発表年:1968年
ez的ジャンル:スワンプ・ミーツ・サイケ
気分は... :これぞ珍味!
今回はLeon RussellとMarc BennoのデュオThe Asylum Choirの1stアルバム『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)です。
スワンプ大将Leon Russellについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。
『Leon Russell』(1970年)
『Will O' The Wisp』(1975年)
Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)
The Asylum Choirは名セッション・ピアニストであったスワンプ大将Leon Russellと後に男性シンガー・ソングライターとして活躍するMarc Bennoという2人が組んでいたデュオ。
活動期間は1967〜69年という短命でしたが、その間に『Look Inside The Asylum Choir』、『Asylum Choir II』という2枚のアルバムをレコーディングしています。ただし、2nd『Asylum Choir II』は、1971年になりLeon RussellのShelterレーベルからリリースされるまでお蔵入りになっていました。
1stとなる本作『Look Inside The Asylum Choir』(1968年)はジャケのような時代を反映したサイケ・ポップ作品になっています。
ただし、サイケの中にもLeon Russellらしいスワンプな味わいや節回しはしっかりあり、ストレンジなサイケ・ポップとスワンプを意外にうまく融合させている気がします。
なかなかの珍味ですが、Leon Russell好きはかなり楽しめる1枚です。僕の場合、Leon Russellありきの聴き方なので、Marc Bennoには殆ど触れることができず、ゴメンナサイ!
全曲紹介しときやす。
「Welcome To Hollywood」
Leon Russell/Marc Benno作。曲自体はLeon Russell節でスタートしますが、そこにサイケ・ポップなホーン・サウンドが加わり、独特の雰囲気を醸し出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=_JF13Fy9OiY
「Soul Food」
Bill Boatman/James Markham/Leon Russell/Marc Benno作。ポップでアーシーでLeon Russell節といった感じですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=q_bAFZlaDi4
「Icicle Star Tree」
Wally Wilson/Leon Russell/Marc Benno作。本作らしいストレンジ・ポップ。後期The Beatles風のサウンドに薄っすらとスワンプの香りが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=--iHnNaYpXo
「Death Of The Flowers」
Greg Dempsey/Leon Russell/Marc Benno作。60年代サイケ・ポップ好きの人は気に入るであろうストレンジ・ポップ。ジャケのイメージがそのままフィットします。
「Indian Style」
Leon Russell/Marc Benno作。Leon Russellらしいメロディと、本作らしいポップ感が入り混じっているのがいいですね。The Beatles風のコーラスも印象的です。
「Episode Containing 3 Songs」
Leon Russell/Marc Benno作。「N.Y. Op.」、「Land Of Dog」、「Mr. Henri The Clown」という3曲から成ります。最初の「N.Y. Op.」はアヴァンギャルドな雰囲気です。続く「Land Of Dog」はホーン・サウンドの効いたポップ・チューンで、Leon Russellらしいメロディと怪しげなムードが入り混じっています。ラストの「Mr. Henri The Clown」はカントリー・フレイヴァーも入ったポップ・チューンです。
「Mr. Henri The Clown」
https://www.youtube.com/watch?v=uTXY-I21TeU
「Thieves In The Choir」
Jerry Riopelle/Leon Russell/Marc Benno作。Jerry RiopelleはThe Paradeの活動でも知られる人ですね。鐘の音色にエフェクトをかけるなどストレンジな雰囲気が漂いますが、メロディ自体はLeon Russellらしさが出ています。途中でクラシック名曲Edward Elgar「Pomp and Circumstance March No.1」(行進曲「威風堂々 第1番」)をユーモラスに挿入する遊び心もあります。
「Black Sheep Boogaloo」
Leon Russell/Marc Benno作。ラストはLeon Russell節が炸裂するロックン・ロールにストレンジ・ポップなエッセンスでアクセントをつけた楽曲で締め括ってくれます。
CDには「Soul Food」、「Welcome To Hollywood」、「Icicle Star Tree」、「Indian Style」のモノラル・シングル・ヴァージョン4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
ご興味がある方は2nd『Asylum Choir II』やLeon Russell、Marc Bennoのソロ作等もチェックを!
『Asylum Choir II』(1971年)
Leon Russell『Leon Russell』(1970年)
Leon Russell『Leon Russell and the Shelter People』(1971年)
Leon Russell『Carney』(1972年)
Leon Russell『Hank Wilson's Back』(1973年)
Leon Russell『Stop All That Jazz』(1974年)
Leon Russell『Will O' The Wisp』(1975年)
Leon & Mary Russell『Wedding Album』(1976年)
Leon & Mary Russell『Make Love to the Music』(1977年)
Marc Benno『Marc Benno』(1970年)
Marc Benno『Minnows』(1971年)
Marc Benno『Ambush』(1972年)
Marc Benno『Lost in Austin』(1979年)