発表年:1970年
ez的ジャンル:MPS系ジャズ・ロック
気分は... :ジャケはアイデア倒れですが(笑)
ジャズ・ヴァイヴ奏者Dave Pike率いるThe Dave Pike Setが1970年にリリースした『Infra-Red』です。
当ブログでこれまで紹介したDave Pike作品は以下の4枚。
『Bossa Nova Carnival』(1962年)
『Manhattan Latin』(1964年)
The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)
Dave Pike(vib、per、vo)、Volker Kriegel(g、sitar、per、vo)、J.A. Rettenbacher(b、vo)、Peter Baumeister(ds、per、vo)の4人から成るThe Dave Pike Setといえば、シタール人気曲「Mathar」(『Noisy Silence-Gentle Noise』収録)で有名ですね。
そのため、The Dave Pike Setのアルバムといえば、「Mathar」に続く、シタール・ジャズを探してしまいますよね。本作にも、その願望を叶えてくれるラーガ・ジャズ・ロック「Raga Jeeva Swara」が収録されています。
ただし、「Raga Jeeva Swara」だけで終わらないのが本作の魅力です。サイケ、ブーガルー、フリー・ジャズ等のエッセンスを織り交ぜながら、彼ららしいジャズ・ロック・サウンドを展開しています。
ジャズ・ロック・ユニットとしての完成度を高めた1枚。
アルバム・タイトルに因んで、赤外線調にしたジャケはアイデア倒れですが(笑)、中身はかなりエキサイティングです。
全曲紹介しときやす。
「Suspicious Child, Growing Up」
Volker Kriegel作。Kriegelのソロ・アルバム『Spectrum』(1971年)でも演奏していた楽曲がオープニング。アシッドな空気感の中でKriegelのギターやPikeのヴァイヴが鳴り響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=tJp4uo-YPpY
「Attack Of The Green Misers」
Dave Pike作。このユニットのアグレッシヴな演奏を堪能できるサイケなジャズ・ロック・チューン。Pike以外の3名の変幻自在なプレイは迫力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=EhCHoTrslhE
「But Anyway」
Volker Kriegel作。J.A. Rettenbacherの格好良いベースと共に始まるブーガルー調のグルーヴィー・ジャズ。軽快なグルーヴとPikeのヴァイヴの音色がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=WP93N7k02Ck
「Rabbi Mogen's Hideout」
Dave Pike作。メロディアスながらもジャズ・ロックしています。60年代後半のロック・サウンドが好きな人が気に入りそうなジャズ・ロック・サウンドという気がします。
「Raga Jeeva Swara」
J.A. Rettenbacher作。本作のハイライト。やはり、The Dave Pike Setといえば、Volker Kriegelのシタールをフィーチャーしたジャズ・ロック・チューンですよね。ファンの期待に応えてくれる1曲です。
「Send Me The Yellow Guys」
J.A. Rettenbacher作。フリーキーでファンキーなジャズ・ロック。特に後半のPikeのヴァイヴとファンキー・グルーヴの絡みが心地好いですね。Volker Kriegelのギター&シタールも快調です。
「Soul Eggs」
Volker Kriegel作。Kriegelのギターが炸裂する軽快でアッパーなソウル・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=2duVNNcz_kc
「Infra Red」
Dave Pike/J.A. Rettenbacher/Peter Baumeister/Volker Kriegel作。ラストは幻想的なフリー・ジャズで締め括ってくれます。
The Dave Pike Set、Dave Pike、Volker Kriegelの他作品もチェックを!
Dave Pike『It's Time for Dave Pike』(1961年)
Dave Pike『Pike's Peak』(1962年) ※Bill Evansとの共演作
Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
Dave Pike And His Orchestra 『Manhattan Latin』(1964年)
The Dave Pike Set『Got the Feeling』(1968年)
The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)
Dave Pike『The Doors of Perception』(1970年)
The Dave Pike Set『Live at the Philharmonie』(1970年)
The Dave Pike Set『Album』(1971年)
Volker Kriegel『Spectrum』(1971年)
The New Dave Pike Set『Salomao』(1972年)