過去記事もご参照下さい。
『Jazzmatazz』(1993年)

『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)

『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)
